「road to the future」未来へ続く道。

このコーナーでは、週末の新馬戦を勝ち上がった馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線で活躍する名馬や、古馬になって活躍する名馬が、きっと現れるはずです。
今週は、どのような期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

7月6日(土)

福島5R メイクデビュー福島・芝1,800m・1:52.1

マーズオデッセイ

牡馬(6番人気)
父:アドマイヤマーズ
母:クイックリトルミス
母父:Freud
生産牧場:坂東牧場(平取町)
所属:宗像義忠厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手

1,000m通過が1:04.4というスローペースのなか、2番手でしっかりと折り合いをつけ新馬勝ちです。
父アドマイヤマーズにとっては記念すべきJRAの新馬戦初勝利となりました。

一口馬主クラブのGⅠレーシングで募集をされた本馬。募集時のカタログでは「道中はラチ沿いの好位につけ、4コーナーで先頭に躍り出たあとはスピードの持続力でライバルを抑え込む」と書かれた通りのレースぶりに驚きました。

母クイックリトルミスは当時はGⅠに格付けされていたダート8.5ハロンのハリウッドスターレットステークスの2着馬。今日の競馬を見るに、操縦性の高さは伺えましたし、芝・ダート問わず適性の幅がありそうです。次走以降も同様の競馬が出来れば勝ち星が増えていきそうに見えました。

福島6R メイクデビュー(牝馬限定)・芝1,200m・1:10.7

ミライヘノブーケ

牝馬(2番人気)
父:サートゥルナーリア
母:カディーシャ
母父:ダイワメジャー
生産牧場:藤本ファーム(日高町)
所属:伊藤大士厩舎(美浦)
鞍上:柴田大知騎手

しっかりとスタートを決めると二の脚のスピード感も良く先頭にたち、そのまま逃げ切り勝ちを果たしました。
ただスピード任せに逃げ切ったわけではなく、道中では他馬に並ばれなかなか息を入れられず、直線でも叩き合いを経験するなど、新馬戦としては及第点以上の内容だったように映りました。

すでに新馬勝ち馬を輩出しているサンデーサイレンスの4×3(奇跡の血量)を備えている本馬。
今日の内容からだと、距離はまだ伸びてマイルくらいまでは守備範囲でしょうし、ハナにこだわる必要もなさそうです。
次走が試金石の一戦となるでしょう。

小倉5R メイクデビュー小倉・芝1,200m・1:09.2

タマモティーカップ

牝馬(2番人気)
父:デクラレーションオブウォー
母:チャームポット
母父:フジキセキ
生産牧場:フジワラファーム(新ひだか町)
所属:高橋亮厩舎(栗東)
鞍上:長岡禎仁騎手

6頭立ての小頭数ではありましたが、しっかりと新馬勝ちを果たしました。

兄姉を見ると、ロードカナロア産駒の半姉タマモティータイムは2021年に未勝利から3勝クラスまで5戦連続馬券圏内で駆け上がり、ヘニーヒューズ産駒のタマモダイジョッキは芝では2勝クラスで好走し、ダートに変わった後は3勝クラスで好勝負を続けています。

本馬の父は芝・ダート問わずのデクラレーションオブウォーですから、今後の成長次第で色々な可能性があるのではないでしょうか。今日の走りを見るとスピード感良く差し切っていましたし、1,400mくらいまでの芝のレースで次走以降も狙ってみたいタイプです。

函館5R メイクデビュー函館・芝1,200m・1:10.8

ピコローズ

牝馬(5番人気)
父:サトノダイヤモンド
母:ルージュノアール
母父:ストーミングホーム
生産牧場:チャンピオンズファーム(新ひだか町)
所属:伊藤大士厩舎(美浦)
鞍上:佐々木大輔騎手

スタートから先団を見る位置にポジションをとると、直線では馬群を割り、先頭に躍り出てからは後ろからのプレッシャーにしっかりと反応ししのぎ切る。新馬戦としては文句なしの経験が出来たと思います。

母ルージュノアールの産駒は堅実で、初子の半姉アールラプチャー(父ミッキーアイル)は芝1,200m戦を3勝。第2子で半姉キッショウ(父キンシャサノキセキ)はダート1,200m戦を2勝。1歳上の半兄ドレッド(父ドレフォン)は勝ち星こそ無いものの芝1,200m戦で2着3回。
いずれも1,200mでの成績が目立っているだけに、父がサトノダイヤモンドですが当面は短距離路線での走りを期待したい1頭です。

7月7日(日)

