[白山大賞典]白山に挑む ミューチャリーと吉原寛人騎手

JBCイヤーの白山大賞典。
金沢の名手吉原寛人騎手は今年、船橋のミューチャリーで参戦する。
ミューチャリーはデビューからすべてのレースで御神本騎手が乗り、今までライバルとして相対していた。
そんな彼については、

「上がりのしっかりした馬で先行力はないけど、そんなに気にして乗ることはない。しっかり自分の脚を使えるようにサポートできたら」

と、見ている。さらに、

「御神本さんからも『ちょっと繊細な所があるからそこだけ気をつけて、後は乗りやすいんで』って(聞いている)」

とコメント。
主戦の御神本騎手からもミューチャリーの特徴を聞き、手綱をしっかりと受け取っている。

ミューチャリーは鋭い末脚が持ち味であるのは見ているファンはもちろん、吉原騎手もよくわかっている。
しかし、金沢競馬場の馬場はいくらかマシにはなったが後ろからは差し届かないイメージが強い。
無論、金沢の馬場を知り尽くした吉原騎手はその辺りも考えている。

「ある程度射程圏に入れながら前を見据えて、最後差し切れるように。直線もそんなに長くはないので大井みたいに差し足を最大に生かせる馬場ではない。早め早めの競馬になるんじゃないかな」

二周目向こう正面で先頭集団に取りついて直線勝負。
今まで白山大賞典でよく見られた圧倒パターンをもくろんでいる様子。

「金沢は捌きにくい馬場でないので動ける時に動いてついていければ。(JRAの)マスターフェンサーとか好位で差してくるんでその後ろに入れたら。後は枠順次第かな」

それが叶えばチャンスはあるか。

「地方の馬にも目はある。ミューチャリーなら。帝王賞4着だし力は全然ある」

きっぱりと言い切る。その上で、

「余り見た事ないミューチャリーが見られるかも」

そう言って吉原騎手は笑った。
南関の強豪馬と金沢の名手が組みどのような化学反応を見せてくれるのか。
期待は膨らむ。

当日は表彰式は行われないが、勝利騎手インタビューを受けてほしい(2018年石川ダービー)

そして、この白山大賞典の先には地元開催のJBCがある。

「今年はJBCがあるからメンバーは揃っている。ここで結果出しておかないとJBCの乗り馬がいなくなっちゃうので頑張らないと」

馬のため、そして何よりも自身のため。言葉には力と気合を込もっているように見えた。
ミューチャリーとのコンビで地元の金沢でどんな走りを見せてどんな結果を残し、どんな未来を描くのか。
注目の一戦、白山大賞典は9月22日の9レース、16時15分に出走する。

あなたにおすすめの記事