「名馬」を語る 三冠馬シンザンに阻まれ続け…。寺山修司のエッセイと振り返る「元祖二番手」ウメノチカラの馬生 2024年8月31日 1.「三冠馬の二番手」 「三冠馬の二番手」と聞いて思い起こす馬は、世代によって分かれるはずだ。若いファンであればサリオス(2020年、皐月賞・日本ダービーでコントレイルの2着)を挙げるだろうし、その上の世代だとウインバリアシオン(2011年、日本ダービー・菊花賞でオルフェーヴルの2着)やアドマイヤジャパン(2005年、... 縁記台
競馬と「エンタメ」 ウマ娘 [ウマ娘]「華やかさ」が似合う、強く、逞しく、美しい名牝 - デアリングハート 2024年7月28日 1.デアリングハートの「華やかさ」 2024年2月4日、Cygamesが手掛けるメディアミックスコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』の5thイベント東京公演「YELL」にて、ゲームのメインストーリー第2部の情報が初公開された。 メジロマックイーン・ナリタブライアン・スペシャルウィークらを主人公に据えて、主にシニア級... 縁記台
「名馬」を語る 「モデルチェンジ」による帝王戴冠。2016年、コパノリッキーの躍進を振り返る 2024年6月26日 1.同郷の名馬2頭 「2016年に活躍した、ヤナガワ牧場の生産馬と言えば?」という問いを競馬ファンに出したとしたら、おそらく十中八九「キタサンブラック」という答えが返ってくるだろう。 2010年代の日本競馬を代表する名馬・キタサンブラック。「顔が二枚目」という理由で北島三郎オーナーが購入したこの馬は、古馬となった201... 縁記台
「名馬」を語る 抒情詩としての三冠馬 - コントレイル 2024年5月26日 1.競馬界の「大名人」 本題に入る前に、ある将棋棋士の話をさせて欲しい。その棋士は史上4人目の中学生棋士としてデビューし、弱冠20歳で竜王位を獲得。そして竜王戦を5連覇し、「永世竜王」の資格を史上初めて得た。その後もトップ棋士として活躍、名人にもなった。棋士の名は渡辺明。競馬ファンとしても有名だから、読者の中にもご存じ... 縁記台
競馬と「エンタメ」 型破りな逃げ馬、ダイタクヘリオス - 「グルーヴ」を生む太陽 2024年4月19日 1.「型破りな逃げ馬」ダイタクヘリオス 「逃げ馬」を表現するとき、どのような言葉が使われることが多いだろうか。一頭だけ前に出てそのまま歩みを止めない姿を表現する手法には、語り手のセンスが問われるように思う。私が感銘を受けたのは、文筆家・寺山修司が1965年のダービー馬キーストンについて書いたエッセイにおける以下の一節で... 縁記台
「名馬」を語る 「先んずれば即ち馬を制す」。「一流」の勝負根性を持つスプリント王、ローレルゲレイロ 2024年3月23日 1.「一流」の血統 その馬の近況を知ったきっかけは『週刊Gallop』2024年2月4日号であった。この号の巻頭トピックニュースは『ロンジンワールドレーシングアワード』の表彰式。勿論、主役は日本馬歴代最高のレーティング135ポンドを獲得し、世界ランク1位となったイクイノックスである。この素晴らしいニュースが巻頭に置かれ... 縁記台
「名馬」を語る 戸をあけて出てゆく男 - 無敗の三冠馬と戦った2歳マイル王者、サリオス 2023年12月15日 1.男の敵 2023年の天皇賞(秋)。競馬法100周年を記念した令和初の天覧競馬として開催され、豪華メンバーが集ったこのレースに、春の天皇賞を制した4歳馬ジャスティンパレスも出走していた。後方からレースを進め、上がり最速となる33.7秒の末脚を繰り出したジャスティンパレスは、トーセンジョーダンが刻んだスーパーレコードを... 縁記台
「名馬」を語る ファレノプシス - 二冠牝馬の復活、そして架空の名馬の"母"へ。 2023年11月11日 1.名馬の「母」ファレノプシス 私がファレノプシスという馬の名を認識したのは、ある「名馬」の「偉大なる母」としてである。このように書くと、「姉」の誤字ではないかと訝る競馬ファンが殆どだろう。ファレノプシスはダービー馬キズナの半姉としても有名である一方で、母としては重賞馬を出しているわけでもないからだ。しかし、「母」で間... 縁記台
「名馬」を語る "シュウジ"と"修司" - 幸運の誘惑 2023年9月9日 1.寺山修司との出逢い 「言葉の錬金術師」と評された文筆家・寺山修司のことを、私が競馬評論家として認識したのはいつだっただろうか。はっきりとは覚えていないのだが、そのきっかけとなった言葉は覚えている。 レースはただ、馬の群走にすぎないがその勝敗を決めるナンバーは、思想に匹敵する──寺山修司『ポケットに名言を』(角川書店... 縁記台
「名馬」を語る 「黄金のダート戦国時代」の幕開けを感じさせた、ゴールドドリームの走りを振り返る 2023年6月18日 1.ダート競馬の「2頭の王者」 私にとって、ダート競馬とは「2頭の王者」と同義であった。馬券が買える年齢になり、地方交流重賞を含めたダート競馬を本格的に見始めるようになった2010年代半ば、ダートのGⅠ級競走を席巻していたのは、2頭の王者、すなわちホッコータルマエとコパノリッキーであった。 2014年~2015年で見る... 縁記台