[今週の競馬]中央競馬で今年最初のG1・フェブラリーステークスが開催 第1回阪神競馬も開幕

先週のサウジカップの余韻も冷めやらぬところだが、いよいよ今週は中央競馬で今年最初のG1となるフェブラリーステークスが開催される。ダート界ではワールドディフェンディングチャンピオンとなったフォーエバーヤングに続くスターホースは果たして現れるだろうか。土曜日には長距離重賞のダイヤモンドステークスもあり、東京は2日連続で重賞が開かれる。

また、西の競馬は京都から阪神にスイッチされ、ここから4月3週目まで約2か月のロングラン開催となる。第1回開催では阪急杯やチューリップ賞、阪神大賞典といったG1レースへの前哨戦が実施される予定で、いよいよ春の足音が近づいてきた。

さらに第3場の小倉では「フユコク」名物、小倉大賞典もフェブラリーステークスと同日に開催予定。重賞4つが行われる今週は、忙しなくも面白い1週間になるだろう。

○フェブラリーステークス 砂塵を巻き上げいざ飛躍の時

フェブラリーステークス(G1)
日曜東京11R 15:45発走
ダ1600m(左)サラ系4歳以上 オープン 定量
本賞金 1着15000 2着6000 3着3800 4着2300 5着1500(万円)

■レースの歴史、位置付け

1984年、グレード制導入時にフェブラリーハンデキャップ・G3として創設。同時期に誕生したのがウインターステークスで、こちらは2026年現在、東海ステークスに改称されて実施されている。

1994年にG2に格上げされた際、別定戦として現名称となり、1997年にG1へ昇格。それから2年後の1999年には岩手所属のメイセイオペラがこのレースを制し、地方競馬に所属する馬として史上初の中央G1制覇を達成した。

基本的に第1回から東京競馬場での開催が固定となっているが、スタンド改修工事の影響で1度だけ中山のダート1800mで行われたことがある。その時の勝ち馬がゴールドアリュール。

種牡馬入り後も多数の活躍馬を送り出した彼だが、フェブラリーステークスを制覇したにもかかわらず東京のダートマイルを1度も走ったことがないという珍記録も持っている。それなのに産駒の東京ダートでの勝率は1600m戦が一番高いというのだから面白い。

■前年のレース模様

前王者・レモンポップが引退し、日本での新たなチャンピオンを決める戦いとして開催された2025年のフェブラリーステークス。東京大賞典を制したフォーエバーヤングこそサウジ遠征で不在だったが、彼にジャパンダートクラシックで0秒2差まで迫ったミッキーファイトが1番人気でゲートインを迎えた。

レースを作ったミトノオーは600m35秒0という緩みないタイムで逃げ、先行勢には厳しい展開に。直線に向くと外から進出してきたコスタノヴァが一気に先頭へ立ち、追い込んでくるミッキーファイト、ペプチドナイルを突き放す。最後は最内から突っ込んできたサンライズジパングも3/4馬身抑えて勝ち切った。鞍上のキング騎手は女性騎手としては初めてとなる中央競馬の平地G1勝利となる記録も樹立。

■今年の出走馬

昨年ブリーダーズカップクラシックを制したフォーエバーヤングこそ不在だが、G1の名に相応しい好メンバーが顔を揃えた。連覇を狙うコスタノヴァはもちろんのこと、悲願の中央G1初勝利を叶えたいウィルソンテソーロ、チャンピオンズカップを逃げ切ったダブルハートボンドなど、非常に層が厚い。

さらに明け4歳世代からは昨年のダート二冠馬ナチュラルライズと、充実著しいハッピーマンがエントリー。先輩たちにどう立ち向かうのかが非常に楽しみな2頭だ。

また、シックスペンスの国枝栄師、ラムジェットの佐々木晶三師はこれが最後のG1出走となる。そして意外なことに、2人はまだJRAのダートG1を勝ったことがない。もし管理馬がここを制すると、調教師人生ラストのG1勝利がカテゴリ初のG1制覇という大団円を飾ることになる。2頭ともにG1級競走での実績も十分なものを擁していることから、劇的な幕切れがあってもおかしくないだろう。

