「名馬」を語る ナリタタイシン - 二強から三強のクラシックへ。極上の末脚を武器に戦い抜いた、小柄な「閃光」 2025年4月19日 研ぎ澄まされた小さな馬体が、極限までしなり、解き放たれる。瞬間、加速する。少しでも大きなストライドで、少しでも早いピッチで。その蹄音がライバルを飲み込んでいく。 道が閉ざされれば、すべてが終わる。刹那の判断が、運命を決める。 放たれた光の行く末は、誰も知る由もない──。 追い込みを得意とする馬はいつだって不自由だ、と思... norauma
「名馬」を語る ヤング・テイエムオペラオー - 後の絶対王者が過ごした雌伏の時 2025年4月17日 1999年3月28日、日曜日の昼下がり。牡馬クラシックの第一戦・皐月賞を目指す上で『東上最終便』とも呼ばれる4歳限定の重賞・毎日杯が、阪神競馬場において行われた。 毎日杯はクラシックのトライアルレースという位置付けではなく好走馬に優先出走権は与えられないものの、重賞のため、1,2着には獲得賞金が加算される。獲得賞金の順... 高橋薫
「名馬」を語る ジャックドール 桜舞台を駆け抜けた金色の春風 2025年4月5日 桜舞う仁川のコーナーを優駿が駆け抜ける、春一番の中距離G1、大阪杯。このレースで思い出に残る馬はと聞かれると、私はジャックドールを挙げる。 正直に告白すると、G1馬を贔屓しがちな私にとって、ジャックドールは贔屓馬というよりも強力なライバル枠の馬であった。G1馬の横から、彼はいつも一着をハイジャックしてゆく……言うなれば... 大守アロイ
「名馬」を語る ジャスタウェイ - ドバイで末脚を爆発させた名馬。ジャスタウェイはジャスタウェイ以外の何ものでもない 2025年4月4日 Just a Way ~その道~ ジャスタウェイの馬名の意味を調べると、「その道」とある。英語の綴りでは「Just a Way」とのことで、これを生成AIに翻訳させると「一つの道」「一つの手段」と返ってくる。 私が、この「ジャスタウェイ」は人気漫画・アニメの「銀魂」に登場してくるキャラクター(?)と同名であることを知っ... ムラマシ
「名馬」を語る 受け継がれし「王」の系譜 - ビッグアーサー 2025年3月28日 1.「通字」の名馬たち 日本には名付けにおいて「通字」という文化がある。名前を付ける際に先祖から代々継承する文字のことだ。近年の大河ドラマの主人公でも、「徳川家康」の「家」は徳川将軍家に代々受け継がれた通字であるし、「北条義時」の「時」は父「時政」から継承し、息子「泰時」ら子孫にも受け継がれた。 競走馬でも名付けにおい... 縁記台
「名馬」を語る 「もう一度、競馬場で会いたかった…」アスクビクターモアの追憶と、ドウデュースの鬼脚封じ/2022年弥生賞 2025年3月7日 競走馬として生まれた以上、競馬場で走っている時が、馬たちにとって、最も幸せな時間では無いだろうか──個人的に、そう思うことがある。 たとえレース中に斃れたとしても「こんなはずじゃ無かった…」とは思っていないかもしれない、と思うのだ。もちろん悲しい場面を目の当たりにする私たちにとっては、辛く可哀想な出来事だ。しかし同時に... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 多くの人にすてきなプレゼントをもたらした名馬。ロージズインメイ産駒の弥生賞勝ち馬、コスモオオゾラ 2025年3月6日 私は、ウイニングポストという馬主を体験できるゲームが好きだった。 スプリンター、ダート馬、長距離馬……どの馬も個性があって可愛いのは当然のこと。その前提の上でもやはり、クラシックに挑戦することはとても楽しいものだった。 そして私はそのゲームで、皐月賞トライアルである弥生賞には、その世代で最も期待する馬を出走させていた。... ゆもと さとこ
「名馬」を語る ヒシイグアス - 中山に愛された不屈の将軍 2025年3月2日 中山記念と聞いて思い出す馬は、どの馬であろうか。私の場合は、二度も中山記念を制したヒシイグアスである。 青鹿毛の雄大な馬体と整った顔立ちは印象深く、あの古風な勝負服もとても似合っていた。そんな彼の初勝利と全ての重賞勝利は、全て中山競馬場で得たものだ。 これほど中山のターフに愛された馬も珍しい気がする。そして、その稀な寵... 大守アロイ
「名馬」を語る [オルフェーヴル伝説]様々な極致に至った唯一無二のアイドル、メロディーレーン。その「外れ値」ぶりを振り返る 2025年2月26日 2025年2月19日に発売開始した競馬書籍『オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君』(星海社新書)。 三冠達成や阪神大賞典での逸走、凱旋門賞での連続2着──。あの個性派名馬の歩んだ現役時代を振り返り、父として活躍する現在の日々を紹介するファン必読の一冊。池江泰寿調教師や森澤光晴調教助手をはじめとした当時の関係者イ... 星海社
「名馬」を語る [オルフェーヴル伝説]青春時代に喫した4連敗。「同じであってたまるか」三冠馬オルフェーヴル心の叫びを振り返る 2025年2月22日 2025年2月19日に発売開始した競馬書籍『オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君』(星海社新書)。 三冠達成や阪神大賞典での逸走、凱旋門賞での連続2着──。あの個性派名馬の歩んだ現役時代を振り返り、父として活躍する現在の日々を紹介するファン必読の一冊。池江泰寿調教師や森澤光晴調教助手をはじめとした当時の関係者イ... 星海社