[日本の名馬・名勝負]ディープインパクトをめぐる『マル秘エピソード』とは?

日本競馬史上に残る名馬たちの蹄跡をDVDとマガジンで完全収録した『《DVD付きマガジン》隔週刊 日本の名馬・名勝負』が2024年9月10日(火曜)に創刊となった。

  • JRAの公式素材による、ファンファーレからゴールとその後のクールダウンも収録
  • ストーリーモードと、レースモードの2種類の楽しみ方ができる!
  • 出馬表、レース結果、全着順、ラップetc.臨場感溢れる映像で当時の様子を伝える!
  • ライフストーリー、血統、血脈など名馬をより深く知ることができる充実のマガジンコンテンツ!

といった数々の魅力あふれる内容となっている。

創刊号となる今回は、伝説の三冠馬ディープインパクトがテーマに。
マガジンコンテンツの「ディープインパクト マル秘エピソード」から内容を抜粋して紹介していく。

ディープインパクトの特異な蹄

ダービーで当時の最新技術である接着蹄鉄を試す!

武豊騎手が「飛ぶ」と表現したディープインパクトの走法。ストライドを伸ばし切るその走りは完歩が大きいため、脚元への負担も大きかった。

しかも、ディープインパクトは蹄に弱点を抱えていた。

のちにディープインパクトの装蹄を担当していた西内荘がその過程を1冊の本にまとめたほどだ。他の馬よりも蹄が小さくて、釘を打つ部分が(蹄が)薄かった。通常、蹄鉄を取り付ける際は釘で打ち付けるが、蹄が薄いディープインパクトは釘を打って蹄鉄を装着することができなかったのだ。

蹄が伸びるには時間がかかる。それは大レースを前に問題化した。西内は著書で「地面をつかむ力がすごく強いから、その分だけ釘に負担がかかります。おまけに蹄が薄いから弱い。だから釘を打つ場所がなくなってきた。そこがディープインパクトの弱点だった」と語っている。

そこでディープインパクトには釘を打たずに、接着剤のようなもの(エクイロックス)で蹄鉄を装着することにした。

今となっては珍しくなくなった接着装蹄だが、第1号はディープインパクトだったのだ。しかも、その接着装蹄が初めて行われたレースは何とダービー。プレッシャーもかかり敗戦が許されない中での新技術投入である。落鉄(レース中に蹄鉄が落ちてしまうこと)はしばし敗因のひとつにされることも少なくない。

競走馬にとって蹄鉄は人間の靴に近いもの。当然、落鉄ともなると走りに影響を与えるとされる。そのような中で、少なくとも大レースで用いられることのなかった接着装蹄を、ディープインパクトで試したというのは驚きと言えるだろう。

武豊騎手以外にもディープに乗った騎手がいた!?

放牧先で密かにディープに騎乗していたミルコ・デムーロ

ディープインパクトはデビューから引退レースまで武豊騎手が乗り続けた。

あれだけのコンビだから当たり前と思うファンも少なくないだろうが、1頭の馬にひとりの騎手が最後まで乗り続けて引退させるのは意外と困難な場合もある。騎手の怪我だったり、騎乗停止だったり、オーナーからの要望で乗り替わりなど、様々なことが起こるからだ。

ディープインパクトと同じ三冠馬でもあったオルフェーヴル。デビューから池添謙一騎手が三冠すべてのレースで手綱を取り、明け4歳(2012年)になってからも手綱を取っていたが、フランスでのフォワ賞、凱旋門賞ではその背中にいたのはC.スミヨン騎手だった。翌年に再度、フォワ賞と凱旋門賞にチャレンジした際もスミヨン騎手に。2年連続で凱旋門賞は2着に終わるが、その際、日本のファンからは「池添騎手なら勝てた」という声がしきり。

今となっては珍しくもなくなったが、昔は乗り替わりや転厩するというだけで大ニュースになることもあった。

そのような中、ディープインパクトの死後、衝撃的な告白をしたのがミルコ・デムーロ騎手である。武豊騎手、和田竜二騎手、デムーロ騎手が大井競馬場のトークイベントに登場。その際に、「ボク、ディープインパクトに騎乗したことがありますよ」と告白したのだ。ディープインパクトの現役時代、デムーロ騎手はJRA所属ではなかった。調教にも乗る機会はなかったはずだが、「ノーザンFで放牧されていたときに、こっそり乗ったんです」と話し、場内の爆笑をさらっていた。

一流ジョッキーとしては、この稀代の名馬の感触を、どうしても確かめずにはいられなかったのだろう。


日本競馬史上に残る名馬たちの蹄跡を DVDとマガジンで完全収録
書籍名《DVD付きマガジン》隔週刊 日本の名馬・名勝負
創刊日2024年9月10日
価格創刊号 特別価格 490円(2号以降は通常価格1899円)
発行間隔隔週刊
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