「名馬」を語る サリオスの大きな夢、大きな希望 2026年10月7日 出会いのきっかけは都内のバー 「サリオス」という馬名を初めて耳にしたのは同馬がデビューする3か月ほど前、2019年の3月だった。当時、都内に「ギャン中が集まるバー」(オーナー談)が存在していたが、たまたまそこで横に座った私と同年代の男性が見たこともないガラス細工の記念品をテーブル上に飾っていた。どうやら一口馬主で命名す... ムラマシ
「名馬」を語る 「鹿毛の妹」が刻んだ時間 - ママコチャ、別れの日に寄せて 2026年10月3日 「7歳になってもがんばっている馬って、情が移るんだよな。ましてや、メインレースだけ出てくるオープン馬たちは、友達みたいなもんだわ」 英さんは、いつもそう言いながら、メインレースでは迷いなく高齢馬の単勝を買う。7歳になってもメインレースに顔を出す馬たちは、彼にとって午後の競馬場でたまに会う「同世代の競馬仲間」のような存在... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 駆け続けた時間の先で - マカヒキ 2026年10月3日 あの年のダービーのことを、今もよく覚えている。 直線。エアスピネルをサトノダイヤモンドがねじ伏せる。その外からディーマジェスティ、馬群を割ってリオンディーズ。そして激闘の真ん中を切り裂き、一頭の鹿毛馬が弾けるように飛び出した。 勝者、マカヒキ。勝ち時計2分24秒0、上がり33.3秒。新緑の府中で放たれた極上の末脚に、眩... norauma
「名馬」を語る 岡田繁幸さんが発掘した外国産馬 - マイネルラヴがここ一番で発揮した渾身の一撃 2026年9月29日 一人の情熱溢れる男がこの世を去ってから5年。2026年には、男が人生を注いだ一口会員クラブの最後の募集が行われた。 故・岡田繁幸さん(享年71歳)が創設した「サラブレッドクラブ・ラフィアン(愛馬会法人・有限会社ラフィアンターフマンクラブ)」は、ファンドこそ運用終了まで続くものの、約40年にわたる新規募集の歴史には幕を閉... TOM
「名馬」を語る 秋の6ハロンに現れる幻影 - 「メイケイエール」という名の余韻 2026年9月26日 秋競馬の開幕を告げる電撃の6ハロン、スプリンターズS。 歴代の優勝馬を振り返れば、ロードカナロアの王道、カレンチャンのしなやかさ、サクラバクシンオーの純血スプリント魂——そこには常に「完成されたスプリンター像」が立ち上がる。 しかし、このレースを彩ってきたのは、勝者だけではない。6ハロンの舞台には、時に「異端」とも呼ぶ... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 「今」を歴史に刻んだ秒針 - ファインニードル 2026年9月25日 その日の競馬中継は、いつもと少し違っていた。 2017年9月10日。我が家のお茶の間には『FNS27時間テレビ』が流れていた。その年のメインテーマは、「にほんのれきし」。長時間にわたるこの特別番組では、前日の夜から様々なバラエティ企画を通して日本の歴史を振り返っていた。おそらく普段は競馬を観ないような家庭でも放送されて... ポグリエル
「名馬」を語る 新星が取った「横綱相撲」 - ピクシーナイトが勝利した2021年スプリンターズSを振り返る 2026年9月25日 「横綱相撲」という言葉がある。 文字通りに考えれば、横綱が取る相撲のことなのだろう。しかし実際には、横綱が勝った取組を何でも横綱相撲と呼ぶわけではないし、反対に横綱ではない力士の勝ち方をそう表現することもある。 相手の出方に必要以上に左右されず、堂々と自分の形に持ち込み、最後は力でねじ伏せる。そんな勝ち方に対して、「横... ムラマシ
「名馬」を語る ジャンダルム - ビリーヴとの絆を信じて駆けた勇士 2026年9月20日 秋のGⅠシーズンの幕開けを告げる短距離GⅠレース。それがスプリンターズSだ。古くから『電撃の6ハロン戦』と称されてきた。 歴史あるこの賞を征した馬には、個性溢れる面々が集う。その中でも、私が書き残したいと強く思い立った馬が、ジャンダルムだった。 スイスのアルプス山脈にある難攻不落の名峰・アイガーの絶壁から名を採った彼の... 大守アロイ
「名馬」を語る 特別なこと - ワグネリアンと藤岡康太騎手 2026年9月19日 絶え間なく流れる時の中で、ふと振り返る瞬間がある。 交わされた言葉、偶然の出会い。ほんの一瞬の出来事が、後になって胸を締めつけるほど大切なものになることがある。 2018年9月23日、神戸新聞杯。 勝者、ワグネリアン。 秋の気配をはらんだ風が、仁川の空を吹き抜けた。主戦騎手の負傷という逆境を乗り越えたダービー馬と代打騎... norauma
「名馬」を語る 「奇天烈」は、才能になる。ドゥラエレーデが教えてくれたこと 2026年9月17日 「非常に風変わりで、普通ではなく、ひどく不思議な様子」 これは「奇天烈」という言葉の意味である。少年時代、藤子・F・不二雄先生が描かれた「キテレツ大百科」という漫画を読んでいたから、この言葉の存在自体は知っていたが、意味まで深く理解しようと思ったことはなかった。なのになぜか「奇天烈」という言葉には強烈に興味を持っていた... 小早川 涼風