[新馬戦回顧]メイクデビューの勝者達 - 2022年7月2日・3日

中央競馬2020年産駒達の新馬戦も2か月目に入りました。
世代全体のうち3割前後しか勝ち上がることができないという厳しい戦いとなり、新馬戦の勝利となるとさらに狭き門。
ここでは先週開催された新馬戦で、一生に一度のチャンスをものにした2歳馬達をご紹介していきたいと思います。

2022年7月2日(土)

函館5R 芝1200 曇・稍重 8頭

ブトンドール

牝馬
ビッグアーサー×プリンセスロック
母の父:スウィフトカレント
所属:栗東)池添学厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:鮫島克駿騎手
486㎏ 4番人気 6枠6番

7月最初の新馬戦は、ビッグアーサー産駒のワンツーという結果になりました。

好スタートから先行勢を先に行かせつつレースを進めると、早めに前をとらえて直線へ。
前をかわすところでやや減速する形になりましたが、そこから再度しっかり伸びてくれました。

勝ち時計は1分11秒1。
余力残しの仕上げだったということで、次走以降更なる上積みにも期待です。

小倉5R 芝1200 晴・良 18頭

サツマノオンナ

牝馬
スクワートルスクワート×スペシャルビビー
母の父:スペシャルウィーク
所属:栗東)新谷功一厩舎
生産:新保孝一
鞍上:松山弘平騎手
440㎏ 2番人気 2枠3番

九州産馬限定の新馬戦だった、小倉5R。

勝ったのは鹿児島県産馬サツマノオンナでした。
好スタートを決めると二の脚もしっかりついて先頭へ。
そこから一度も先頭を譲らず、直線でも良い手応えで突き離していきました。

次走は少し間隔をあけて8月下旬の九州産限定オープン競走・ひまわり賞を目指すとのこと。
昨年ブレイクしたヨカヨカに続く九州産馬のスターとなるか、活躍が楽しみですね。

福島5R 芝1200 晴・良 15頭

ナックブレイブ

牡馬
レッドファルクス×ワキノバクシン
母の父:サクラバクシンオー
所属:美浦)杉浦宏昭厩舎
生産:広田牧場
鞍上:木幡巧也騎手
470㎏ 5番人気 7枠13番

新種牡馬レッドファルクスの初年度産駒が、見事、中央初勝利を挙げました。

抜群のスタートを切った後無理にハナを主張することはなく先団へ。
脚をためながら道中進み、直線に入ると綺麗に抜け出し2着馬ブーケファロスの追い上げを振り切りました。

勝ち時計は1分11秒1。
この後は小休止で成長を促す予定ということで、秋以降の姿にまた注目です。

函館6R ダ1000 曇・重 7頭

ニシノシークレット

牡馬
リーチザクラウン×ニシノラピート
母の父:サウスヴィグラス
所属:美浦)村田一誠厩舎
生産:本桐牧場
鞍上:勝浦正樹騎手
472㎏ 1番人気 4枠4番

ここまで11連敗中だった新馬戦の1番人気馬、連敗を止めたのは西山オーナーが勝浦騎手を配し送り出したニシノシークレットでした。
好スタートから積極的にハナを切ると直線では持ったままで差を広げる走り。

両親ともに西山オーナーの所有馬ということで、まさに会心の勝利だったのではないでしょうか。
勝ち時計は59秒7。
次走は距離を伸ばして芝を予定という情報もあり、今後に注目の1頭です。

小倉6R ダ1000 晴・良 11頭

マルモリキング

牡馬
ホッコータルマエ×ミヤジガンバレ
母の父:ファスリエフ
所属:栗東)大橋勇樹厩舎
生産:村中牧場
鞍上:富田暁騎手
518㎏ 3番人気 6枠7番

この世代が産駒3世代目となるホッコータルマエ産駒が、今年の新馬戦初勝利をあげました。

良いスタートを切ると2番手につけ、中盤以降は1番人気ゴッドセンドとマッチレースのような展開。見事ハナ差で勝ち切りました。

勝ち時計は59秒7。
この後は1度リフレッシュを挟むようです。

福島6R ダ1150 晴・良 12頭

バグラダス

牡馬
マジェスティックウォリアー×メジェルダ
母の父:ディープインパクト
所属:美浦)嘉藤貴行厩舎
生産:村田牧場
鞍上:戸崎圭太騎手
468㎏ 1番人気 7枠9番

