メイセイオペラの強さが一躍、知れ渡った1998年マーキュリーC

地方競馬所属馬で、中央競馬のGⅠ競走を制覇したのは、1999年フェブラリーステークスを優勝したメイセイオペラのみ。あの時、地方競馬ファンは盛り上がり、これからはどんどん地方競馬所属馬がGⅠを勝つぞ! と思ったものだが…。あれから20年以上経ち、メイセイオペラ以降いまだにその偉業を達成した馬はいない。それだけメイセイオペラは素晴らしい馬だったわけだが、すでにメイセイオペラについては様々語られている。今回はメイセイオペラが全国の競馬ファンに注目されることになる、交流重賞を初制覇したマーキュリーカップに焦点をあててみたい。

後に日本競馬の歴史を塗り替えるメイセイオペラも、デビュー当初から注目されているわけではなかった。父グランドオペラ母テラミスという血統、岩手佐々木修三厩舎に所属したメイセイオペラは、1996年7月27日の新馬戦でデビュー。鞍上は阿部英俊騎手で8頭立ての4番人気だった。人気は無かったが、後続を4馬身離す圧勝でデビュー戦を勝利で飾る。その後4戦は勝てず、6戦目にようやく2勝目をあげる。ここから一気に素質を開花させたメイセイオペラは、佐藤雅彦騎手→菅原勲騎手→渡邉正彦騎手、そして再び菅原勲騎手と鞍上を変えながら、7連勝で1997年7月6日東北ダービーである東北優駿を制覇。これで成績を12戦8勝としたメイセイオペラは、これ以降は全て菅原勲騎手が乗ることとなる。東北優駿制覇後、不来方賞とA級戦を優勝して、連勝を9まで伸ばす。その後ユニコーンステークスを目指すが、頭蓋骨を骨折してしまい回避。怪我から復帰後ダービーグランプリ、スーパーダートダービーと走り、ともに10着と精彩を欠いたが、年末の地元桐花賞で古馬を撃破して優勝。年が明けてからは、遠征を積極的に行うことになる。

1998年川崎競馬場で行われた川崎記念では、当時地方競馬最強と言われたアブクマポーロの4着に敗れる。その後地元シアンモア記念を勝って、大井競馬場の帝王賞に挑戦。またしてもアブクマポーロに敗れるが、0.4秒差の3着と健闘して、メイセイオペラは大いに注目される存在となった。そうしてむかえたのが、1998年7月20日に地元水沢競馬場で行われた交流重賞マーキュリーカップだった。

中央競馬からはパリスナポレオン、ギガトン、マジックゲーム、ウメノライジン。地方競馬からはゲイリーミナレット、ユーコーマイケル、エムジーヒューマ、マウントギャロップが参戦。中央競馬所属馬はやや格が落ちるメンバーとはいえ、パリスナポレオンは前年のマーキュリーカップ覇者であり、ギガトンやマジックゲームは中央競馬の重賞で好走している。このようなメンバー構成の中、なんとメイセイオペラは単勝1.1倍の圧倒的な人気を集めた。交流重賞で1.1倍の支持を集めること自体とても凄いことであるが、それが地方競馬所属馬だったのだから、空前絶後のことであった。

多くの競馬ファンの期待を背負って、メイセイオペラのマーキュリーカップへの挑戦がはじまった。水沢競馬場2000mは向こう正面からスタート。スタートして高崎競馬のエムジーヒューマが思いきって逃げて、メイセイオペラは余裕を持って2番手を確保。一周目の直線に入るとエムジーヒューマ、メイセイオペラ、マウントギャロップ、ギガトン、パリスナポレオン、マジックゲーム、ゲイリーミナレット、ウメノライジン、ユーコーマイケルと並びが落ち着く。2コーナーから向こう正面にかけて、レースが動きはじめる。ここで多くの馬たちの鞍上の手が動き始めるなか、メイセイオペラの鞍上菅原勲騎手の手は全く動いていない。3コーナーから直線に入ろうするところでも、菅原勲騎手の手は全く動いておらずいわゆる持ったままで、鞍上がちらっと後ろを確認するとはやくも先頭に躍り出る。直線に入りようやく菅原勲騎手が少し追い始めると、後続とグングン差が広がっていく。後続の馬たちが必死で追うなか、ついに菅原勲騎手はムチを一度も使うことなく1着でゴール!2着のパリスナポレオン武豊騎手には、7馬身差をつける圧勝。単勝1.1倍の圧倒的人気に見事応えたメイセイオペラ&菅原勲騎手のコンビが、交流重賞を初制覇した。

この後このコンビは、みちのく大賞典、南部杯、北上川大賞典と3連勝。東京大賞典ではまたしてもアブクマポーロに敗れたもののしっかりと2着を確保。そして年が明けた1999年1月31日のフェブラリーステークスで、歴史をつくることになる。

メイセイオペラを語る時にフェブラリーステークスは欠かせないが、中央競馬所属馬相手にほとんど馬なりのまま圧勝したマーキュリーカップも語り継ぎたいレースである。現在マーキュリーカップの副題にはメイセイオペラ記念と銘打たれているが、やはりあのレースを見たら納得の副題である。マーキュリーカップが行われる度に、メイセイオペラのような強い地方競馬所属馬がまた登場することを願ってやまない。

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