○ダイヤモンドステークス 人馬の呼吸も試される長丁場

ダイヤモンドステークス(G3)
土曜東京11R 15:45発走
芝3400m(左)サラ系4歳以上 オープン 定量
本賞金 1着4300 2着1700 3着1100 4着650 5着430(万円)

■レースの歴史、位置付け

創設当初は中山芝2600mで行われていた。東京で開催されたのは1956年が最初で、勝ち馬は第22代ダービー馬のオートキツ。当時の東京芝2500mのレコードを樹立している。その後も何度かの変遷を経て、2004年に現行条件として定着した。

現役で最もダイヤモンドステークスを勝っているジョッキーは北村宏司騎手で3勝だが、既に引退した騎手まで含めた場合は岡部幸雄元騎手が7勝でぶっちぎりのトップ。1987年から1990年にかけては同レース4連覇も達成している。

■前年のレース模様

前年の菊花賞で2着となったヘデントールと、オーストラリアのメルボルンカップで2着に入ったワープスピードが激突。2頭が単勝人気では抜け出し、3番人気以下にはやや差をつけたオッズ構成となった。

レースはセイウンプラチナ、ショウナンバシット、ジャンカズマの3頭が引っ張り、隊列は縦長に。勝負所で一気に馬群は凝縮し、仕掛けたヘデントールにワープスピードが並びかけてマッチレースとなるかと思われた。しかしここからヘデントールがぐんぐん後続を引き離し、上り最速の末脚で重賞初制覇を飾った。

■今年の出走馬

スティンガーグラスやミクソロジー、シルブロンなど長距離重賞で実績のあるステイヤーに、クラシック路線を走って来た明け4歳馬が挑む構図。なかでも面白いのはファウストラーゼンの参戦ではないだろうか。

ホープフルステークスや弥生賞では強気な捲りで結果を残してきた同馬だが、日本ダービー、アメリカジョッキークラブカップでは後方のままレースを終えている。とはいえ長く良い脚を使える馬だけに、超長距離戦への出走は大きな変わり身を見せてくれるかもしれない。

また、紅一点で参戦してくるホーエリートにも注目。牝馬でのダイヤモンドステークス制覇はグレード制導入以後、1988年のダイナブリーズのみ。当時の施行条件は芝3200m戦だったため、もし今回ホーエリートが勝利すれば芝3400m戦での牝馬の勝利は初となる。1980年にここを制したプリテイキャストのような、ダイヤモンドステークスから天皇賞制覇への道を歩めるか。

○阪急杯 仁川から尾張へ 高松宮記念へのステップレース

阪急杯(G3)
土曜阪神11R 15:30発走
芝1400m(右)サラ系4歳以上 オープン 定量
本賞金 1着4300 2着1700 3着1100 4着650 5着430(万円)

■レースの歴史、位置付け

現在の名称に変わったのは1960年。前身は宝塚杯という名前で芝2200m戦で行われていたという歴史があるが、これは現在の宝塚記念とは無関係である。

現行条件となったのは1981年からだったが、高松宮杯(現:記念)が1200mのG1になった1996年、一旦芝の1200mへ短縮。この条件の阪急杯を制した10頭のうち8頭がG1ホース、もしくはのちにG1タイトルを手にする馬であった。

2006年から再び芝の1400m戦となったが、距離再延長の初年度を制したのはブルーショットガン。この日限りで鞭を置く松永幹夫騎手(現:調教師)にとって、ジョッキー生活最後の重賞制覇となった。

