「名馬」を語る よかよか、と笑えるから - 2021年北九州記念・ヨカヨカ 2026年7月4日 小倉の夏は、どこか人をおおらかな気持ちにさせる。 照りつける陽射しも、まとわりつくような湿った風も、決して優しくはないはずなのに、そこには不思議と懐かしさが同居している。 そんな土地で、昔からよく使われてきた言葉がある。 「よかよか」 思うようにいかない日も、先が見えなくなる時もある。けれど、そんなときでも大丈夫、焦ら... norauma
「名馬」を語る 残照の先に芽吹くもの - エフフォーリアが駆け抜けた季節 2026年7月2日 春の陽ざしが少しずつ暖かさを帯び、柔らかな空気が戻ってくる。その季節の気配に触れると、不思議と心が軽くなる。 競馬は毎週のように新しい主役を生み出す世界。約束のない舞台で、馬たちは一歩ずつ物語を刻んでいく。そんな季節の移ろいのなか、ときに1年の景色を変えてしまうような輝きが現れる。 2021年の春。コロナ禍の閉塞感がま... norauma
「名馬」を語る ひたむきに、自分の道を - 夏の函館、波乱の立役者アドマイヤジャスタ 2026年7月1日 週末、お気に入りのファミリーレストランでいつものモーニングを頼む。店内を見渡すと、親子連れや老夫婦、勉強に勤しむ学生、読書を楽しむ壮年の男性など、私を含む市井の人々が各々ゆったりとした休日の朝を過ごしていた。 心地よい穏やかな時間だ。 耳を澄ませると、店内BGMが聞こえてくる。流れていた曲は、SUPER BEAVERの... ポグリエル
「名馬」を語る 未完の快速馬、ビッグバイアモン - 1996年、中山の夏の午後に咲いた「幻影」の物語 2026年6月24日 6月の府中開催が終わると、季節はゆっくりと夏へ向かい、福島競馬が始まる。 この切り替わりは、毎年どこか胸の奥をそっと撫でていく。初夏の府中競馬場で積み重ねてきた濃密な週末とは違う、「夏のリズム」が動き出す合図のようでもある。 関東エリアの夏競馬——福島から新潟へと続く10週間は、週末を競馬場で過ごしてきた生活に、ひと呼... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 草競馬で逢おう - イグナイターの挑戦 2026年6月24日 1.「地方落ち」 文筆家・寺山修司は競馬評論家としての旺盛な活動でも有名だ。私も『ウマフリ』で寺山が世に送り出したエッセイの数々を紹介してきたが、実は馬主だったこともあるという話をご存知だろうか。船橋競馬でユリシーズという競走馬のオーナーになったのである。その経緯は実に寺山らしい。 寺山は「さらばミオソチス」というエッ... 縁記台
「名馬」を語る ミラクルを届けた強き馬 - ヒシミラクル 2026年6月14日 「宝塚記念で、思い出の馬はいますか?」 もし誰かにそう聞かれたら、あの馬がぱっと浮かぶ。 青いラインの入った白いメンコ。芦毛のGⅠ3勝馬──ヒシミラクルだ。 私がヒシミラクルのことを知ったのは、まだヒシミラクルが2歳で、未勝利だった頃だ。 10月の京都競馬場、小雨の降るウィナーズサークル。私は赤い傘をさしていた。 「赤... ゆもと さとこ
「名馬」を語る 黄金コンビのマイル王者~インディチャンプ~ 2026年6月6日 名馬が語られるとき、そこには必ずといっていいほど相棒である鞍上の話がともにある。 たとえば──。 岡部幸雄騎手が絶対にその背を譲らなかったパートナー、シンボリルドルフ。武豊騎手を「天才」にした、スーパークリーク。松岡正海騎手が騎手生命をかけて引退レースを共にした香港王者、ウインブライト。 ざっと思いつくだけでも、様々な... 小早川 涼風
「名馬」を語る 「ダート界の賢者」チュウワウィザードの冒険 2026年6月3日 26戦11勝2着6回3着6回、走って馬券外に敗れたレースはわずかに3戦──。 チュウワウィザードを語る上で「堅実さ」というワードは欠かせない。 今回は、JBCクラシック、川崎記念2勝、そしてチャンピオンズカップとGⅠ級競走4勝。さらにドバイワールドカップでも2着、3着に入り、世界の強豪が相手でも戦える強さを示した名馬・... zakkey(ザッキー)
「名馬」を語る あるがままに奔放に。21世紀最初のダービー馬 ~ジャングルポケット~ 2026年5月30日 「ジャングルポケット」と聞いて競走馬を思い浮かべるのは、競馬ファンにとって当然でも、一般的に見れば、多数派ではないかもしれない。自身が現役を引退した数年後、予想だにしない形で知れ渡ったその馬名。ただ、知名度はあっても、ディープインパクトのように、ほぼ完璧な成績を残したわけではない。13戦5勝という戦績は、決して抜きん出... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 私のハッピーホース-レイデオロ 2026年5月29日 今年もダービーがやってくる。 競馬を見続けていると、やはりダービーは特別なレースというイメージがある。ダービーが近づいてくると、私は一頭の愛馬と過ごした素晴らしい時間を思い出す。 翌年のクラシックに夢を馳せ、湧き上がる高揚感を抑えるのに苦労した至福の時間。夢に大きく近づきながらも、クビ差届かず膝から崩れ落ちそうになった... alfman