[クイーンS]今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜クイーンステークス編〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今回は、今週行われる唯一の重賞クイーンSの出走馬をピックアップしたいと思います。

クイーンS

夏の北海道で行われる牝馬限定戦の重賞。
毎年札幌で開催されていますが今年はオリンピックの都合上、函館で開催されます。夏の暑い時期に行われる重賞ですが、比較的涼しい北海道で行われるからか、2018年勝ち馬のディアドラ、2017年勝ち馬のアエロリットのようにG1ホースが出走してくることもあり、豪華なメンバーになることも多いです。
1999年までは3歳(新年齢表記)限定戦で秋の牝馬G1のトライアルレースとして開催されており、その時代はユキノビジン、ヒシアマゾンが勝利をおさめているレースでもあります。

フェアリーポルカ/マイエンフェルト/ローザノワール

上記3頭のうち、上2頭はともに母の父がアグネスタキオン、ローザノワールは父がマンハッタンカフェです。

アグネスタキオンとマンハッタンカフェは「ウマ娘」のゲーム内でも一緒にいることが多い2人。それもそのはずこの2頭は2001年クラシック世代、いわゆる同期だからです。

2001年クラシック世代はウマ娘に登場しているキャラクターこそ少ないものの、スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー、セイウンスカイ、キングヘイローがいた1998年クラシック世代に勝るとも劣らない「黄金世代」でした。

そんな中でもアグネスタキオンは特別な輝きを放つ馬で2歳時のラジオたんぱ杯3歳S(旧レース名)で札幌2歳Sで朝日杯2着のタガノテイオーと牝馬2歳女王となったテイエムオーシャンを破ったジャングルポケット、2戦連続レコード勝ちしていた舶来の大砲クロフネを一蹴。マンハッタンカフェも出走していた弥生賞でも不良馬場をものともせず5馬身差の完勝。新世代の怪物として注目を集めていました。

皐月賞では単勝1.3倍と言う断然の人気に支持されると好位抜け出しから危なげのない完勝。フジテレビの塩原アナウンサーの実況「中山2000m、まずは道を繋ぎました。アグネスタキオンまず一冠」と言うこの時点で三冠を意識した実況は「ウマ娘」のゲームでも引用されています。

残念ながらアグネスタキオンは皐月賞後に競走馬にとって不治の病と言われる屈腱炎を患い引退に追い込まれます。しかし、この世代のタレントはアグネスタキオンだけではありません。次から次へとスター候補が登場します。マンハッタンカフェもその1頭でした。

マンハッタンカフェは春こそ体質の弱さが響き思うような成績を上げられませんでしたが、夏に北海道の芝2600m戦を連勝、一気にステイヤーとしての資質を開花させていきます。

セントライト記念4着の後、迎えた菊花賞では、日本ダービーを完勝したジャングルポケット、皐月賞・日本ダービーともに2着のダンツフレーム、札幌記念・神戸新聞杯を含む4連勝と勢いに乗るエアエミネムを押さえ勝利。その後もストライドの大きな雄大なフォームで有馬記念、天皇賞春を制覇。ステイヤーとして一時代を築き上げました。

この世代の優秀さを示すのが対古馬の成績。2001年のジャパンカップはジャングルポケット、有馬記念はマンハッタンカフェが制し、テイエムオペラオー、メイショウドトウなど強豪に対して世代交代を見せつけると、翌年の天皇賞春をマンハッタンカフェ、宝塚記念をダンツフレームが勝利古馬中距離G1でこの世代が4連勝を飾る結果になりました。

また、この世代は種牡馬としても優秀で2008年にアグネスタキオンが内国産種牡馬として51年ぶりのリーディングサイアーに輝くと、翌2009年にはマンハッタンカフェがリーディングサイアーを奪取。その他にもジャングルポケット、クロフネ、ミスキャストがJRA平地G1馬を輩出、遠く海外で種牡馬となったアグネスタキオンの同門アグネスゴールドもブラジルでG1ホースを数多く送り出すなどポテンシャルの高さを見せつけました。

個人的には1998年クラシック世代をしのぐ「最強世代」と思っているだけに今後の活躍にも期待したいところです。

ちなみにこのレースにも産駒が出走しているゴールドシップの母ポイントフラッグもアグネスタキオン、マンハッタンカフェと同じ2001年クラシック世代。重賞勝ちこそありませんが、桜花賞の前哨戦チューリップ賞で2着に入るなど牝馬クラシックを盛り上げた存在でした。

こういう風に「世代」でウマ娘のモデルを調べてみるのも面白いかもしれませんね。

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