「名馬」を語る テーオーケインズ - 静かなる灰かぶりの帝王 2025年7月4日 七月の初めに大井競馬場で開催される帝王賞。全国からダート路線の駿馬が集う、砂のグランプリだ。サマーシーズンはG1級レースが秋まで組まれないため、この賞こそが上半期の競馬を締めくくるビッグレースになる。 ナイターのカクテル光線を浴びて、地方中央問わず集結した優駿が、500mもの長いロングストレートを駆け抜けてゆく。このス... 大守アロイ
「名馬」を語る スターズオンアース - 世界が見上げた地上の星 2025年5月24日 優駿牝馬。言わずと知れた、三歳牝馬に一度きりだけ出走が許される、日本ダービーと並ぶ伝統のクラシックタイトルだ。三歳牝馬が2400mの芝コースを走るという、華やかな題名と相反するような過酷さを含んだ舞台。数々の名牝が樫の栄誉へと挑み、涙を飲んだ。 オークスと聞いて私が真っ先に思いつく馬の名は、スターズオンアース。彼女の走... 大守アロイ
「名馬」を語る ジャックドール 桜舞台を駆け抜けた金色の春風 2025年4月5日 桜舞う仁川のコーナーを優駿が駆け抜ける、春一番の中距離G1、大阪杯。このレースで思い出に残る馬はと聞かれると、私はジャックドールを挙げる。 正直に告白すると、G1馬を贔屓しがちな私にとって、ジャックドールは贔屓馬というよりも強力なライバル枠の馬であった。G1馬の横から、彼はいつも一着をハイジャックしてゆく……言うなれば... 大守アロイ
「名馬」を語る ヒシイグアス - 中山に愛された不屈の将軍 2025年3月2日 中山記念と聞いて思い出す馬は、どの馬であろうか。私の場合は、二度も中山記念を制したヒシイグアスである。 青鹿毛の雄大な馬体と整った顔立ちは印象深く、あの古風な勝負服もとても似合っていた。そんな彼の初勝利と全ての重賞勝利は、全て中山競馬場で得たものだ。 これほど中山のターフに愛された馬も珍しい気がする。そして、その稀な寵... 大守アロイ