福島5R メイクデビュー福島・芝2,000m・2:01.2

ジェットマグナム

牡馬(3番人気)
父:ヘンリーバローズ
母:ビビットオレンジ
母父:ルーラーシップ
生産牧場:カケハムポニークラブ(浦河町)
所属:安達昭夫厩舎(栗東)
鞍上:戸崎圭太騎手

向正面で中団から好位まで位置を押し上げ、直線では逃げ粘る先頭をとらえ切り新馬勝ちを果たしました。

サンデーサイレンスの3×4(奇跡の血量)をもつ本馬。全兄ジェットブレイクはダート1,300m戦で勝ち上がりましたが、本馬は全く異なる条件で新馬勝ちです。

今日はただ1頭別格の末脚を披露し上がり最速をマーク。
現状は同じようなコース形態に向いていると思いますので、広いコースになった時にどのような走りをするか見てみたい存在です。

福島6R メイクデビュー福島・芝1,200m・1:10.5

セイウンビッグバン

牡馬(5番人気)
父:アドマイヤマーズ
母:セイウンメテオ
母父:Acclamation
生産牧場:タツヤファーム(新ひだか町)
所属:萱野浩二厩舎(美浦)
鞍上:三浦皇成騎手

新種牡馬アドマイヤマーズからまた楽しみな馬が現れました。
4コーナーでスッと先団に取り付くと、残り200mからは一気に加速し後続に2馬身差を付けました。
抜け出す際の脚は目を見張るものがありました。

半姉セイウンティーダ(父グレーターロンドン)は芝1,200mでの勝ち上がりでしたが、本馬はマイルまで伸びても十分に守備範囲になる走りだったと思います。

今日のような走りができれば次走でも十分に活躍が楽しみな1頭です。

小倉5R メイクデビュー小倉・芝1,800m・1:50.1

ジョバンニ

牡馬(3番人気)
父:エピファネイア
母:ベアフットレディ
母父:Footstepsinthesand
生産牧場:タイヘイ牧場(新ひだか町)
所属:杉山晴紀厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手

7頭立てながら評判馬が多かったこのレースをジョバンニが制しました。

スタートはそれほど早くはありませんでしたが、しっかりと二の脚を使い3番手へ進出。
1,000mの通過が1:02,9のゆっくりしたペースのなかでも折り合えていましたし、4コーナーでの加速も及第点以上でした。

母は欧州や加国で走り、GⅡカナディアンS制覇をはじめ芝のマイルから中距離の重賞戦線で活躍。
その母にエピファネイアですから、距離はやはりこれ位が現状合っているでしょう。

今日の走りからは小回りの適性が見られましたので、次走以降で広いコースになった際にどのような走りをするか興味深い1頭です。

小倉6R メイクデビュー小倉(牝馬限定)・芝1,200m・1:10.2

スリールミニョン

牝馬(1番人気)
父:ミスターメロディ
母:ルミノハレブタイ
母父:クロフネ
生産牧場:笹川大晃牧場(森町)
所属:高橋康之厩舎(栗東)
鞍上:永島まなみ騎手

新種牡馬ミスターメロディにとって嬉しい産駒初勝利となりました。

小頭数のレースになりましたが、道中は大きくばらけ前が断然有利になりましたが、終始2番手に付けて、逃げ馬をマークする形の勉強ができた事は大きな収穫だと思います。
仕掛けてからはスッと反応できていましたし、新馬戦としては及第点だと思います。

次走以降で多頭数の競馬になった際にどのようなレースをするかで改めて評価をしたい1頭です。

函館5R メイクデビュー函館・芝1,800m・1:54.0

マジックサンズ

牡馬(1番人気)
父:キズナ
母:コナブリュワーズ
母父:キングカメハメハ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:須貝尚介厩舎(栗東)
鞍上:佐々木大輔騎手

オープンクラスを意識できる逸材、という評価でも過言ではないと思います。

稍重のコンディションのなか1,000m通過が1分5秒4という超スローペース。
道中はじっと馬群で我慢させ、今後に活かすことが出来る内容だったのではないでしょうか。

祖母は2004年阪神JFで2着と好走したアンブロワーズ。母は1,400m以下のレースで4勝をあげたコナブリュワーズで、産駒には2023年桜花賞2着のコナコースト(父キタサンブラック)がいる血統。

父がキズナに変わったことで距離適性がどのようにでるか。
個人的にはマイルから2,000mくらいの大きい所でどの様な走りをするか、注目して今後も追いかけたい1頭です。

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