村田牧場さんの自家所有馬が、1番人気に応えました。

幼少期の怪我が原因で岩陥という体に窪みができる後遺症を負い、一時は競走馬になれないかもという状態だった仔を慎重に育て、開業一年目の嘉藤先生に託したという本馬。

横にヨレつつも早いスタートを切り逃げの形に入ると、最後は4番人気トモジャミとの競り合いを見事に制しました。

勝ち時計は1分10秒0。
まだまだ幼いところも多く、芝への対応もいけそうということで、幅広い活躍に期待です。

2022年7月3日(日)

函館5R 芝1800 晴・良 8頭

シーウィザード

牡馬
ビーチパトロール×メリーウェザー
母の父:メジロベイリー
所属:美浦)鹿戸雄一厩舎
生産:シンボリ牧場
鞍上:浜中俊騎手
456㎏ 5番人気 8枠8番

シラユキヒメ一族とは違う牝系から出てきたゴールドシップ産駒の白毛馬・アオラキが人気の一角として注目されていた、函館5R。アメリカで活躍した新種牡馬ビーチパトロールの初年度産駒が父にJRA初勝利を贈る結果となりました。

シーウィザードは序盤から先頭に立つと、楽な手応えで道中進み、1番人気ルクスグローリアの追撃を退け、そのまま逃げ切りました。

勝ち時計は1分51秒7。
距離延長もこなしてくれそうで、初年度種付け頭数109頭だった父の種牡馬としての評価を高めるような走りをみせてほしいものです。

小倉5R 芝1800 曇・良 8頭

アリスヴェリテ

牝馬
キズナ×ルミエールヴェリテ
母の父:Cozzene
所属:栗東)中竹和也厩舎
生産:ノースヒルズ
鞍上:川田将雅騎手
448㎏ 3番人気 6枠6番

キズナ産駒の今年の新馬戦初勝利が出ました。
このレース唯一の牝馬として出走し、スタートはややもっさりでしたが行き脚はしっかりつき、先行集団のすぐ後ろでレースを進めたアリスヴェリテ。
直線途中までは誰が勝つかわからないような接戦でしたが、そこからグッと伸びて見事に勝ち切りました。非常に良いレースだったと言えるでしょう。

勝ち時計は1分50秒6。
着差0.5秒の間に6着馬までが入っていて、彼らの次走にも注目したいところです。

福島5R 芝1800 晴・良 13頭

フロムナウオン

牡馬
モーリス×アドマイヤキュート
母の父:キングカメハメハ
所属:美浦)手塚貴久厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:津村明秀騎手
536㎏ 1番人気 8枠12番

536㎏の大型馬が1番人気に応えました。
大きな馬は仕上がるのもゆっくりの場合が多いと聞きますが、その影響なのか、このフロムナウオンも道中鳴いていたりずっと促さないと進んでいかなかったりと随所に子どもっぽさを見せていたようです。

そんななかでも勝ち切ることが出来たということで、今後メンタル面の成長が体に追い付いてきた時が楽しみですね。

勝ち時計は1分51秒5。
コーナー4つは忙しそうだったことから次走は広いところを走らせてみたいということで、リフレッシュを挟むかもしれませんが、次走の成長ぶりに期待できそうな1頭です。

小倉6R 芝1200 曇・良 9頭

ロンドンプラン

牡馬
グレーターロンドン×パッションローズ
母の父:アフリート
所属:栗東)宮本博厩舎
生産:下河辺牧場
鞍上:松山弘平騎手
508㎏ 3番人気 6枠6番

新種牡馬グレーターロンドンの初年度産駒が、初出走初勝利を決めました。

一瞬先頭を伺うほどの好スタートを切ったあと3番手に控えてレースを進め、4コーナー曲がりながら差を詰めると直線は見事な伸びを見せました。

下河辺牧場さんは今年の新馬戦初勝利。
勝ち時計は1分8秒2でした。

少し忙しい感じもあったとのコメントもあったように、距離はもう少し持ちそうですし、次走以降がまた楽しみです。

福島6R 芝1200 晴・良 16頭

チカポコ

牝馬
ブラックタイド×アスペンアベニュー
母の父:トワイニング
所属:栗東)西園正都厩舎
生産:追分ファーム
鞍上:石橋脩騎手
418㎏ 1番人気 8枠15番

スペイン語で「おてんば」という意味の名前を持つ追分ファーム生産馬がこの週最後の新馬戦を勝利。
悪くないスタートから先行し、最後は競り合いを制しました。
勝ち時計は1分10秒4。
石橋騎手より距離は伸びても大丈夫とのことですし、次走以降も"チカポコ"な走りが楽しみです。


以上、今週のメイクデビュー勝ち馬11頭を見ていきました。

この仔達がこれからどのような成長を見せてくれるのか、また今週末の新馬戦ではどんな仔達がデビューしてくるのか、週末を楽しみに待ちたいと思います。

写真:ベガライフ、かずーみ

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