[チケット発売中]ラヴズオンリーユー、エアグルーヴ、ブエナビスタ。オークスBEST3レースはこれだ! 競馬トークイベント(5/18)開催に寄せて。

春のGⅠシーズン真っ盛りの5/18(日)19時〜新宿ロフトプラスワンでトークイベント『達人にきく! 競馬の見方が変わる競馬の深イイ話』が開催される。

小川隆行&ウマフリ「競馬新書シリーズ」(星海社)全12冊刊行記念として、競馬の「深イイ話」をたっぷりと語るイベントに、治郎丸敬之(「ROUNDERS」編集長)、水上学(競馬ライター)、矢野吉彦(フリーアナウンサー)、小田哲也(スポニチ記者)といった豪華ゲストが集結する。

本イベントに寄せて、星海社新書『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(小川隆行+ウマフリ)で選出した、3歳牝馬の頂上決戦「オークス歴代ベストレース3」を振り返りながら、世代の強豪牝馬たちが未知の距離2400mに挑んだ熱き戦いの魅力に迫ってみたい。

※本記事は、名馬たちのドラマをこよなく愛する執筆者たちが、GⅠレースごとにベストレースを選定した『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(小川隆行+ウマフリ・編)の記事をもとに再構成して紹介しています。

オークス歴代ベスト3レースはこれだ!

優駿牝馬、通称オークスは、牝馬クラシックの頂点に君臨するレースである。東京競馬場の芝2400mで行われるこのレースは、1938年に阪神優駿牝馬として始まり、1946年に現在の条件に変更された。日本ダービーと同じ距離設定が最大の特徴で、牝馬にとって未知の領域である2400mへの挑戦が求められる。

桜花賞の1600mから一気に800m延びるため、距離適性が常に議論の的となる。レースはスローペースで進み、最後の末脚勝負が定番だったが、近年は中距離適性が問われる傾向に変化している。名牝たちが歴史を刻んできたオークスの中から、特に印象深い3レースを紹介する。

第1位 2019年 ラヴズオンリーユー

2019年のオークスは、レースの進化を象徴するターニングポイントである。この年、桜花賞を制したグランアレグリアが距離延長を嫌ってNHKマイルCに矛先を変えた。1番人気には忘れな草賞を勝ったラヴズオンリーユーが推され、2番人気は桜花賞3着のクロノジェネシス、3番人気はフラワーC勝ち馬コントラチェックだった。

レースは序盤から波乱含みだった。最内枠のジョディーが逃げを打ち、2番手でコントラチェックが積極的に絡む。序盤800mを47秒0で通過するハイペースは、オークスの定番だったスローペースとは一線を画す。2コーナーでジョディーが振り切ろうと加速すると、コントラチェックも譲らず、馬群は縦長に。

一方、先行勢のカレンブーケドールやエールヴォアは果敢に追従し、人気馬の末脚を封じる戦略に出た。この展開で後方待機のラヴズオンリーユーは冷静に脚を溜め、直線で鋭く伸びた。ゴール前ではカレンブーケドール(12番人気)をクビ差交わし、クロノジェネシスが3着。桜花賞組が上位を占めた最後の年とは異なり、中距離適性が試されるレース展開が鮮明に表れた。勝ち時計2分22秒8は今も破られぬオークスのレコード。ラヴズオンリーユーの勝利は、新時代のオークス像を予感させた。

第2位 1996年 エアグルーヴ

1996年のオークスは、女傑エアグルーヴの伝説の第一歩である。伊藤雄二元調教師の手腕が光ったこの馬は、チューリップ賞で阪神3歳牝馬S(当時の名称)の覇者ビワハイジに5馬身差の圧勝を見せ、桜花賞の最有力候補だった。しかし、熱発により桜花賞を回避。ファイトガリバーが波乱の桜花賞を制する中、エアグルーヴは1番人気に支持された。

レースはエアグルーヴの独壇場だった。7枠から馬群を避け、単独で進む戦略。3~4コーナーでじわりと進出し、先行勢を射程圏内に捉える。直線では大外を選択し、ノースサンデーの外へのヨレも影響なく、圧倒的な末脚で突き抜けた。2着ファイトガリバーを1馬身半差で下す完勝劇。後の天皇賞(秋)制覇や牡馬との激闘を予感させるパフォーマンスだった。伊藤調教師の「馬を大切に育てる」哲学が結実したレースであり、エアグルーヴ伝説の序章となった。

第3位 2009年 ブエナビスタ

2009年のオークスは、ブエナビスタとレッドディザイアの激闘が記憶に残る。ブエナビスタは阪神JF、チューリップ賞を圧勝し、桜花賞ではレッドディザイアを半馬身差で下していた。両馬は母方の祖父がカーリアンで、血統的にも因縁の対決だった。オークスではブエナビスタが1番人気、レッドディザイアが2番人気に支持された。

レースはレッドディザイアが中団に構え、ブエナビスタは後方2番手。残り800mでレッドディザイアが内を突いて進出する一方、ブエナビスタは4コーナーで大外へ。残り200mでレッドディザイアが5馬身以上リードし、勝利を確信した瞬間、ブエナビスタが驚異的な末脚で猛追。ゴール寸前でハナ差交わし、劇的な逆転勝利を収めた。この一戦は、ブエナビスタの底力を証明するとともに、牝馬クラシックの頂点を飾る名勝負として語り継がれる。

最後に

オークスは、牝馬の可能性を広げる舞台である。2019年はレースの進化を示し、1996年は名牝の誕生を、2009年は執念の激闘を見せた。これらのレースは、単なる勝利を超え、競馬史に新たなページを刻んだ。2400mの未知の領域で輝いた名牝たちの物語は、今後もファンを魅了し続けるだろう。


星海社からのお知らせ

5/18(日)19時〜新宿ロフトプラスワンでトークイベント『達人にきく! 競馬の見方が変わる競馬の深イイ話』ご参加受付中です!

小川隆行&ウマフリ「競馬新書シリーズ」(星海社)全12冊刊行記念として、競馬評論家やスポーツ新聞記者、現役実況アナウンサーをゲストに迎え、競馬の奥底に潜む「深イイ話」をたっぷりと語っていただきます。

さらにイベント後半では開催直前のオークス(5月25日)と日本ダービー(6月1日)特別予想も披露します!

■出演者とトークテーマ

●特別ゲスト
治郎丸敬之(「ROUNDERS」編集長):パドックと返し馬、馬体の見方
水上学(競馬ライター):テイエムオペラオーとキタサンブラックから考える母父論
矢野吉彦(フリーアナウンサー):うまい競馬実況とは? 思い出の競馬実況および裏話
小田哲也(スポニチ記者):東京コースの穴ねらい術とは/距離別・条件別に考える

●司会進行
小川隆行(競馬ライター)
緒方きしん(ウマフリ代表)

日時:5月18日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
場所:新宿ロフトプラスワン
料金:2800円(前売)/当日3200円 ※要ワンオーダー・飲食代別

※前売りチケットのお申し込みはこちらから
https://t.livepocket.jp/e/8cwob

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