京都競馬場グランドオープン、騎手の負担重量の変更…。2023年、中央競馬の変更点について。

新年、あけましておめでとうございます。2022年は様々なことがあった中央競馬。2023年も楽しいニュースが多くなることを期待したいですね。

今回は2023年の中央競馬の変化点を探りながら、今後どう中央競馬が変化していくのか探っていきたいと思います。

京都競馬場グランドオープン (2023年4月22日)

今年最大の変化点は何と言っても、改修工事が行われていた京都競馬場がグランドオープンを迎えることでしょう。

2025年に100周年を迎える京都競馬場。100周年にちなんで、京都競馬場の愛称を新しく『センテニアル・パーク京都競馬場』とすることからも、その気合の入りようが分かります。歴史を積み重ねた京都競馬場に相応しい愛称というべきですし、新しい施設への期待ぶりも感じられます。

そんな新しい京都競馬場の変化点は以下のとおりです。

  1. 新スタンドは『ゴールサイド』 旧ビッグスワンは『ステーションサイド』と呼び分ける
  2. パドックは馬体が見やすいように楕円形に
  3. 馬券の投票はUMACAを中心に行っていく
  4. 入場はQRコードでの入場をメインにする
  5. 芝・ダートコースで路盤整備を行い、芝外回りの4コーナーが緩やかになった
1.新スタンドは『ゴールサイド』 旧ビッグスワンは『ステーションサイド』と呼び分ける
2.パドックは馬体が見やすいように楕円形に

旧京都競馬場はビッグスワンと呼ばれる建物で有名でしたが、今回の改装で2つの建物になりました。また、馬券購入のスペースが広がって全体的にゆったりとしたスペースができたそうなのでのんびりレースを見ながら馬券の購入ができるのではないでしょうか。

パドックの形状変更は、かつてからのファンからの希望がかなった形と言えるでしょう。

3.馬券の投票はUMACAを中心に行っていく
4.入場はQRコードでの入場をメインにする

この2点からは、これからの競馬場の入場と馬券購入の変化が感じられます。

これまでコロナ禍での蜜を避けるという意味合いもあって入場者数を制限していた面もあったかと思いますが、今後はコロナ禍じゃなくてもQRコードでの入場が中心になっていくでしょうし、UMACAでの馬券購入が中心になっていくでしょう。UMACAで馬券購入をするとポイントが付与されるというサービスもあるそうで、この辺りは他の競馬場でも進んでいくかと思われます。ファンへの周知やそれを知らせるため、利用してもらうためのサービスもどんどん進んでいくと思われます。京都競馬場のグランドオープンはその先駆けになりそうな気がします。

5.芝・ダートコースで路盤整備を行い、芝外回りの4コーナーが緩やかになった

こちらは一見するとさりげない変更点に感じられるかもしれませんが、レースで大きな影響を与えるポイントになるのではないかと思っています。

かつて京都競馬場の芝外回りの4コーナーは、3コーナーの下りからその勢いを生かして長くいい脚を使って曲がっていくため、内ピッタリよりも少し外を回した方が良く伸びたものです。まさにディープインパクト産駒の脚の見せ所でもありましたが、今後は4コーナーが緩くなることで外を回すメリットが少なくなることが推測されます。

また、同じように下りから最後の直線に入る中京競馬場が逃げ切りだったり内をピッタリ回ってきた馬が穴をあけていたように、京都競馬場のレースの傾向も変わる可能性もあると言えます。この辺りは完全に推測ですが、レースそのものも変化する可能性ありと言えそうです。

トラッキングシステムの導入

これは昨年の札幌開催やジャパンカップ週にも話題となりましたが、今回、4月22日の京都競馬場のグランドオープンと一緒に導入をされるとされるシステムです。まるで競馬ゲームかのようにレース中に○地に数字の入ったマークがそれぞれ馬場のどこにいるかを示し、各馬の位置取りや馬群がどうなっているのかを示すシステムになります。

海外では導入されている地域もありますが、日本では未導入でした。競馬ゲームなどで慣れ親しんでいる方などは特に、こちらの方が各馬の動きが分かりやすいと思いますので、ある意味では若者向けのシステムであるとも言えるでしょう。競馬を分かりやすくする施策の一環として受け入れやすいものではないでしょうか。

