[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2020/11/7,8

「road to the future」未来へ続く道。

このコーナーでは、週末の新馬戦を勝ち上がった馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線で活躍する名馬や、古馬になって活躍する名馬が、きっと現れるはずです。
今週は、どのような期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

11月7日(土)

東京5R メイクデビュー東京・ダート1,600m・1:38.3

イグナイター

牡馬(2番人気)
父:エスポワールシチー
母:ビアンコ
母父:ウォーニング
生産牧場:春木ファーム(日高町)
所属:牧田和弥厩舎(栗東)
鞍上:武藤雅騎手

後続を7馬身離して派手な新馬勝ちを果たしました。
父エスポワールシチーからは目立った超大物こそ出てはいませんが、2018年羽田盃勝ち馬のヤマノファイト、総獲得賞金額1億円超えのショームなど活躍馬はでています。

今日は狙いすましたように東でデビューし、そこで勝てた事は大きかったと思います。
力のいるパワータイプという事も見えましたし、次走の選択肢が広がったのではないでしょうか。

東京6R メイクデビュー東京・ダート1,300m・1:18.2

レモンポップ

牡馬(1番人気)
父:Lemon Drop Kid
母:Unreachable
母父:Giant's Causeway
生産牧場:米国
所属:田中博康厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手

強い勝ち方をしたなぁ、と感じましたがタイムにも驚きました。ダート短距離界に新星の登場です。

過去に2歳時に同条件で「1:18.2」より速いタイムを出したのは1980年以降2頭のみ。2019年高松宮記念馬ミスターメロディと2歳のダート戦で活躍し後にオーバルスプリント(浦和)を制したアースサウンドだけです。
戸崎騎手も持ったままという様な内容でしたし、能力だけで勝ったと言っても良いでしょう。

父Lemon Drop Kid(レモンドロップキッド)は米国のGⅠを5勝し2000年にエクリプス賞最優秀古牡馬にも選ばれた名馬。

今日の走りを見るに先々は明るく、重賞級の逸材だと思います。
非常に楽しみな馬が現れました!

東京7R メイクデビュー東京・芝1,600m・1:35.6

ブライトギフト

牡馬(1番人気)
父:エピファネイア
母:ファシネートダイア
母父:アグネスタキオン
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:池上昌和厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手

ラスト200mからの伸び脚は実に見どころがありました。

父エピファネイア×母父アグネスタキオンの組み合わせは14頭中3頭の勝ち上がりに留まっていましたが、しっかりと新馬勝ちを果たしました。この配合は切れ味タイプというよりも長い脚を使うタイプが現状多いだけに、今後のスピード力の強化があれば面白い存在になっていくとはずです。

阪神5R メイクデビュー阪神・芝2,000m・2:04.7

ヴェルトハイム

牝馬(2番人気)
父:ロードカナロア
母:ワイルドココ
母父:Shirocco
生産牧場:ケイアイファーム(新ひだか町)
所属:友道康夫厩舎(栗東)
鞍上:藤岡康太騎手

直線の坂を苦にする事無く、堂々抜け出し新馬勝ちです。
母ワイルドココは英国の重賞馬であり、ヴェルメイユ賞では凱旋門賞を連覇したトレヴの2着だった馬でもあります。
また母父Shirocco(シロッコ)は史上初めてBCを制した独国生産の名馬です。

血統面だけ見ると欧州よりのイメージを持ちますが、ロードカナロアとの配合によりスピード面が補われている印象です。
今日はスタートでかなり後手を踏む面が見られ少頭数に助けられた格好になりましたが、血統的にも来春に向けて楽しみな一頭です。

阪神6R メイクデビュー阪神・ダート1,800m・1:56.5

ジュディッタ

牝馬(1番人気)
父:ダノンレジェンド
母:メリーウィドウ
母父:ゴールドアリュール
生産牧場:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
所属:石坂公一厩舎(栗東)
鞍上:福永祐一騎手

好位から抜け出す好センスな競馬を披露し、新馬勝ちを果たしました。

母メリーウィドウもシルクレーシングで現役生活を送り37戦4勝のタフネスホース。
初仔がいきなり結果をだしてくれました。

スタートも良かったですし、騎手の指示にもしっかり反応しましたしデビュー戦としては十分な内容だったと思います。

血統的に成長力もあるでしょうし、母同様長い活躍が見込めそうな一頭です。

11月8日(日)

東京5R メイクデビュー東京・芝2,000m・2:04.5

スノークォーツ

牝馬(5番人気)
父:ゴールドシップ
母:サビアーレ
母父:Capote
生産牧場:矢野牧場(新ひだか町)
所属:大竹正博厩舎(美浦)
鞍上:池添謙一騎手

少頭数ながら非常に好メンバーの新馬戦を制しました。

牝系は半兄が2013年の日経新春杯の勝ち馬カポーティースターで、血統表を遡るとサクラローレル、タイムパラドックス、タイムフライヤーと多種多様なGⅠ馬がいる一族です。
騎手の指示にしっかり反応する優等生な競馬でしたし、狭い馬群を縫うようにインに進路をとりながら抜けてきた脚は新馬戦としては上々の内容だったと思います。

2019年の北海道セレクションセールから馬体は見違えるほど洗練され、スピード感もでてきました。
デアリングタクトの登場で波に乗るノルマンディーサラブレッドレーシングから、楽しみな存在がまた一頭現れました!

https://uma-furi.com/pog20-21-normandyoc/

ちなみに本馬は「ウマフリPOG企画~ノルマンディー注目馬ベスト3」に選出していた一頭でもあります!

