新種牡馬としても注目度の高いアイルハヴアナザー。
現役時代から高い人気を誇るゴールドシップ。
少ない産駒ながらも、初年度から活躍馬を出しそうな雰囲気のあるジョーカプチーノ。
ダート・芝、条件を問わず活躍しているアグネスデジタル……。
魅力ある種牡馬を多く揃える、ビッグレッドファーム。
「何としても深く知りたい!」
ウマフリはPOG指名馬の検討を進めていくうえで、一頭の魅力ある新種牡馬に行き着きました。
米二冠馬、アイルハヴアナザー。
先日ラニがチャレンジしたことで、アメリカの三冠競走にも注目が集まりましたが、そのうちのケンタッキーダービーとプリークネスステークスを勝利したのがこのアイルハヴアナザーです。
そしてその二つのレースを勝利し、日本に輸入された種牡馬が、過去にもいるのはご存知でしょうか?
日本競馬界の血統を塗り替えた名種牡馬。そう、サンデーサイレンスです。
三冠馬ディープインパクトの父であり、同じく三冠馬オルフェーヴルの父の父であり、先日引退した二冠馬ドゥラメンテの母の父、サンデーサイレンス。
それだけではありません。同じく米二冠を制して輸入されたウォーエンブレムも、高い打率で名馬を輩出しました。
日本競馬界と縁の深いレースを勝ち抜いてきたアイルハヴアナザーも、そうした諸先輩方に続く名種牡馬となれるのではないでしょうか?
そう考えた私たちは思い切って、ビッグレッドファームへの取材を敢行ました。
「日高の生産地を盛り上げていきたい」
アイルハヴアナザーについてのインタビューは以下の通りです。
(ウマフリ:ウ、ビッグレッドファーム・牧場スタッフの方:ビ)
ウ「このたびは取材を許可いただきましてありがとうございます。本日はよろしくお願い致します」
ビ「よろしくお願いします。弊社はスタリオンエリアの見学、ならびに関係グループでクラブ法人などの経営に携わる中で、競馬業界の発展、繁栄にも力を注いでおりますので、こうした活動は応援しております」
ウ「ありがとうございます。では、早速ですが質問をさせていただきます。ズバリなところから聞いてしまいますが、アイルハヴアナザー産駒の、幼少期の特徴を教えてください」
ビ「気性面で扱いやすい馬が多い気がいたします。気持ちのオンオフがしっかりしていて普段は無駄なことはせず、調教では適度な気合いで前向きに取り組めている印象です」
ウ「頭が良い馬が多いのですね!それは種牡馬としてとても大切な要素だと思います。生産者の方からの評判はどういった感じですか?」
ビ「そうですね、有り難いことに、見栄えのする良い仔が産まれたと声をかけていただくことがございます」
ウ「それは心強いですね。話は変わりますが、アイルハヴアナザーの現役時代はダートでの活躍でした。ただ、アメリカはダートの質が違うので日本の芝への適応力も高いかと思っています。実際のところ、アイルハヴアナザー産駒のレース適性はどうなると予想されますか?」
ビ「ビッグレッドファームで管理するアイルハヴアナザー産駒を考えてみても様々なタイプの産駒がおり一概には言えません。アイルハヴアナザー自身がダートで走っていたのでダートは上手い産駒が多いとは思いますが、一括りにダート種牡馬としてしまうには疑問が残ります。芝でこそ良さが出そうな産駒もいますよ!」
ウ「やはりそこも、先輩であるサンデーサイレンスに似ている部分もあるという事でしょうか。では、スピードとスタミナの面ではどうでしょうか?現役時代にはそのどちらも持ち合わせていたアイルハヴアナザーですが、産駒への遺伝で、より強みであるのはどちらの要素だとお考えですか? 」
ビ「あくまで個人的な見解ですがスタミナを強みとして長距離で活躍する印象はありません。マイル~中距離くらいの適正の馬が多いのではと感じています」
ウ「そうでしたか。スピード感のある産駒が多いのは魅力ですね。ではそうした産駒たちの中で、一番『アイルハヴアナザーに似ているなぁ』という馬はどの馬ですか?」
ビ「難しい質問ですね。強いて言えば、生産馬ではないのですがマイネルフェアネスという馬が馬っぷりの良さやシルエット的に似ているのかなと感じます」
ウ「シルエットが似ている!それは期待できますね。デビューを楽しみにしたいと思います。それと、少し気が早いかもしれませんが、アイルハヴアナザー産駒に1番勝ってほしいレースは何ですか?」
ビ「産駒が活躍し現在の状況に風穴を開けるような存在になってもらいたい、日高の生産地を盛り上げていきたいという思いが大きいので、レースの大小関わらず活躍してもらいたいと思っています」
ウ「それは素敵ですね!応援してます。最後に、今年産駒デビューの新種牡馬は、ルーラーシップやサマーバードなどたくさんの期待馬がいますが、1番のライバルを教えてください!」
ビ「魅力ある馬が多いのですべての新種牡馬がライバルです。今年の終わりに新種牡馬ランキングで1位になっていることを期待しております」
ウ「すべての新種牡馬がライバル……確かにそうですね。どの新種牡馬にも頑張ってもらいたいと思います。インタビューをお受けいただいて、ありがとうございました!」
さて、今回はアイルハヴアナザーに集中して質問させていただきました。
後編ではゴールドシップや種牡馬の管理などについてもしっかり伺っていこうと思います。
写真:ウマフリ写真班