2019年のJRA2歳リーディングサイヤーはディープインパクトが1位、ハーツクライが2位とベテラン種牡馬がワンツーを決めた一方で、3位にキズナ、5位にエピファネイアが入るなど昨年種牡馬デビューした馬の活躍も見られました。
3歳となった今年もエピファネイア産駒のデアリングタクトが桜花賞を、キズナ産駒のアブレイズがフラワーカップ、クリスタルブラックが京成杯を制するなど勢いが衰えません。

2020年も、数多くの種牡馬がデビューします。
ここでは注目の種牡馬をピックアップしていきたいと思います。

モーリス(父スクリーンヒーロー 母メジロフランシス 産駒数179頭)

2016年の天皇賞・秋、香港カップなどを制したモーリス。
新種牡馬のなかでは注目度ナンバーワンなのではないでしょうか。

それもそのはず、モーリスの子供達は良血馬揃いなのです。
三冠牝馬ジェンティルドンナを母に持つジェラルディーナ(牝 栗東・石坂正厩舎)をはじめ、オークス馬を母に持つセブンサミット(母:シンハライト 牡 栗東・石坂正厩舎)、ルペルカーリア(母:シーザリオ 牡 栗東・友道厩舎)など、ノーザンファームが誇る名牝との間に生まれた子供達がデビューを待っているからです。

モーリス自身が本格化したのは4歳以降なので、ペーパー馬主ゲーム(POG)という観点では、そうしたモーリスの血を補う形で、早めに活躍しそうな血統を持つ牝馬との配合が良さそうです。また、サンデーサイレンスのクロスでも活躍馬の登場が期待されます。

距離は芝1600m~芝2000mのマイルから中距離が合いそうではないでしょうか。

ドゥラメンテ(父キングカメハメハ 母アドマイヤグルーヴ 産駒数191頭)

もう1頭の超注目馬は、2015年の日本ダービー・皐月賞を制したドゥラメンテ。

ドゥラメンテの子供達もモーリスに負けじと良血馬揃いです。宝塚記念を制したスイープトウショウの仔であるクリーンスイープ(牝 美浦・国枝厩舎)、フィリーズレビューなどを制したアイムユアーズを母に持つスワーヴエルメ(牡 美浦・堀厩舎)、米国G1レースを制したヨシダの半弟リエヴェメンテ(母:ヒルダズパッション 牡 美浦・萩原厩舎)など、こちらもノーザンファームを始め多くの子供達が登場します。

ドゥラメンテ産駒における懸念点は、ドゥラメンテ自身に気性の難しさがあったという点です。皐月賞を制した時、4コーナーで横っ飛びするなど気性の難しさを見せました。また、叔父のルーラーシップも何度もスタートで出遅れるなど、エアグルーヴの血を持つ馬は気性的に難しさを見せることがあります。それでも、成長力・ポテンシャルは十分ですし、そうした気性難を克服しダービーの頃にはドゥラメンテの子供が台頭しているかもしれません。

既に産駒は地方デビューし、浦和競馬ダート800m戦で、トーセンウォーリアが2着に1.1秒差を付ける圧勝を演じました。
父と同じく距離は芝2000m~芝2400mのクラシックディスタンスが合いそうだと思います。

マクフィ(父Dubawi 母Dhelaal 産駒数102頭)

海外から輸入した種牡馬で注目なのは、イギリス2000ギニー(日本で言う皐月賞 芝約1600m)などG1レース2勝を挙げたマクフィでしょう。

祖父のドバイミレニアムはドバイワールドカップ(ダート2000m)、英国G1クイーンエリザベス2世ステークスなどG1レースを4勝挙げた馬でした。しかし、急性グラスシックスネス(馬自律神経症)を発生し、わずか1世代のみで死去してしまうという、悲運の名馬でした。ところが、遺した1世代からDubawiがG1レースを3勝し、血を繋げました。Dubawiは種牡馬としても活躍馬を出し、マクフィもその1頭です。

欧州やニュージーランドで種牡馬生活を送ったマクフィは、初年度からフランス2000ギニー(日本でいう皐月賞 芝1600m)を制したメイクビリーヴなど、活躍馬を輩出。2017年より日本で種牡馬生活を送ることになりました。

