[POG2020-2021]注目馬紹介~一口クラブ・キャロットファーム編~

一口馬主の400口以上のクラブとして、初めてダービー馬を輩出した名門キャロットファーム。
5月21日の段階で79頭中14頭ものオープン馬が誕生しています。
過去の活躍馬をあげるとキリがないほどです。POG期間のGⅠ制覇だけに絞っても、

  • レイデオロ(2017年ダービー)
  • サートゥルナーリア(2018年ホープフルS、2019年皐月賞)
  • ハープスター(2014年桜花賞)
  • シンハライト(2016年オークス)
  • シーザリオ(2005年オークス)
  • トールポピー(2007年阪神JF、2008年オークス)
  • レシステンシア(2019年阪神JF)
  • アルフレード(2011年朝日杯FS)
  • リオンディーズ(2015年朝日杯FS)

という成績です。ここに本来ならば重賞制覇馬やクラシック入着馬も多数いますので、必ずチェックしておきたいクラブとなっています。
今回は注目の4頭を募集価格順にご紹介したいと思います。


アルマドラード

父:キングカメハメハ
母:ラドラーダ
母父:シンボリクリスエス
藤沢和雄厩舎(美浦)
2018年2月5日生まれ
牡・募集額1億4,000万円
母12歳時の出産で6連産目(第6仔)

母ラドラーダはキャロットファームが誇る「OurBlood」の代表馬と言っても過言ではないでしょう。
産駒5頭は全て複数勝利をあげ、全兄のレイデオロがダービー馬になっているだけでなく、レイエンダもエプソムCを制しています。
ノーザンファームが生産した父キングカメハメハ×母父シンボリクリスエスの産駒は4頭中3頭が勝ち上がりを果たしています。しかし本馬アルマドラードの場合、勝ち上がりだけでなく大舞台での活躍が期待されます。

管理する藤沢和雄厩舎は近5年間でクラブから10頭を預託されていますが、9頭が勝ち上がり内8頭が複数勝利をあげるという驚異の成績を残しています。
それだけにとどまらず、この記事を書いている段階(2020年5月23日)で、重賞馬5頭、オープン馬7頭が誕生しています。当然、クラブ内でもエリート中のエリートが入厩しているのだとは思いますが、この数字は驚異的です。キャロットとの連携の場合、非常に使い出しも早くPOG期間でもしっかりと出走数を確保してくれていますので「キャロットF×藤沢和雄厩舎」は要注目です。

母ラドラーダの特徴だと思うのですが、非常に父の良い所をしっかりと引き出す傾向が見て取れると思います。1つ上の半兄アブソルティスモはダイワメジャーの血が良く出ていてスピード豊かなマイルまでのレースでしっかりと走れています。マーガレットSを勝利したティソーナも同様の事が言えます。アルマドラードは、父キングカメハメハ産駒らしいしっかりとしたサイズ感と身体つきで成長し、やはり全兄同様中距離路線での活躍が期待されます。恐らくどこのPOGでも上位抽選必至かと思いますが、ぜひ指名したい一頭です。

クローヴィス

父:ハーツクライ
母:リリサイド
母父:American Post
矢作芳人厩舎(栗東)
2018年1月17日生まれ
牡・募集額1億円
母11歳時の出産で7連産目(第7仔)

リスグラシューの全弟の登場です。
母リリサイドの仔達は6連続で牝馬が誕生していて、今回、初めての牡馬が登場しました。
その6連続の牝馬たちからは、ここまで4頭が勝ち上がるという高い繁殖能力を示してくれています。

父ハーツクライ×母父American Postの組み合わせは本国で2組しか誕生していないのでサンプルとは言えない状況です。しかし、母父としてのAmerican Postは繁殖牝馬のレベルの高さもあるかと思いますが、10頭中7頭がJRAで勝利をあげています。

管理する矢作芳人厩舎は意外なことに近5年間で4頭しか預託がありませんが、リスグラシューを筆頭に3頭が3勝以上をあげています。矢作調教師は使える時にはガンガン使う傾向が顕著ですから、POG期間においても期待できる厩舎でしょう。