騎手の負担重量の変更

2023年から騎手の負担重量の変更が行われます。

かねてより、騎手の減量が厳しく、近年では減量ができずに引退する騎手がいましたし、そもそも体重制限があるので騎手になるのをあきらめた方も多いと思います。

様々な分野から人材を集めるため、そして以前から日本人の体形も大きくなり現行の負担重量の制度と合わなくなってきているので、今回負担重量の引き上げを行ったということでしょう。

負担重量が上がるのは、下記の5パターンとなります。

  1. 2歳牡馬9月まで 54キロ→55キロ 2歳牡馬10~12月まで 55キロ~56キロ
  2. 2歳牝馬12月まで 54キロ→55キロ
  3. 3歳9月まで(令和6年度から) 56キロ→57キロ
  4. 3,4歳の平地の重賞競走(別定戦)の基礎重量 57キロ→58キロ
  5. 最低負担重量 OP競争 48キロ→49キロ OP以外の競争 49キロ→50キロ

基本的には1キロ増と考えていいのですが、今年の春の3歳重賞は56キロのままですし、天皇賞春などの古馬G1で59キロが基本というわけではありません。そこは区別して考えたいですね。

これにより、騎手そのものに対する負担は減るかと思いますが、逆に言えばこれまで軽い重量で騎乗できなかった有力騎手が騎乗しやすくなる面もあります。特に減量騎手や女性騎手には逆風と言えますが、それでも頑張ってほしいと思いますね。

賞金の増額

JRAは11年連続で昨年の売り上げを上回りましたが、それに伴ってレースの賞金も増額となりました。

  1. ジャパンカップ、有馬記念1着賞金 4億円→5億円
  2. 牡馬三冠ボーナス 1億円→3億円
  3. 牝馬三冠ボーナス 1億円

近年は、サウジカップなどの高額賞金のレースが海外でも増えてきました。ジャパンカップの増額は、外国馬に参戦を促すという意味合いもあるでしょう。

有馬記念に関してはシーズンの最終盤でも参戦してもらいたいという狙いもあるでしょうし、牡馬三冠ボーナスは菊花賞への参戦を促す意味合いもあるでしょう。海外のレースに遠征もいいですが、JRAとしては日本に留って国内レースを盛り上げてほしいのかもしれませんね。

ネット上でのレース動画の無料ライブ開始

3月25日(G1高松宮記念週)から、レース動画のライブが無料になるとの発表がありました。

会員登録などの手続きも必要なく、全てのレースをスマホ、タブレット、パソコンで視聴できるようになります。ファンからの要望が多かった点ですが、今回インフラの整備が整ったので導入することになったようです。これまではグリーンチャンネルに加入しないとレースのライブ動画が見られなかったのですが、手続きなし&無料でレースのライブ動画が見られるという事は、ライトな競馬ファンの獲得につながるのではないでしょうか。

馬券販売を伴わない映像提供施設『VIESTA』

これは2022年11月にオープンした施設なのですが、馬券の発売を行わない『VIESTA』という施設を紹介します。

これまで、競馬の馬券購入をするための施設としての競馬場、WINSなどの施設がありましたが、さまざまなところで競馬に触れるチャンスを作るための施設として馬券の発売を行わない施設をオープンさせたようです。どうしても馬券購入が中心の施設だと、ライトな競馬ファンには敷居が高いと思われてしまいますし、気軽に入れない雰囲気を感じるのもあるでしょうか。この施設にはこれまで競馬に興味がなかった層や、『ウマ娘』などのゲームから競馬を知った方に、気軽に競馬のレースを見てもらいたいというのが目的のように感じます。

馬券購入自体はスマホやタブレットで購入し、レースを見るのは大きなスクリーンがあって、リラックスできるスペースがある『VIESTA』でという観戦スタイルも今後増えるかもしれません。馬券購入をしないとなれば受け入れる自治体もあるでしょうしね。新しい競馬施設がファンに受け入れられていければいいのではないでしょうか。


2023年の中央競馬は京都競馬場のグランドオープンが目玉ですが、他にもいろいろな変化点があります。これまでの施策と合わせて、競馬の観戦スタイルが大きく変化しそうな1年になりそうな気がします。

競馬のレースを見るのは楽しいですが、その選択肢が広がるような1年になり、より競馬ファンが増える1年になればと思います。

あなたにおすすめの記事