「名馬」を語る 輝ける場所。スクリーンヒーロー・ウインカーネリアンと鹿戸雄一調教師の物語 2026年7月25日 1.グラスワンダーの血 「最強世代」。競馬界で様々な世代に対して遣われてきた表現である。何を基準とするかによって判断は割れるし、個人的な思い入れによっても見解は分かれる。しかし、所謂「98世代」、スペシャルウィーク・エルコンドルパサー・キングヘイローらが活躍した1998年クラシック世代がその候補の一角であることは衆目の... 縁記台
「名馬」を語る 草競馬で逢おう - イグナイターの挑戦 2026年6月24日 1.「地方落ち」 文筆家・寺山修司は競馬評論家としての旺盛な活動でも有名だ。私も『ウマフリ』で寺山が世に送り出したエッセイの数々を紹介してきたが、実は馬主だったこともあるという話をご存知だろうか。船橋競馬でユリシーズという競走馬のオーナーになったのである。その経緯は実に寺山らしい。 寺山は「さらばミオソチス」というエッ... 縁記台
「名馬」を語る 追う者追われる者。「12世代」の名ステイヤー、フェノーメノの天皇賞(春)連覇を振り返る 2026年5月1日 1.「追う者」フェノーメノ 2025年2月、ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』が4周年を迎えるタイミングで新たなウマ娘としてフェノーメノが登場することが発表された。 実在の競走馬であるフェノーメノは2009年生まれの所謂「12世代」。この世代からは2016年の『ウマ娘』コンテンツ発足初期よりゴールドシップが登場してい... 縁記台
「名馬」を語る ダートホースとしての誇り - トランセンド 2026年2月20日 1.ダートホースとしての誇り 2025年の年度代表馬に、フォーエバーヤングが選定された。JRA競走未出走馬の受賞にはエルコンドルパサーという先例があったものの、最優秀ダートホースが年度代表馬となった事例は初。ブリーダーズカップクラシックを日本馬として初めて制した優駿が、日本競馬の歴史をまた一つ塗り替えた。そしてフォーエ... 縁記台
「名馬」を語る [有馬記念]イクイノックスという「天才」が教えてくれたこと 2025年12月26日 1.撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり 撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり ヴェルレエヌ 死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていよう... 縁記台
「名馬」を語る 二階級制覇の名馬、モーリス〜グラスワンダー、スクリーンヒーローから受け継ぐ、その血の運命〜 2025年12月13日 1.「クレオパトラの鼻」 「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史も変わっていたであろう」とは、哲学者ブレーズ・パスカルの言。歴史の転換は些細な事象によって起こるものだ、という警句だが、小説家の芥川龍之介はこの説に対して次のような反論を行っている。 クレオパトラの鼻が曲っていたとすれば、世界の歴史はその為に... 縁記台
「名勝負」を語る 小説家・古井由吉が目撃した、日本競馬の「変わり目」。タマモクロスとオグリキャップが激突した1988年の天皇賞(秋) 2025年10月31日 1.世紀の「芦毛対決」 2025年4月から放送されているアニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』。第1クールの最終話では、主人公オグリキャップと好敵手タマモクロスが初めて激突した天皇賞(秋)の決着が描かれた。カサマツから中央に移籍して破竹の重賞6連勝で天皇賞に出走したクラシック級のオグリキャップと、天皇賞(春)・宝塚記念とG... 縁記台
コラム・エッセイ [随想]寺山修司のエッセイ「片目のジャック」と、片目のサラブレッド「福ちゃん」 2025年10月12日 1.「人間の復権」の場としての競馬場 文筆家・寺山修司が執筆した競馬エッセイには、無宿人や病者・犯罪者など「社会から除け者にされた人々」がよく登場する。こうした人々と共に競馬を楽しむ様子が数多く描かれているのだ。 寺山は競馬場の持つ意義を次のように表現する。 競馬場では連帯の問題は馬と人間とのあいだにしか生まれない。だ... 縁記台
「名馬」を語る 金剛不壊。5歳のサトノダイヤモンドの姿を振り返る 2025年10月4日 1.金剛不壊 本コラムのタイトルとした「金剛不壊」という言葉、聞き覚えのある方はどれくらいいらっしゃるだろうか。ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のプレイヤーなら、「サトノダイヤモンドの進化スキル」としてご存知かも知れない。 以前、サトノダイヤモンドについては『ウマフリ』にコラム(2つのジンクスを打ち破った、至高の金... 縁記台
「名馬」を語る 禍福は糾える縄の如し - メジロボサツとメジロドーベル 2025年8月23日 1.新たな「メジロ」の誕生 2025年1月、1頭の馬の名前が話題を呼んだ。その馬の名は「メジロピオラ」。「メジロ」は日本屈指のオーナーブリーダーとして名を馳せたメジロ牧場の冠名であるが、2011年のメジロ牧場解散に伴って姿を消していた。命名の経緯について、メジロ牧場の後継であり、メジロピオラを生産したレイクヴィラファー... 縁記台