馬体は、皮膚感も良く映り、まさに良血馬そのものだと感じます。
調教の動画を拝見しましたが、パワーのありそうな脚の運びとストライドの大きい走りには期待が持てます。やはりこの血統ですし、いくら矢作厩舎と言えども少々使い出しは遅くなるかと思いますが、全姉リスグラシューは未完成とはいえど素質で、阪神JF2着、桜花賞・オークスをそれぞれ3着と好走した馬でもあります。
ダービーの舞台で、是非見てみたい一頭です。

シラクーザ

父:ロードカナロア
母:シユーマ
母父:Medicean
木村哲也厩舎 (美浦)
2018年4月25日生まれ
牡・募集額7,000万円
母10歳時の出産で5連産目(第5仔)

母シユーマは英国下半期の最強マイル牝馬決定戦サンチャリオットステークスなどGⅠを2勝。
半兄シユーニもGⅠ馬で、仏国にて人気種牡馬として活躍しています。
ここまで全て兄姉はディープインパクト産駒で堅実な勝ち上がりを果たしている中、初めてロードカナロアとの配合で誕生したのがシラクーザです。良くも悪くも、堅実な兄姉とは違ったタイプとなりそうです。

母父Mediceanからは父ダイワメジャーとの配合でアドマイヤマーズが登場しています。
そもそもMedicean(メディシアン)は英国のエクリプスSをはじめGⅠを2勝していて、現役時代の適性距離は1,600m~2,000mでした。それを考えるとアドマイヤマーズが朝日杯FS1着、皐月賞4着、NHKマイルC1着という戦績であることも頷けます。
シラクーザは父が今回ロードカナロアという事で、アドマイヤマーズと同じようなイメージで良いのではないでしょうか。

管理する木村哲也厩舎はキャロットファームのエース厩舎。
近5年で最多タイの15頭を預託され9頭が勝ち上がっています(勝ち上がり率60%)。
外厩であるノーザンF天栄との連携が抜群にとれていて、ノーザンF生産馬との相性は目を見張るモノがあります。まだキャロットFから重賞馬はだせていませんが、それも時間の問題でしょう。

馬体はいかにもロードカナロア産駒らしくスピード感がありそうな馬体をしています。
上述の通り血統的な観点からもマイルがベストかと思いますが、2,000mの皐月賞の距離くらいまでは勝負できそうにも見えます。

リエヴェメンテ

父:ドゥラメンテ
母:ヒルダズパッション
母父:Canadian Frontier
萩原清厩舎 (美浦)
2018年1月28日生まれ
牝・募集額5,000万円
母11歳時の出産で6連産目(第6仔)

牝馬ならばこの馬を推薦したいです。
母ヒルダズパッションからは米国GⅠ馬ヨシダ、牝馬ながら2020年シンザン記念を制したサンクテュエールと、才能豊かな兄姉が誕生しています。父が新種牡馬ドゥラメンテに変わった事で新たな一面が見られそうです。

管理する萩原清厩舎は近5年で7頭が預託され4頭の勝ち上がり。勝ち上がった4頭はPOG期間で重賞に出走し、2勝以上をあげています。
厩舎の通算重賞制覇数33勝に対し14勝を一口クラブ馬であげている面や、上位騎手をしっかり確保している点も好感が持てます。

父がドゥラメンテに変わった事で、馬体は中距離以上に向いたタイプではないでしょうか。育成の段階から15-15レベルでは余裕をもって走れている事から、夏から秋のデビューは十分視野に入っているようですので、オークスを逆算したローテーションを期待します。


以上、高橋楓が選ぶキャロットファームの厳選4頭でした。
ここに掲載できなかった募集馬の中にも才能豊かな若駒は何頭もいると思います。

今回の記事内の選定方法は、色々な数値を用いた中で、
「近5年間でクラシック出走を果たした40頭」のデータに重きを置いて選抜しています。

この記事が皆様のPOG戦略のお役に立てれば幸いです。

※記事内のクラブの名称はクラブ法人名を使用しています。
※記事内の数字は2020年5月22日現在になります。
※記事内の写真は募集カタログの写真になります。

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