[遊駿+]立った事がない、よく立つのあの場所へ - 第44回白山大賞典

今年で44回を迎える白山大賞典。
1997年にダートグレードとして中央との交流競走になってから27年の時が過ぎた。

交流開始から世紀も元号も超えた現在、中央勢が26連覇を果たしている(2007年に馬インフルエンザにより金沢所属馬限定重賞となった1回を除く)。

これまで地元のジャングルスマイル、ナムラダイキチ、他場のハカタビックワン、ミツアキサイレンス、サミットストーンにカツゲキキトキト、ミューチャリーと地方の強豪が挑んできたが2着までで優勝の栄誉を中央が譲ることはなかった。
そして、それは地方所属騎手も優勝をしたことがない事も示している。

金沢の加藤和義、吉田晃浩、畑中信司。他場からは安藤光彰、川原正一、大畑雅章と当代の名騎手達が挑んでは跳ね返されてきた。
しかし今年、騎手に関しては中央の連覇を止める事が出来るかもしれない。いや、この騎手ならば止められるはず。

──金沢の誇る名手、吉原寛人ならば。

吉原騎手はこれまでにジャングルスマイルを皮切りにサミットストーン、中央のデルマルーヴル、ミューチャリーと白山大賞典で4回の2着を記録している。特にデルマルーヴルでは勝ったグリムにクビ差2着と優勝まであと一歩まで迫った。
そんな吉原騎手は今年、中央のダイシンピスケスとコンビを組む。
ダイシンピスケスは昨年末から今年の2月にかけて2勝クラスから一気に3連勝でリステッドの仁川ステークスを制した勢いのある6歳馬。
この3連勝はいずれも逃げか2番手からの抜け出し。前有利の金沢競馬場には最適の脚質を持っている。

2月以来となる久々の競馬。休み明け初戦が初のダートグレードと不安面はあるが、それを補うだけの脚質と金沢を知り尽くした名手の腕がある。
また、ダイシンピスケスの初勝利は川崎の交流競走で吉原騎手の手によるもの。高知でもコンビを組んでおりまったくのテン乗りという訳でもない。
スタートを決めて前々でレースを進め、向こう正面で先頭に立ってそのまま押し切る。ハクサンアマゾネスで何度も見たあのレース展開をここでもできれば地元ダートグレード制覇も十分あり得るだろう。

 今までに何度も立っている金沢競馬場の優勝騎手の表彰台。
 しかし、立ったことがない白山大賞典の優勝騎手の表彰台。
 数々の記録達成を果たしてきた吉原騎手がそこに立って新たな歴史を作るか。

 今年の白山大賞典は目が離せない。

表彰台の吉原騎手
最新の遊駿+55号はこちらから(PDFファイル)

 
 

あなたにおすすめの記事