小柄でパワー型で粘り強いといえば、ステイゴールド産駒の特徴の一つであろうか。三冠馬のオルフェーヴルや破天荒で予測不能なゆえにファンが多かったゴールドシップ、障害の絶対王者と称されるオジュウチョウサンなど、個性的で強い産駒たちも父同様に愛されている。今回はそんなステイゴールド産駒の一頭・レッドリヴェールについて語ろうと思...
「名馬」を語るの記事一覧
1.寺山修司との出逢い 「言葉の錬金術師」と評された文筆家・寺山修司のことを、私が競馬評論家として認識したのはいつだっただろうか。はっきりとは覚えていないのだが、そのきっかけとなった言葉は覚えている。 レースはただ、馬の群走にすぎないがその勝敗を決めるナンバーは、思想に匹敵する──寺山修司『ポケットに名言を』(角川書店...
21世紀の在来牝系 2023年は競馬法制定から100年目にあたる。日本の洋式競馬のはじまりはもっと早く、江戸時代末期、薩摩藩士がイギリス人を殺傷した生麦事件の賠償の一環として、幕府は横浜の根岸にある高台に西洋式競馬場を建設した。これがのちの横浜競馬場だ。日本初の洋式競馬主催団体は大隈重信らが発起人となった日本レース倶楽...
8月8日、菊花賞馬アスクビクターモアが熱中症による多臓器不全で亡くなりました。宝塚記念を走り終え外厩先で秋に備えていた矢先の出来事でした。 数少くなったディープインパクト産駒。母カルティカ、母父レインボウクエストの鹿毛馬であるアスクビクターモアは、2020年セレクトセールで1億8,700万円で取引されました。馬名の意味...
競馬を愛する執筆者たちが、名馬キタサンブラックの歩んだ道を振り返り、強さの根源を紐解いていく新書『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(小川隆行+ウマフリ/星海社新書)。 その執筆陣の一人である吉田梓氏が、キタサンブラックのライバル・ドゥラメンテについて回顧する。 同時代のライバル ドゥラメンテ 多くの...
座右の銘によく使われる「人間万事塞翁が馬」。 「淮南子(えなんじ)」という中国の哲学書に記された言葉で、「人生は予測できないものだ」というたとえである。これだけでは心を打つ言葉にはならないが、「良いことも悪いことも予期できないから、その出来事に振り回されてはいけない」、「悪いことが続いても今度は良い事があるかもしれない...
私の人生には、いつも競馬がすぐそばにあった。 古いアルバムをめくると、まだ1歳に満たない私が訳もわからず京都競馬場の芝生に座っている写真が見つかる。日付を調べると、どうやらその日は断然人気のマックスビューティが敗れた日らしい。 一番古い記憶は、西日を浴びて抜け出したヤエノムテキの姿。四白流星の彼に私の目は釘付けとなった...
淀駅の大阪方面ゆきホームからは、ほんの少しだけ京都競馬場の芝コースを望むことができる。たった今まで激闘が繰り広げられていたターフからは、まだ熱気がゆらゆらと立ち込めているように映った。 2013年4月28日、15時50分。天皇賞の決着を見届けた瞬間、私はその場から逃げ出すように席を立つと、数分後にはもう帰りの電車に飛び...
TVドラマ「水戸黄門」から学んだこと YouTubeもTitterも動画配信も無い時代。昭和という時代に成長期を過ごした私にとって、唯一の娯楽はテレビだった。子供のころは、「〇曜日はこの番組」という超高視聴率番組がいくつも存在し、それを家族揃って見るのが昭和のお茶の間風景。我が家も月曜の夜8時は、祖母の意向で「水戸黄門...
1998年10月26日横浜スタジアム。横浜ベイスターズ-西武ライオンズ 日本シリーズ第6戦 横浜ベイスターズが3勝2敗で日本一へ王手をかけていた。スタジアムに詰めかけた3万人のほとんどが横浜ベイスターズファンというある種、異様な空気だった。そんななか、0-0の緊迫したゲームは8回に動いた。8回表のピンチをこの年、ジャイ...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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