馬に囲まれた結婚式~ノーザンホースパーク ウェディング~

こんにちは。徳澤泰明です。
ご存じの方も多いかと思いますが、北海道・新千歳空港の近く(車で約15分)にある「ノーザンホースパーク」では、結婚式・披露宴を行う事ができます。
多くの名馬が在厩し、馬車やポニーが行き来する緑豊かなパーク内。
おとぎ話のような雰囲気が漂う類まれな舞台である事は間違いなく、新郎新婦・参列者ともに馬好きならばまず楽しい一日になることでしょう。

しかし、「結婚式」というと一生に何度も開くようなイベントではなく、それなりに費用もかかる上、自分達を祝福してくれる多くの方にも関わるものです。
多くの馬好きが憧れながらも、実際に行った人がなかなか周りにおらず、準備期間の様子や費用等の実態について分からないために、踏み切ってジャンプぅ!するにはハードルが高いように感じる方もいるのではないでしょうか。
また、直近では式の予定がなくとも、“人生規模のイベントにおいて「馬」がどのような素敵なエフェクトをかけるのか”、貴重な体験談に触れてみたい方も多いテーマだと思います。

そこで今回は、三年前にパーク内で結婚式を挙げた馬好き夫婦(筆者が婚姻届けの証人を務めた夫婦)にインタビューという形で協力していただきました。
筆者が参列者目線で感じたノーザンホースパークならではの魅力等を織り交ぜつつ、読者の皆様に「実際にやってみたからこそ出せる言葉や情報」をお伝えします。

とにかく「馬」が溢れるインパクトのある一日に

筆者「新郎氏とは初めて会ったのが競馬場(2014年ジャパンカップ)だったり、御殿場カルチャーファームに何度か乗馬に連れていってもらったり、夫婦揃って馬好きな事は知っていたのですが、ノーザンホースパークでの実施を選んだ理由について改めて聞かせて下さい」

新郎「 “二人とも馬という動物が大好きだった”というのは言うまでもありませんが、来賓へのおもてなしを最重要視しました。私自身それなりに結婚式や披露宴に参加してきた年齢であり、お招きする方もそういう世代が多くなる事から、次の展開が毎回読めてしまうような形式ばったものではなく、来賓を飽きさせない、お世話になった皆様に楽しんで頂ける一日にしたいという思いがありました」

新婦「同じく、せっかく来て下さった方々が“どんな一日だったか”をずっと覚えてくれるような結婚式に憧れていました。あとは、シンプルに馬乗りとして、馬に騎乗して登場できるところに惹かれました」

筆者「確かに、二人が馬に騎乗して登場したり、ポニーが指輪を持ってきたり、ウェルカムボードから引き出物まで馬ずくめで、たとえ馬好きじゃなくても数々の珍しさを楽しめた日だったと思います。また、“馬と言えば二人、二人と言えば馬”という印象を、幸せいっぱいな姿と一緒に参列者の記憶に刻めただろうな、とも」

自由度が高く、北海道在住でなくてもしっかり要望を実現できる

筆者「当日までの準備も含めて、実際にやってみて感じたことは?」

新郎「自由度が高く、自分達で様々な事を決めたり取り入れたりできる分、準備は大変でした。ホームページにもある通り大枠のプランはあり、お任せすればパッケージにもしていただけるのですが、大手式場のように豊富なパッケージが予め用意されているわけではなく、こだわりを色々入れたい人にはお勧め、という感じです。
例えば、一般的には新郎新婦は高砂にいて料理には手を付けないことが多いのですが、私たちは来賓との交流を大事にしたかったので、全ての来賓テーブルに私たちの席を設置して一品ずつ食べながら来賓全員と歓談できるようにしました。色々な要望を出しましたがNGと言われたことはなく、”どうすればできるのか”を考えてくれるプランナーさんでした」

新婦「当時は首都圏に住んでいたので、北海道での実施内容について上手く調整していけるのか心配でした。でも実際は、定期的に開かれる説明会で担当の方が関東に来る機会があり、面と向かっての打ち合わせも重ねられたので、事前の用意も当日も安心感がありました」

筆者「自由度の高さがありつつ、それを実現するためのサポートも問題ない、という感じですね。北海道以外での打ち合わせや各要望については、社会の状況等も絡んでくるため常に誰もが同じようには利用できないかもしれませんが、それくらい高い水準で気持ちの面も支えてもらえる、という形で受け取らせていただきます」

新婦「あと、来賓の方々から当日の御食事が美味しかったというお言葉を多くいただきました。北海道のこだわりある材料を使っているとの事で、これも自然豊かな土地にある式場ならではの魅力だったように思います」

まさに「一生もの」になった前撮り写真

筆者「他に良かった点を上げるなら何ですか?」

新郎「何と言ってもこちらの売りである騎乗入場ができたことです。新郎新婦がそれぞれ騎乗して入場するなんて、大手式場のプランでもなかなかできないでしょう。あと、前撮りの写真も素晴らしい。馬がいるだけでとにかく”画”になります」

