[POG2020-2021]注目馬紹介~一口クラブ・ローレルレーシング編~

ローレルレーシングの代表馬と言えば「ローレルゲレイロ」を思い出される方も多いのではないでしょうか。スプリンターズS、高松宮記念の勝ち馬です。POG期間も朝日杯FSとNHKマイルCを2着、さらには皐月賞やダービーにも挑戦するなど、本格化前にもかかわらず精力的な活躍を見せてくれました。

今年もローレルレーシングからは、多種多様な顔ぶれが集まりました。
そのなかでも「POG向きはどの馬か」という点に着目しながら、期待の3頭をピックアップしました!


ドナテッラ

父:ロードカナロア
母:フェニーチェ
母父:ファルブラヴ
加藤征弘厩舎(美浦)
2018年4月15日生まれ
牝馬・募集額2,400万円
母9歳時の出産で3連産目(第3仔)

母フェニーチェは広尾レースから募集され24戦4勝。引退レースで9番人気ながら上がり1番時計で快勝する等、会員から愛された馬でした。母親になってからも、初仔のエレナレジーナがいきなり新馬勝ちを飾るなど前途洋々に見えたのですが、残念ながら本馬ドナテッラが忘れ形見となってしまいました。

父ロードカナロア×母父ファルブラヴはJRAにて8頭中5頭が勝ち上がりを果たしています。その5頭という少ないサンプルから、GⅠ馬ステルヴィオやOP馬ミッキーワイルドといった活躍馬が誕生しています。
特にドナテッラは、ステルヴィオと7/8同血になる血統背景。
そもそもフェニーチェの血統表を辿れば牝系にダイナカールがいる良血馬ですから、期待せずにはいられません。

管理する加藤征弘厩舎は半姉エレナレジーナを管理しています。近5年ではローレルからは1頭しか預託がありませんが、その1頭が本馬ドナテッラの生産牧場である村上欽哉牧場の活躍馬アビームですから心配は無用でしょう。

写真は募集時の当歳の写真になりますが、成長過程を見ても極めて順調に進んでいます。
すでに美浦近郊に移動し、入厩を待つばかりとなりました。
上述しましたが、血統的観点でも非常に素晴らしいバックボーンをもつ本馬。覚えておいて損はない1頭です。

リュウールドレ

父:オルフェーヴル
母:キャタラクト
母父:Storm Cat
牧田和弥厩舎(栗東)
2018年4月24日生まれ
牝馬・募集額1,500万円
母19歳時の出産で空胎明け(第12仔)

母のキャタラクトは大種牡馬StormCatと米国GⅠ2着馬QueenTutta の間に産まれました。
現役時代は勝利をあげる事は出来ませんでしたが、繁殖に入るとOP馬ミヤジエルビスや4勝馬ペルルノワールを送り出します。やはりこういった所が、彼女の持つ活躍血統のなせる業という事なのでしょう。
父オルフェーヴル×母父StormCatの配合はJRAにて9頭中5頭が勝ち上がった組み合わせで、代表馬はロックディスタウンです。出だしこそ苦戦したオルフェーヴル産駒ですが、近況は活躍馬も増えていて侮れません。

管理する牧田和弥厩舎は、クラブ馬でいうと社台TCのアマルフィコーストが代表格で、今年10年目の厩舎です。クラブ馬の募集額回収率は比較的高い厩舎で、出走回数も十分な回数と、満足度の高い厩舎ではないでしょうか。

馬体はいかにもオルフェーヴル産駒らしい美しい立ち姿です。
少々募集時の段階では小さかった身体もすでに430kgを超えてきましたし、何よりバランスの良さが目立ちます。5月の段階では浦河のチェスナットファームで坂路を精力的に駆け上がっていますし、デビューへ向けて順調な仕上がりを見せています。秋頃のデビューを意識した1頭ではないでしょうか。

グレイスキッパー

父:カレンブラックヒル
母:スモーキークォーツ
母父:ヘクタープロテクター
杉山晴紀厩舎(栗東)
2018年4月10日生まれ
牝馬・募集額800万円
母14歳時の出産で空胎明け(第5仔)

母スモーキークォーツは、JRAでは勝ち星をあげられませんでしたが、2016年の産駒レターオンザサンド(牡馬・父ゴールドヘイロー)がひめさゆり賞を勝ち2勝目をあげています。本馬グレイスキッパーはカレンブラックヒルを父に持ったことで、よりスピード感が増した印象を受けます。

現役時代はNHKマイルCをはじめ芝のマイルの印象が強かった父ですが、2019年に産駒がデビューしてからは芝4勝に対しダート12勝で、圧倒的にダート馬が多くなっています。特に「オヌシナニモノ」は福島のダート1150mのデビュー戦で後続に1.0秒もつける快速ぶりでした。

しかし、3歳になってからは「セイウンヴィーナス」はクイーンC3着、「メルテッドハニー」はマーガレットS2着など芝のオープンクラスでも勝負できていますので、成長力が鍵となりそうです。

管理する杉山晴紀厩舎は2016年開業ながら今年は全国リーディング6位タイと上り調子。
「デアリングタクト」が無敗の牝馬二冠を達成する等、ノリにノっている厩舎です。
しっかりと預託馬を見てくれるという事で、ファンからの評判もうなぎ上りです。

本馬グレイスキッパーはすでに美浦近郊に移動しデビューへ向け調整を進めています。
動きはクラブの公式ページでも「バネも感じさせますから、良い瞬発力がありそうです」と嬉しい言葉もでていますし、動き出しも早そうです。半兄に負けないようなスピードを披露し、勝ち上りを期待します。


以上、高橋楓が選ぶローレルレーシングから期待の3頭です。

血統表を見ると、しっかりと芯の通った血統馬がラインナップされているのがわかります。
これは牧場集合体クラブの特徴で、この血統は売りに出さずにクラブを通して活躍をおさめ、無事に牧場に帰ってきて欲しい、という生産者の皆様の思いが込められているからだと私は思っています。

この記事が皆様のPOG戦略のお役に立てれば幸いです。

※記事内のクラブの名称はクラブ法人名(馬主名義)を使用しています。
※記事内の数字は2020年6月1日現在になります。
※記事内の写真は募集カタログの写真になります。

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