騎乗した福永祐一騎手は苦笑いを浮かべながら「スタートした瞬間、終わったと思いました」と振り返った。17年帝王賞後に行われたインタビューでの一コマである。 勝ったのはJRA勢7頭の中では、唯一のGI級競走未勝利だったケイティブレイブ。それまで重賞4勝を挙げ、いつGIに手が届いてもおかしくないレベルにはあったが、チャンスを...
「名勝負」を語る
「名勝負」を語るの記事一覧
スポーツ界の様々な「〇〇世代」たち 同じ時代に生まれた人たちを「〇〇世代」と名付ける分け方がある。 「Z世代」「ミレニアル世代」「団塊Jr世代」など、年齢が近い世代をひとつのグループとして扱う手法は、マーケティング分野において普通に使われている。 アスリートの「〇〇世代」区分でまず浮かんでくるのが、プロ野球の「松坂...
アフリカンゴールド、エクスパートラン、ザスリーサーティ、スヴァルナ、マイネルヴァッサー、マイネルファンロン、そしてマイネルレオーネ。 自らの走りで、そしてその血の輝きで、私を競馬の魅力に引きずり込んでのめりこませてくれたステイゴールド。中央に籍を置くその直仔は、とうとう7頭になってしまった(2023年6月現在。地方を含...
1979年に日本で初めての「白毛」ハクタイユーが登場してから40年以上が経過。まだまだ珍しい存在であることには違いないのだが、ブチコやソダシ、ハヤヤッコなどの活躍で、以前ほど好奇の目で見られることが少なくなったように思う。昔は「白毛は弱い」「白毛は走らない」などと云われた時代もあったそうだが、勿論そんな声は一切聞かれな...
私の夢は「東京優駿を“現地観戦”すること」だった。 「東京優駿」「とうきょうゆうしゅん」「トウキョーユウシュン」。 私は、耳触りの良いこのフレーズが大好きだ。 5月の最終、もしくは6月の最初の日曜日。梅雨明け前の晴れた日に開催される2分30秒足らずのドラマを、「1年で一番熱い日」として毎年心待ちにしている。 私が初...
競馬では時として長い写真判定の末に、わずか数cmの差で明暗がはっきり別れてしまうレースがある。中でも特に有名なのが1999年の有馬記念ではないだろうか。ゴール前でテイエムオペラオーが一瞬先頭に立ったところで、外からグラスワンダーとスペシャルウィークが差してきて、最後はこの2頭が鼻面を合わせてゴールイン。その着差はわずか...
「そんなに悩むのなら、コインでも投げて決めるたら、いいんじゃないか」気怠そうに言う目の前の先輩に、私は苛立ちを覚えた。「大事なことを、コイントスみたいにいい加減なことで決められるわけないです」私は、少し憤慨して答えた。テーブルに置かれた二つのコーヒーからは、ゆらゆらと湯気が立ち上っていた。ことあるごとに、私の相談に乗っ...
レースで度々目にする「番狂わせ」 「番狂わせ」は、スポーツの世界で度々起こるドラマだ。 広辞苑で「番狂わせ」を引くと、「①予想外の出来事で順番の狂うこと。 ②勝負事で予想外の結果が出ること」と記されている。 「番狂わせ」の言葉は、江戸時代から存在する言葉で、相撲の番付の下位力士が、上位力士に勝利することを指して「番狂わ...
ダンスインザムードが出てきたとき、私は彼女に兄ダンスインザダークの面影を重ねていた。性別も毛色も違う2頭。しかし、まとった雰囲気がすごく似ていると感じていた。 2頭の母はダンシングキイ。ダンスインザダークの前にはエアダブリンとダンスパートナーも出している名牝だ。兄や姉はいずれも後方から強烈な末脚を繰り出すイメージがある...
近年は「牝馬の時代」と盛んにいわれ、牝馬が牡馬を負かすことは珍しいことではなくなった。だが、ダートでは少々事情が異なり、まだまだ牡馬優勢と言わざる得ない。牡馬混合のGI/JpnIで牝馬が勝利したのは僅か。今回は砂で大輪を咲かせたショウナンナデシコをご紹介したいと思う。 根をはり開花の時を待つ 2019年9月にデビューを...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]天まで届け勝利の凱歌。史上まれに見る混戦を制したのはジャスティンミラノ!~2024年・皐月賞~
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[重賞回顧]中118日の雪辱劇!『マジックマン』に導かれたステレンボッシュが、逆転で桜の女王を戴冠~2024年・桜花賞~
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[重賞回顧]躍進著しい上村厩舎の大黒柱ベラジオオペラ。ダービーの雪辱を果たし、GⅠ初制覇を達成!~2024年・大阪杯~
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[重賞回顧]雪辱vs雪辱の死闘を制したマッドクールが、待望のGⅠ初制覇~2024年・高松宮記念~
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[重賞回顧]傑出した瞬発力でライバルを圧倒!無傷3連勝を達成したシックスペンスが、堂々クラシック候補に名乗り~2024年・スプリングS~
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[重賞回顧]良血の外国産馬エトヴプレが一気の逃げ切りで後続を完封!~2024年・フィリーズレビュー~
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