東京6R メイクデビュー東京(牝馬限定)・芝1,600m・1:36.9

フェアリーリング

牝馬(6番人気)
父:ワールドエース
母:フォーモアサンボ
母父:ノボジャック
生産牧場:高昭牧場(浦河町)
所属:稲垣幸雄厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手

進路を見つけてからの切れ味には、目を見張るものがありました。

父ワールドエース×母父ノボジャックの配合からはノボノンノンという馬がすでに南関で走り勝ち星をあげています。
今日のレースを見るに父ワールドエースが強く出た印象ですので芝でも問題ないでしょうし、距離の延長も問題なさそうです。

次走でも今日のような切れ味をだせるか注目です。

阪神4R メイクデビュー阪神・ダート1,200m・1:12.8

ワイズマンハート

牡馬(4番人気)
父:ヨハネスブルグ
母:リボルトレイダー
母父:ワイルドラッシュ
生産牧場:笹川大晃牧場(茅部郡森町)
所属:松永昌博厩舎(栗東)
鞍上:森一馬騎手

渡島半島の茅部郡森町、笹川大晃牧場さんにとって嬉しい2歳新馬勝ちです。

YGGホースクラブの会員の皆様であればニーズヘッグの故郷といえばお分かり頂けるかと思います。
レース内容は二の足良く先手を奪うと後続を寄せ付けず6馬身差をつけての圧勝です。直線を向いた際に森騎手が追い辛そうにする場面も見受けられましたが、かみ合ってからは離す一方でした。

血統面では父ヨハネスブルグ×母父ワイルドラッシュの組み合わせは過去2頭だけのようですが、その2頭はJRAで勝ち星のあるタマモライト、レベルの高い南関で3勝をあげているハンサムウーマンです。
本馬も現状はダートの短距離路線を歩むかと思いますが、次走で改めて評価して見たい一頭です。

阪神5R メイクデビュー阪神・芝1,800m・1:48.7

オヌール

牝馬(1番人気)
父:ディープインパクト
母:アヴニールセルタン
母父:Le Havre
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:友道康夫厩舎(栗東)
鞍上:武豊騎手

全姉デゼルに続く、有力馬の登場です。
父はディープインパクト、母は無敗で仏1000ギニー、仏オークスを制覇しハープスター、ジャスタウェイ、ゴールドシップが出走した2014年凱旋門賞で最有力の一頭に支持されたアヴニールセルタンです。

配合面でいうと、まずは何と言っても全姉が2020年オークスで2番人気に支持されたデゼルという点。
姉同様ゆっくりなスタートになるかと思いましたが、2歳戦で勝ち上がる辺りは血の成す業と言えるでしょう。

レースはスタートでワンテンポ遅れましたが、難なく先団につけ直線ではフワフワしながらも凌ぎきりました。ソラをつかったのかまだ若さが見えるところもあり、これからの馬といった印象です。
順調ならばオープンクラスを期待したい一頭です。

阪神6R メイクデビュー阪神・芝1,400m・1:21.2

グレイイングリーン

牡馬(1番人気)
父:ディープインパクト
母:リトルゲルダ
母父:Closing Argument
生産牧場:追分ファーム(安平町)
所属:池江泰寿厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手

非常にセンス良い走りで新馬勝ちです。

母リトルゲルダは短距離の重賞戦線の常連で、2014年には重賞連勝の後に香港スプリントにも快速馬でした。
本馬も母のスピードをしっかり受け継いでいます。

首の使い方も上手ですし、走りも非常にきれいでした。
今日の走りを見るとマイルまで何ら問題ないでしょうし、上を目指せる素材だと思います。

福島5R メイクデビュー福島・芝1,200m・1:10.7

ミエリ

牝馬(2番人気)
父:ハーツクライ
母:サミター
母父:Rock of Gibraltar
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:藤岡健一厩舎(栗東)
鞍上:斎藤新騎手

392kgの小さな馬体ながら、しっかりと叩きあいを制しました。

父ハーツクライ×母父Rock of Gibraltar(ロックオブジブラルタル)の配合は非常に相性が良く、7頭中5頭がJRAで勝ち上がりを果たし、京都2歳Sを制したグレイルはクラシック皆勤賞を果たしています。
半兄ダノンチェイサーは2019年きさらぎ賞を制しNHKマイルカップ4着馬と血統面では非常に楽しみが広がります。

正直、福島1,200mのデビュー戦は予想外でした。
スタートは問題なかったですし、道中の走りを見ていると距離はまだまだ伸びても大丈夫でしょう。
まずは何より1勝できた事が非常に大きいです。これで成長を促しながらレース選択をする事が出来ます。
道中の勝負根性も見えましたし、今後馬体の成長もしていけば非常に楽しみな一頭だと思います。

写真:三木俊幸

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