新婦「同じく。新緑の中で馬とともに撮った最高の一枚をパネルに出来て、もう毎朝それを眺めて至福に浸っているほどです」

筆者「この写真ですね! 確かに映えています。参列者としての正直な感想として、もともとパーク内には馬が多いこともあり、式当日は馬に対する驚きがだんだん薄れてきたところはあるんですよ。感覚が麻痺してきたというか。でも通常、都会の挙式ではポニー一頭来てもらうだけで大騒ぎするレベルですからね。本州(というか日常)に戻ってきてこそ、当日のあのインパクトが尚更響いてくるところもあるんだろうなとも思います。そういう意味でも、写真に残して、あとからしっかり“貴重な体験をした”ことを毎日振り返れるのは羨ましいです」

※「新郎だけが騎乗して新婦は馬車で登場する」「騎乗について不安なため事前にレッスンを受ける」なども可能です。

「海外婚」に似ているところも

筆者「ここまで良い話が続いているのですが、雨の場合はどうするつもりだったのかと、聞きづらいところですが、費用面について、感覚的な話でも聞かせていただけますか」

新郎「結婚式・披露宴の費用は、一般的な結婚式と比べてやや安い部類ではないでしょうか。騎乗入場、ドレス買い取りなどのオプションを付けましたが、総額から行っても都市圏ホテルでやる場合より安いと思います。ただし、私たちの場合は、来賓全員が道外在住でしたのでお車代は当然高くなり、呼べば呼ぶほど費用が嵩む形にはなりました」

新婦「ただ、その分、少数精鋭というと角が立ちますが、招待する対象を遠方でも声をかけやすい人・多少の費用面は目を瞑ってでも来て欲しい人に絞れたことで、より一層濃密な一日にできたのだと思います。海外婚にイメージが近いかもしれませんね」

筆者「なるほど。“大勢で大規模に”という形ではなく、“身内を中心に特別な形で”というか。実は私も、会社の人をどこまで呼ぶか等のシガラミや予算の管理が億劫で海外婚にした身なので、何となくニュアンスが分かる気がします」

新郎「雨なら屋内でやるつもりでしたが、程度によっては最大の目玉である騎乗入場ができないので、私たちのプランとしては最も大事な要素を欠く形になるところでした。天気ばかりは運ですのでどうしようもありません」

新婦「騎乗入場以外の部分については、途中で降ってきて少し濡れたりするのも外でやる醍醐味の一つというか、それはそれで楽しかったかもしれませんが、私たちの場合は騎乗入場ありきで進めてきただけに、とにかく晴れて良かったです」

筆者「晴れるのを期待して、思い切って全てを進めてみる。二人らしい一面が見られて嬉しいです。もちろん多少の難や対策は想定しつつ、基本的には前向きな展開予想を最優先してものごとに取り組むのは、私も結婚式という晴れやかな舞台に挑む上での大前提だと思いますし、もしかするとその後の結婚生活においても結構大切なことというか……はい、何だかそろそろ“結婚論“みたいな入り組んだところまで迷い込んでしまいそうなので、インタビューはここらへんで終わりたいと思います。最後に何かありますか?」

新郎新婦「もし、もう一度他の人と式をするとしても、またノーザンホースパークでやりたいです」

筆者「そこは“同じ人で”で頼みます…。色々と丁寧に話していただいて、知りたいところを知れた方、喜ぶ方も多いと思います。有り難うございました!」

新郎新婦も参列者も「馬旅」を楽しむ機会に

インタビューの中で触れそびれてしまったのですが、実は式の当日、パーク内で「蹄鉄を使ったアクセサリー作り」というイベントを実施していたため、筆者と愉快な仲間達は内緒で早めに現地入りして、『蹄鉄のウェルカムリース』を作って二人へサプライズで贈りました。
(蹄鉄は、ドアに飾ると魔除けの役割をし、結婚式で夫婦に贈ると幸福を呼ぶアイテムとも言われています)

その他、厩舎エリアでウインドインハーヘアやジャガーメイルといった名馬達とふれあったり、式の前後で新冠~日高周辺の牧場を巡ったりと、参列者にとっても北の地でとにかく沢山の「馬」を満喫する良い機会になりました。
新郎新婦については言わずもがな、新婚旅行も兼ねてあちこち巡ったり、帯広競馬場で協賛レース(結婚祝い特別)を実施したり、前撮り前後も含めてかなりお楽しみの様子でした。

ただでさえ一日では回りきれないパークの中で、「結婚式」という最高のイベント。
そして、「北海道巡り」というこれまた超壮大なオマケ付き。
ノーザンホースパークでの挙式・披露宴について、気になる方はホームページ等を一度覗いてみてはいかがでしょうか。

この記事が、皆様の人生や生活が更に「馬」で充実する一つのキッカケになれば幸甚です。
それでは、また。

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