現在、JRAの東日本における主場には、東京都・府中市にある「東京競馬場」、そして千葉県・船橋市にある「中山競馬場」の2つがあります。

今回はその1つ、「中山競馬場」の魅力について、大きく3つの項目に分けながら紹介してきたいと思います。

1つ目は『場内の距離感』です。

直線コースの短さでも知られる中山競馬場は、パドック、スタンド、また飲食ブースなど、場内の施設どうしが目と鼻の先にあり、自分の好みに応じて動き回ることができます。

例えば、

①パドックで馬の写真を撮る
②スタンドで返し馬を見る
③フードコートで軽食を買ってレースの予想をする

といった動きをしたいときに、迷わず、素早く移動することができるのです。

その他にも、地下フロアにはタフィーショップ(グッズショップ)や各種飲食店などがまとまっていたり、最寄りである船橋法典駅からの道すがら内馬場に出ることができたりと、場内を余すことなく堪能できるのが、中山競馬場の魅力と言えるのではないでしょうか。

2つ目は、『馬との距離感』です。

コースの手前に控える「グランプリロード」や、取り囲むスタンドが比較的小さいパドックに代表されるように、競走馬がレースに向かっていく姿を、すぐ近くで見ることができます。

レース後も同様で、「グランプリロード」に引き上げてきた馬や騎手の姿を目と鼻の先で見ることができ、競走を終えた馬たちの息遣いをつぶさにとらえられます。

運が良ければ、レース後の騎手や調教師の先生と、ちょっとしたコンタクトをとることができるかもしれません。

そして、私が最もオススメしたい3つ目の魅力は、『独特のコースレイアウト』です。

中山競馬場には、阪神や京都、そして新潟と同様に内回り・外回りコースがそれぞれ用意されていますが、他場とは違い2コーナーから大きく外に膨れる形状をしています。

芝のマイル戦や1200m戦では、その外回りコースを使用するため、スタートから一味違った攻防を楽しむことができます。

そして、この膨らんだ外回りコースがある理由の1つであり、中山競馬場最大の魅力と言っていいのが、「障害コース」です。

現在、日本で行われている2つのJ-GⅠ競争(中山グランドジャンプ、中山大障害)は、ともに中山競馬場で開催され、平地GⅠに負けず劣らずの盛り上がりを見せます。

筆者は2018年中山大障害、2019年中山グランドジャンプと見てきました。

2018年の暮れには新王者をめぐるニホンピロバロンとタイセイドリームの叩き合い、春には絶対王者・オジュウチョウサンの復活と、大変ドラマチックなレースを楽しむことができました。

その2019年の9月22日には、障害騎手がコースを回りながら解説してくれる「障害コースツアー」が行われ、中山にしかない“下って上る”バンケットコースも堪能。

4キロ以上を走り抜けながら、多くの障害をこなす馬たちのすごさを体感してきました。

平地・障害ともに、個性豊かな各競馬場の中でも屈指の特色を持っている中山競馬場。

直線では急坂から徐々に顔を出してくる馬達を見るのも楽しみの1つで、行われるレースすべてにおいて、様々な『色』が楽しめるコースになっています。

その他にも、最寄り駅・船橋法典から続く連絡通路には、歴代の皐月賞・有馬記念の優勝馬が写真とともに並んでいて中山競馬場とともに歩んできたGⅠレースの歴史を味わうことができたり、内馬場からは障害コースのスタート地点を間近でみられたりと、中山競馬場にはまだまだ魅力がたくさんあります。

余談になりますが、競馬を終えた後、徒歩10分とかからずに行くことができる「法典の湯」という温泉施設もオススメです。

一勝負終えた後に味わう天然温泉は、楽しい記憶を心に焼き付け、苦い記憶を洗い流してくれることでしょう。

このように、競馬歴1年と少しの私ですが、幸いなことに中山競馬場にある多くの魅力を知ることができています。

みなさんも、レースに熱くなることはもちろん、その競馬場が見せる様々な側面に注目しみてはいかがでしょうか。

写真:ウマフリ写真班

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