[取材レポ]馬が好きでしょうがない展〜馬好きアーティストの展示販売会〜

馬グッズがいっぱい!
浅草のギャラリーに広がる、魅惑の「馬の世界」

2020年12/5〜13日の日程で、浅草駅から徒歩10分にあるギャラリーにて「馬が好きでしょうがない展 」が開催された。
この展示会は、名前の通り「馬が好きでしょうがない」アーティストの方々による作品の展示・販売をするイベントだ。今回はその模様をお伝えしていく。


開催場所は、浅草のアートギャラリー『AtelierCOMET』。ギャラリーの中に入ると、大小様々な「馬グッズ」が視界いっぱいに飛び込んでくる。看板に偽りなしとは、まさにこの事だ。

馬の絵、馬のぬいぐるみ、馬のイラストをプリントしたトートバッグに絵葉書、さらにはクッキーまで。
馬への愛情がいっぱいに感じられる商品がズラリと並ぶ。

題材は「馬」と、いたってシンプルだが、リアルな馬からデフォルメされた馬まで、様々な「馬」が見られるので、飽きが来ない。
むしろ、見回っているうちに「なるほど、こういうデザインの馬もいるんだな」と感心させられっぱなしだ。

編みぐるみ作家・mi-capriさんの作品
ウマデザイナー・ショーゴさんのコーナー
トートバックや缶バッチと、作品は多岐にわたる
ぽち袋にレターセットに一筆箋など
思わず目移りするラインナップ

与那国馬の魅力に一目惚れ!
ヒトとウマの共存ある世界を目指して。

デザインが人それぞれなように、馬のアート作製に携わるようになったきっかけも、人それぞれだ。
参加者の一人である栗城さんは、沖縄に訪れた際に与那国馬に魅せられたのがきっかけで、この活動を開始した。自身がアートを作るのではなく、依頼する形でグッズを製作している。

こちらは、琉球張子という伝統工芸品とのコラボ商品。琉球張子とは、子供たちの成長と出世を願った縁起物で、今では職人も少なくなった希少なものである。

その琉球張子に、今回のコラボ商品では、与那国馬の尻尾や鬣の毛を使用。健康面に配慮し、影響が出ない程度に譲り受けている。目的はもちろん、与那国馬の支援(雇用の創出)だ。

この作品たちのテーマは「ヒトとウマの共存ある世界を目指して」。

紙×雑貨の企画・製作・販売によって、与那国馬の雇用創出・地域活性化・環境保護などを目指している。

合言葉に「Let's support ヨナグニウマ!」を掲げ、活動を続けている。

参加資格は「馬への愛情があること」。
馬好きにはたまらない、至福の時。

この「馬が好きでしょうがない展 」を企画したのは、Horse Space紡の代表・仲嶺さん。
埼玉県羽生市で馬のための場所を営んでいる。

仲嶺さんは普段からTwitterを中心に引退馬支援活動の周知やHorse Space紡にいる馬の日常などを発信。日々、預託馬の世話など大量の仕事をこなしながらも、そうした情報発信なども欠かさない。
そうした数ある活動のなかでも、この活動は大切なものだと感じているそうだ。

この活動の参加資格は「馬への愛情があること」。馬への愛情があるアーティストであれば、雑貨、イラスト、絵画、写真など関係なく出店できるようになっている。
ただし、その中でも「必須ではありませんが、馬への支援を目的に活動されている作家さんを優先させていただいています」とのこと。

「多くの参加者さまが、売上の一部を引退馬支援団体へ寄付されていたり、うちのような特定の牧場へご寄付くださっていたりと『馬のために自分ができること』に取り組まれていらっしゃいます」

そう語る仲嶺さんは、愛馬「ミントしゃん」のミントケースを持ちながら、嬉しそうに笑った。

これほどバラエティに富んだ「馬」に囲まれていると、今まで気がつかなかった馬の魅力を発見出来るような気がする。長い時間をかけて自分の視覚と脳が作り出してきた「馬像」に、新たな一面が追加されたような気分になるのだ。

馬グッズに囲まれた至福の時。
訪問客の表情も、明るいものが多かったように感じる。
そしてどのアーティストも、それぞれが「馬への愛情」を持ち、それを表現していた。
この展示会そのものが、まるでひとつの「馬」をモチーフとした作品かのようにすら感じられた。

一段と「馬への愛情」について考えさせられる、そんな帰路となった。

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