■前年のレース模様

ここまで5戦4勝と好成績を残していたフォーチュンタイムが1番人気。それにアサカラキングとソーダズリングが続き、ダノンマッキンリーまでがひと桁オッズだった。

レースはダッシュ良く出たアサカラキングがそのまま先頭に立ち、600m通過35秒2とよどみないペースで逃げる。直線でも後続とセーフティーリードを保ちそのまま逃げ切るかと思われたが、そこに大外からカンチェンジュンガが強襲。上り最速の末脚でアサカラキングを捉えると、そのままゴール坂へ飛び込んで行った。

■今年の出走馬

昨年のシルクロードステークス以来、実に1年ぶりの実戦となるソンシがエントリー。ここまでの戦績は【5-2-1-1】と着外はたった1度のみという安定感がウリである。今回は仕切り直しの重賞初挑戦となるが、ここで好走できれば高松宮記念でも楽しみな存在となるだろう。

また、昨年の覇者であるカンチェンジュンガもスタンバイ。秋にはセントウルステークスも制して重賞2勝目を飾ったが、こちらはソンシとは逆に【6-0-0-16】という、1着か着外しかない豪快な成績である。実は創設以来、阪急杯を連覇した馬はいないため、カンチェンジュンガが勝利すればレース史上初の記録樹立となる。果たして今年も後方一気が炸裂するか。

○小倉大賞典 フユコクの名物ハンデ重賞

小倉大賞典(G3)
日曜小倉11R 15:30発走
芝1800m(右)サラ系4歳以上 オープン ハンデ
本賞金 1着4300 2着1700 3着1100 4着650 5着430(万円)

■レースの歴史、位置付け

現行の2月開催となったのは1987年から。小倉開催時の距離は創設当初から一貫して芝1800mで変わっていない。1998年、中京で開催された際はサイレンススズカが逃げ切り勝ちを収めている。

なお小倉の改修工事により阪神競馬場で行われた第3回の開催時は「セントウルステークス」と名前を変えて行われているが、このレースの成績自体は小倉大賞典の歴史となっている。

ちなみにその時の勝ち馬ダイイチオーに騎乗していたのは武邦彦騎手で、前年に続く連覇を達成。便宜上のレース名が違いながら中身が同じ競走を2連勝するというのは、なかなか珍しい記録である。

■前年のレース模様

1番人気はシルトホルンだったが、初の芝挑戦となったヤマニンウルスにも注目が集まっていた1戦。レースはスタートから飛ばしたセルバーグを各馬が追いかける形で進んだが、直線に向いてもその差は詰まらず、そのまま決まるかと思われたところで後続が殺到。

最後は後方待機に徹していたロングランが、先行抜け出しを図ったショウナンアデイブを差し切ったところでゴール。同馬はこの後のマイラーズカップも制し、重賞2連勝で安田記念に駒を進めた。

■今年の出走馬

好調の明け4歳世代からはニシノエージェントがエントリー。昨年は京成杯を制し、皐月賞とダービーにも駒を進めた素質馬だ。また、G3での好走歴があるセンツブラッドも登録。同馬は初の古馬重賞でも2着に好走した実績もある。小倉大賞典は4歳馬の勝率が過去10年で最も高いというデータも追い風となりそうで、小倉の地でも4歳世代が主役の座に輝く可能性は十分にある。

また、マテンロウオリオンに騎乗予定の横山典弘騎手は、このレースへの参戦が2009年以来17年ぶり。前回は7番人気のサンライズマックスに騎乗し勝利を挙げた。典弘騎手の小倉芝1800m戦は過去10年の複勝率も高く、相性のいい舞台。果たしてどんな騎乗を見せてくれるか期待したい。


フェブラリーステークスをもって冬の東京開催はフィナーレとなり、中央競馬は春のG1シーズンに向けて一気に走り始める。すでに各路線の有力馬の次走が発表されるなど、大舞台に向けての熱量は増してきた。まずは砂の舞台で繰り広げられる激戦の行く末を見守りたい。

写真:@pfmpspsm、Horse Memorys、INONECO、s1nihs、かず、ぼん(@Jordan_Jorvon)、突撃砲、水面、横山チリ子

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