中山記念を迎える時、私はいつも一頭の栗毛馬を思い出す。そしてその馬を思い出す時、私はいつも一人のジョッキーを思い出す。 ──その馬は世界の名血。金色の見栄えする体躯を持ち、才気に溢れ、華があった。 ──その馬は大舞台に幾度も現れ、海を越え、多くの名馬と刃を交えた。 ──その馬は一組の師弟の絆を深め、夢を叶えた。 馬の名...
「名馬」を語るの記事一覧
「立春」とは、二十四節気のうち、その日を境に厳しい寒さが少しずつ緩み始め、春の気配が忍び寄ってくる日のことを言うらしい。毎年、おおよそ2月4日あたりになる。立春を過ぎてから確かに朝や日中の寒さは少し楽になった気もするが、私の鈍い感性をもってすると、まだ春の気配は遠すぎる。午前中のうちは暖かい日差しに照らされていたはずの...
2023年2月14日。 2日前の京都記念で心房細動を発症し、競走を中止したエフフォーリアの引退が発表された。11戦6勝、GⅠは皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念の3勝。すべて3歳シーズンであげたものだった。その年の年度代表馬は我々に希望と競走馬の繊細で複雑な部分を教えてくれた。 エフフォーリアのデビューは20年夏の札幌。そ...
1.ウマ娘・サトノクラウン登場 2022年11月5日、Cygamesが手掛けるメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』に、新たなウマ娘として「サトノクラウン」が登場することが発表された。2月22日に公開されたゲームリリース1周年記念アニメーションにおいて、「サトノ」のウマ娘であることと「クラちゃん」と...
いぶし銀・ダイワキャグニー、引退の報 長く府中の1800mでいい味を出していたオープン馬、ダイワキャグニーが引退を迎えた。 馬券でも何度か楽しませてくれ、足掛け8年もの間、競馬場で元気な姿を見せてくれた馴染み深い馬。彼の引退は、1頭の名バイプレーヤーが競馬場を去ることだけに留まらず、「ダイワ」の冠を持つ馬たちの最後の1...
思わず声を出して笑ってしまった。 たぶん、彼がジョープロテクターに乗って淀短距離Sを勝ったときのことだったと思う。テレビ中継のカメラがいつものようにウィナーズサークルの様子を捉えると、そこには満面の笑みを浮かべながら、ターフィーくんに抱きついて喜ぶジョッキーの姿があった。まるで子どもが遊園地のキャラクターとじゃれ合って...
何かを成し遂げるためには、時にステレオタイプにハマらない柔軟で勇気ある選択が必要になる。 MLBロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平選手が世間に広く知られるようになってからというもの、「二刀流」という言葉がさまざまな業界において頻繁に使われるようになった。大谷選手が活躍するようになるまで、あまり使われてこなかった...
生涯成績7戦3勝──。 この数字だけ見ると、戦歴の少ない競走馬に映るかもしれません。しかしこの3勝に夢を見せ、ファンにまた次の夢を見たいと思わせてくれた1頭の牝馬がいます。彼女の名はファンディーナ。タイ語で「良い夢を」と名付けられたこの馬は競馬を見始めたころの私に、そして所属するターファイトクラブの会員や多くの競馬ファ...
2-0-2-2。この数字は2019年フェブラリーステークスを勝ったG1馬インティの「中京競馬場での生涯成績」である。2度の勝利は500万下のレースと初の重賞参戦で制したG2東海ステークスでのもの。着外も、うち1度はG1チャンピオンズカップでの4着なので、中京競馬場との相性が良かったことが伺える。 インティは、未勝利戦か...
広い青空とうららかな日差しの下、一頭の栗毛馬が気持ちよさそうにクッションに顔を埋めている。穏やかで幸福に満ちた時間。アスリート然とした競走馬の姿とは一転、打算のない表情と溢れ出る愛嬌に嘘はない。 ”ウマをダメにするクッション”の魅力を最大限引き出した彼はYogiboと契約を結び、彼の姿はテレビCMと4200万回以上され...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]雪辱vs雪辱の死闘を制したマッドクールが、待望のGⅠ初制覇~2024年・高松宮記念~
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[重賞回顧]浦河の名門に一足早い春の訪れ!初物づくしの伏兵ペプチドナイルがGⅠ初制覇~2024年・フェブラリーS~
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