マクフィも、多くの活躍馬や活躍馬の母との配合が実現しています。かしわ記念を勝ったワイドファラオの半妹(母:ワイドサファイア 牝 厩舎未定)、オークス2着馬のリリーノーブルを半弟・エクセター(母:ピュアチャプレット 牡 美浦・宮田厩舎)を筆頭に、ヴィクトリアマイルを制したエイジアンウインズの仔(牡 厩舎未定)や、函館スプリントステークス2着の母を持つオールアットワンス(母:シュプリームギフト 牝 美浦・中舘厩舎)など様々なタイプとの間に産駒が登場しています。

既に大井競馬でデビュー戦を制したマテーラフレイバーを出しているマクフィ。
JRAでも短距離を中心に良い馬を出す可能性があるはずです。

リオンディーズ(父キングカメハメハ 母シーザリオ 産駒数134頭)

2015年の朝日杯フューチュリティステークスを制したリオンディーズも134頭の子供を送り出します。

父は日本ダービー馬で種牡馬としても成功したキングカメハメハ。母はオークス馬シーザリオ。半兄にジャパンカップを制したエピファネイアがいる良血馬です。皐月賞は5着(4位入線も降着)、日本ダービーも5着に終わり怪我のため3歳で引退しましたが、血統の良さから種牡馬入りしました。

ドリームジャーニー、オルフェーヴルの姪・アイソリズム(母:アルスノヴァ 牝 栗東・奥村豊厩舎)、ハープスターの甥・ジュリオ(母:ヒストリックレディ 牡 美浦・木村厩舎)、エリザベス女王杯を制したラキシスの仔(牝 厩舎未定)などがいます。

数多くの活躍馬を出しているシーザリオ。
半兄のエピファネイアからは桜花賞馬デアリングタクトが登場し、すでに種牡馬としての成功をものにしています。弟も早くから活躍馬を出しそうです。

その他には、2013年の朝日杯フューチュリティステークスを制したアジアエクスプレス(父ヘニーヒューズ 母ランニングボブキャッツ 産駒数119頭)、日本競馬史上初となるGI(JpnI)10勝を達成したホッコータルマエ(父キングカメハメハ 母マダムチェロキー 産駒数111頭)、2015年の宝塚記念、天皇賞・秋を制したラブリーデイ(父キングカメハメハ 母ポップコーンジャズ 産駒数102頭)がいます。

ディープインパクトの子供からも多くの新種牡馬がいますから、2014年のNHKマイルカップなどG1レース2勝馬ミッキーアイル(父ディープインパクト 母スターアイル 産駒数75頭)、2015年の香港カップ・2016年のイスパーン賞(フランスG1)を制したエイシンヒカリ(父ディープインパクト 母キャタリナ 産駒数53頭)、さらには2014年のマイルチャンピオンシップを制したダノンシャーク(父ディープインパクト、母カーラパワー 産駒数28頭)がいます。

海外から輸入した種牡馬は2006年のアメリカG1レースシガーマイル(ダート約1600m)を制し、日本でもエアファリア(根岸ステークス)などを送り出したディスクリートキャット(父フォレストリー 母Pretty Discreet 産駒数96頭)、アメリカ三冠レースのベルモントステークスを制したクリエイターⅡ(父タピット 母Morena 産駒数60頭)がいます。

面白いタイプの種牡馬としては2016年のJBCスプリントを制したダノンレジェンド(父マッチョウノ 母マイグッドネス 産駒数71頭)がいます。父の血統を辿ると、1875年生まれのヒムヤーに辿り着く貴重な血統です。母のマイグッドネスは今年の中山記念を制したダノンキングリー(父:ディープインパクト)がいる血統です。

更に菊花賞馬トーホウジャッカル(父スペシャルウィーク 母トーホウガイア 産駒数9頭)、青葉賞馬ペルーサ(父ゼンノロブロイ 母アルゼンチンスター 産駒数8頭)、オルフェーヴルの全弟リヤンドファミユ(父ステイゴールド 母オリエンタルアート 産駒数16頭)などもいます。

6月から始まる新馬戦。
今年デビューする種牡馬が何処まで活躍するのか?
そして、来年のクラシック戦線に名乗りを挙げる馬が出てくるのか?
そして、挙げた馬が何処まで活躍するか?
今から、楽しみです。

写真:Horse Memorys

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