ニュース・ブログ ニュースコラム 白き「道」を駆けて。マルガ、未来への第一歩を踏み出す 2025年7月15日 ソダシという光がターフを去ったあの日から、私はずっと待っている。純白の輝きが再びファンの視線を釘付けにし、ターフを席巻する日が来ることを。 白毛馬は、それだけで私を魅了する。希少性と目を引く美しさを備えたその存在は、一昔前にはただ走るだけで話題になり、そこにいるだけで特別な存在として胸を打った。 だが、彼らは競走馬だ。... norauma
ニュース・ブログ ニュースコラム 命を落とした彼らへの、静かな祈り - ウマピョイ、スティックバイミー、ネティフラウ、トライデントスピアを悼んで 2025年7月6日 一週間のうちに、いくつもの命が競馬の世界から消えていった。それぞれ別の場所、別のかたちで、あまりにも突然に。 彼らの最期の姿は、私の眼の奥に深く焼きついたままだ。彼らの名前は、ニュースの大見出しにはならなかったかもしれない。けれど、確かに走り、確かに生きていた。 私は、ただの競馬ファンに過ぎない。 命の重さを測ることも... norauma
「名馬」を語る 砂塵に消えた黄金の稲妻。短くも輝いた名馬・ゴルトブリッツ 2025年7月2日 ひとすじの光が駆け抜けた。砂塵を巻き上げ、夜明けを告げるように。 遅れてきた才気。ひとたび弾ければ、並ぶものなく、ただ前へ、ただ先へ。 ──その旅路は、長くはなかった。 されど、深く刻んだその蹄跡は、今も、砂の中に息づいている。いまはもう届かぬ夢。 胸に宿した黄金の稲妻。その光を抱き、君はいまも駆けている。 スマホ画面... norauma
「名勝負」を語る 白き衝動、仁川に還る - ゴールドシップとメイショウタバル。宝塚記念、親子制覇を振り返る 2025年6月20日 阪急電車の窓越しに、暮れかけた空がゆっくりと流れていく。 レースが終わっても人の熱は冷めず、湿った梅雨の空気がべたりと肌にまとわりつく。いつもなら少し不快に感じるこの空気も、今日はどこか心地いい。車内には満足げな余韻が漂っている。 「タバル、強かったな」 「ユタカは千両役者やな」 「石橋さんも報われてよかった」 「松本... norauma
「名勝負」を語る 願い、叶う日 - 第89回日本ダービー・ドウデュース 2025年5月31日 新緑のターフを風が駆けた。数多の夢を、幾多の願いを、その背に乗せて。 ──長い直線。静寂を破り、歓声が波のように押し寄せる。 彼は駆ける。ゴールを目指して、真っ直ぐに。勝利は約束されたものではない。それでも彼は信じる。騎手の手綱を、声援を、そして自らの脚を。 あの日、府中の空に掲げられたのは一つの希望。ファンの想いが結... norauma
「名馬」を語る [追悼]香港で天に昇った三冠牝馬リバティアイランド。心から送りたい「ありがとう」 2025年4月28日 2025年4月27日。香港・シャティン競馬場。クイーンエリザベス2世カップ。 挑戦を続けたダービー馬タスティエーラが海外の強豪を打ち負かし、2年ぶりの快哉を叫んだ日。三冠全てを駆け、王道を歩み続けた末に再び掴んだ栄光は、偉大なダービー馬の復活劇として語り継がれていくだろう。 本来であれば、満面の笑みと共に振り返りたかっ... norauma
「名馬」を語る ナリタタイシン - 二強から三強のクラシックへ。極上の末脚を武器に戦い抜いた、小柄な「閃光」 2025年4月19日 研ぎ澄まされた小さな馬体が、極限までしなり、解き放たれる。瞬間、加速する。少しでも大きなストライドで、少しでも早いピッチで。その蹄音がライバルを飲み込んでいく。 道が閉ざされれば、すべてが終わる。刹那の判断が、運命を決める。 放たれた光の行く末は、誰も知る由もない──。 追い込みを得意とする馬はいつだって不自由だ、と思... norauma
「名馬」を語る スポットライトのすぐ傍で…。条件不問、重賞5勝のバイプレイヤー、マイソールサウンドの走りを振り返る 2025年1月4日 競馬は群像劇だ。しかしその中には、ひときわ輝く『主役』が確かに存在する。 純然たる実力、胸躍る冒険活劇、そして次代を創る父母として――多くの人が『主役』と認めた馬は、その時代の象徴となり、多くの言葉とともに後世に語り継がれる。そしてその傍らを駆けたライバルたちは………多くのファンにとっては、数多の物語の一部に取り込まれ... norauma
「名馬」を語る ノースフライト - みんなが恋したマイルの女王 2024年11月17日 筋肉の鎧を纏うスプリントの絶対王者が、すべてを薙ぎ倒すように抑えきれない手応えで淀の坂を駆け下りる。その直後に迫るのは研ぎ澄まされたマイルの女王。場内のボルテージが上がる。一転、2頭の周りは静寂に包まれる。2頭だけの世界、これが最後の戦い──。 馬体を合わせた2頭はそこから数十メートル。互いの力を確かめ合うように、力の... norauma
「名馬」を語る 信念が引き寄せたいたずら - クィーンスプマンテの2009年エリザベス女王杯を振り返る 2024年11月10日 密集した馬群が淀の坂を駆け上る。蹄音が大地を揺らし歓声と溶け込む。日本とアイルランドの名牝がじわりと進出を始める。 しかし、ファンの視線は遥か前方に向けられている。馬群の遥か前方をひた走る2頭は残り1000mを切ってもなお、大きなリードを保っていた。 驚愕の結末を予感し、スタンドがにわかにざわつき始める。 さまざまな声... norauma