2月11日、12日にウマ娘プリティーダービーと佐賀競馬がコラボイベントが開催される。
来場者特典があったり、佐賀記念を勝利したスマートファルコン役の大和田仁美さんとカレンチャン役の篠原侑さんとのスペシャルトークショーがあったりと様々なイベントが行われ、大いに盛り上がる事が予想される。
そんな地方競馬場とウマ娘のコラボイベントはこれまで笠松や名古屋、大井などで行われた。その中でも昨年の11月に金沢競馬でも行われたのは記憶に新しい所。
あの時の金沢はこれまで来なかったような新しいファンが多数来場していて大いに盛り上がった。
しかし、その盛り上がりは普段の開催の盛り上がり、JBCや白山大賞典の時とは違った盛り上がりだったように感じた。
あのコラボ当日に金沢競馬場はどうなっていてどう盛り上がっていたのか、振り返っていきたい。
コラボ当日。公式からはイベントは来場者特典に声優のトークショー、POP UP STOREの開店、フォトスポットの設置と言った所が発表されていた。
しかし、SNSや場内で大きな盛り上がりを見せたのはそこには載っていない事の方が多かった。
例えば場内の飲食店。
ツイッターでも話題になったのは大食堂「不二家」のにんじんはさみハンバーグ。
さすがに原作のようにハンバーグに突き刺すまでは再現できなかったが、来場したウマ娘ファンに向けての心意気に溢れていた。
さらに「うちの仔カフェ」ではコラボ限定メニューのにんじんゼリーが登場。にんじん100%ジュースだけではなく、ジュースを混ぜるなど試行錯誤して作成した物でこちらはお子様に人気となった。
また「馬笑屋」には限定メニューはなかったものの、既存の商品に「スペ盛り」と言うPOPが登場。また、たこ勝にも「オグリ盛り」と言うPOPがあった。
話によると金沢競馬事業局の方から使います? と言う感じで回ってきた物とか。
飲食店自体もだが、このコラボで盛り上がって行こうと金沢競馬全体で思っていたことがわかるPOPだった。
飲食店だけではなく新聞売場にもウマ娘が並んだ。
話を聞いてみると中の人はウマ娘を名前くらいは知っていたけどよくわからない、と言う人が多かったが、POP UP STOREでグッズを買って飾り立てたそうで。とにかくウマ娘のファンに喜んでもらおう、盛り上がってもらおうという気概が見て取れた。
さらに無料ファンバスもいつもとは違う幕を掲げ、行き先にもウマ娘の文字が。
金沢駅から競馬場までの道程でウマ娘コラボの雰囲気を高めさせていた。
ちなみにコラボ初日にはナンバーが「564」(ゴルシ)のバスが使用されてこちらもSNSで話題となった。
そして、レースでも盛り上がりを見せたが、葦毛限定のゴルシ記念や栗毛限定ファルコ記念よりも盛り上がったのが4レースの「ランチにオススメ!場内グルメ賞」。
B1の平場だったが、当日のレース名にもなったゴールドシップ産駒、マイネルリリーフが登場するとあって注目を浴びた。
パドックでは厩務員がウマ娘のゴールドシップのぬいぐるみをつけて周回。1番人気に応えて歓声と拍手の中で快勝すると重賞でもないのにウイナーズサークルで口取りを行った。
これはもし当日勝利したら口取りをしてファンに見せたいとの陣営からの要望に馬主の小川寛子氏とそんな事想定していなかった事業局が事前にOKを出して実現させた。
さらにぬいぐるみは厩務員が金沢や周辺を探し回ってようやく入手したとのこと。
ここまで事前に用意して勝てなかったらとプレッシャーはなかったかと聞かれると、小川オーナーはこう言う時に絶対勝つ運の持ち主なので全く心配はしていなかった、と笑って答えた。
これらの様子は一般戦であったがツイッター等SNSでも大きく取り上げられた。
さらにツイッターで話題になったのが「場内にメジロマックイーンがいた」と言う物。
見た人が限られていたので妖精さんでもいたのでは、と思われたが実際にトレセン学園の制服を着たメジロマックイーンが場内にいた。
これは場内のとある飲食店のオーナーの娘さんがコラボを盛り上げたいと事業局からOKを取ってメルカリでウィッグから制服まで一式を揃えて行った物。
来場していたコスプレイヤーがこれを見て「できるんだったらやればよかったなあ」と言ったとか。
このように、ウマ娘コラボは公式発表のイベント以外で当日の盛り上がりが決まるように感じた。
それは来てもらったウマ娘ファンに楽しんでもらいたい、いい思い出を作ってもらいたいという事業局、関係者の強い思いがそうさせて、今までの金沢競馬のイベントでは考えられないような事が行えたからと言えそう。
ノウハウがほぼない中で手探り感、手作り感が強かった今回の金沢コラボ。
もしも再びとなった時にはこの経験を生かしてさらに大いに盛り上げてほしい。
そして、佐賀でも来場する人、迎える人みんなで盛り上がるコラボイベントとなってほしい。