1.ダート競馬の「2頭の王者」 私にとって、ダート競馬とは「2頭の王者」と同義であった。馬券が買える年齢になり、地方交流重賞を含めたダート競馬を本格的に見始めるようになった2010年代半ば、ダートのGⅠ級競走を席巻していたのは、2頭の王者、すなわちホッコータルマエとコパノリッキーであった。 2014年~2015年で見る...
「名馬」を語るの記事一覧
怪物グラスワンダーや世界の怪鳥エルコンドルパサーなどの外国産馬が、日本で歴史的名馬として名を馳せた1995年生まれ世代。その世代において王者になれるほどの逸材ながら、常に脚元の戦いに悩まされ、早期引退となった内国産馬をご存じだろうか。 彼の名はエアジハードといった。 サンデー旋風が巻き起こる中、日本で活躍を見せた名馬・...
「ゼファー魂」水色地に記された力強い5文字は大きな存在感を放ち、彼の血を引く者に力強くエールを送った。ファンの熱量がダイレクトに伝わる横断幕が私は大好きだった。 ヤマニンゼファー。 サンデーサイレンス以前、競馬が今よりもう少しだけ泥臭かった90年代初頭にニホンピロウイナーの仔として産まれ、ダイイチルビー、ダイタクヘリオ...
毎年4月にホッカイドウ競馬が開幕すると「春が来たな」と感じ、10月に閉幕すると「冬が近いな」と感じるファンは、私だけでは無いはずだ。 ニシケンモノノフもそんな一頭だった。同馬は原孝明厩舎に入厩し、2013年7月4日に門別競馬のJRA認定フレッシュチャレンジでデビュー。初戦はハナを切ってレースを運ぶが、ジュリエットレター...
近年、日本各地にある地方競馬場で行われる重賞レースで、見ない時は無いほどに感じる名手、吉原寛人騎手。重賞ハンターとして活躍する吉原寛人騎手の名を全国に知らしめた1頭がソルテである。デビュー戦は最低人気だったのに、さきたま杯でついにダートグレードレースを制覇するまでに成長したソルテについて、今回はご紹介していきたい。 ポ...
2023年5月30日12時40分、ナイスネイチャが35歳の生涯を閉じた。 青空のもとで静かに息を引きとり、そよ風に運ばれるように魂は天国へと導かれていった。 競走馬の余生について真剣に考えるようになって久しい。競馬場を去った競走馬はどこへ行くのか。我々競馬ファンがそのことについて想像力を巡らせるのは正しい。しかし、競馬...
一時代を築いた名馬も、いつかは現役を退き次代にバトンを渡す。ディープインパクトやオルフェーヴルのように盤石の強さを最後まで示して後進を鼓舞する馬もいれば、黄昏を迎えながらも後進に立ちはだかり、そして乗り越えられる馬もいる。 どこか寂しさを募らせるそれは、次のステップに進むための大切なプロセスであり、名馬の背中を追う者は...
"メイショウ"松本好雄氏から旧約聖書士師記に登場する怪力の士師"サムソン"と名付けられた優駿は、その名の通り闘いを重ねることで己を鍛えた。 実戦にて己を鍛錬し続け、松本好雄氏にダービーオーナーという勲章をプレゼントした孝行息子。その姿は、まさに野武士の如くターフを駆け抜けるそのものだった。 日本基礎輸入牝馬を継ぐ血。 ...
取材で厩舎関係者の話に耳を傾けると、自分が知らなかったこと、勘違いしていたこと、わからなかったことに気づき、競馬は、外ラチの向こうとこちらで見える景色がまるで違うことを実感する。共通の体験がない私たちは向こう側を想像する術がなく、多くは勘違いだったりもする。外ラチは単なる白い柵ではない。見えない結界のようなものだ。だか...
NHKマイルCと日本ダービーという変則二冠という発想はマツクニローテとも呼ばれ、2000年代前半のトレンドでもあった。GⅠからGⅠへというローテは現在も主流だが、マツクニローテはそんな主流とは一線を画す。なにせ中2週で日本ダービーに挑むのだ。プリンシパルSと同じ間隔で、それも春のマイル王決定戦を戦っての中2週は今では考...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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