![[一口馬主]一口馬主歴10年以上の私が重視したいもの](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2025/05/IMG_6393.jpeg)
「一口馬主」において、一口ファンであればそれぞれに目的というか、大切にしたい──重視したいものがあると思う。出走数、回収率、大舞台での活躍…。重視するポイントはそれぞれのファンの皆様の中にあり、「一口馬主」のクラブによっても強み弱みがある。HPや案内を見てもそれぞれの特色が見てとれる。好きな血統がいるクラブや好きな条件にあった使い方をするクラブなど、悩みに悩んで決断を下す。
そもそも、私が一口馬主を始めるキッカケになったのは「大好きなハーツクライの仔を持ちたい! ハーツクライの産駒を"うちの仔"と言いたい」という発想からだった。そして約10年前に「一口馬主」デビューすると、今に至るまで10年以上、シルクホースクラブ(以下シルク)にお世話になっている。
2013年に2歳になる世代が、私の「一口馬主」デビューだ。まずはハーツクライ産駒であるグランドサッシュに出資。そしてもう1頭、ハーツクライ産駒ではなくゴールドアリュール産駒のメリーウィドウという牝馬を選んだ。決めたポイントは、私のこだわりである「馬主感」と「代替手段」という2点を満たしていること、そして動画の動きが気に入ったことによる。この「馬主感」と「代替手段」という2点についてはもっと説明が必要だろう。
まず「馬主感」というポイント。私にとって、「馬主」であることではなく「馬主感」が大事なのだ。たくさん馬がいる必要も、強い馬がいる必要も無いのである。私にとって、馬の回収率やコストパフォーマンスなどは大事なポイントではない。ケガをしないで少し話題になるような、そんな馬がいる事が何よりも大事でである。そのため牡馬クラシックに直結するかについても重要なポイントではないのだ。
2つ目に大切にしている「代替手段」というポイント。私が「一口馬主」を10年以上続けられている部分と関わってくるのだが、私の中で「一口馬主」は一種の「馬券の代替手段」といええる。多額の投資で「多い頭数」や「大きいタイトル」を狙うつもりはないし、今後もないだろう。競馬は好きだけれど馬券ではない方法で関わりたいなと思い「じゃあ馬主やろうかな?」という結論に至ったのだ。つまり、身の居丈にあった範囲──1年間馬券で負けても大丈夫なレベル──でのチャレンジとなる。
ここまで、「一口馬主」を続けていくなかで、私が当初から大切にしている事などを話させてもらった。
加えて、10年以上「一口馬主」をやっているなかで、当初の「馬主感」や「代替手段」だけではなく芽生えた気持ちがある。「親子にわたって応援したい」という感情である。
私が「一口馬主」デビューを決めてシルクに加入し、デビュー初年度に出資し、何度も頑張りを見せてくれたたメリーウィドウ(グランドサッシュもとても頑張ってくれた)が繁殖牝馬になると知った。その時の私は即座に「初仔がシルクに来たら、お父さんがどの馬だろうと持ちたい」と思ったのだ。
初仔となった父ダノンレジェンドの牝馬は人気が集まり抽選となったが、幸運にも抽選を突破。母から続けて出資できたその馬は、ジュディッタと名付けられた。親子2代にわたって応援できただけでなく、ジュディッタは母のメリーウィドウが果たせなかったOP入りも果たしてくれた。今度はその仔でOPや重賞を…と思っている。もちろんその際も、父がどの馬であれ出資して、メリーウィドウから続く夢に関わりたいなと思う。これは「一口馬主」ならではの楽しみ方の1つではないだろうか。
今回は縁があって「一口馬主」を始めると決めた話。その時から大切にしていること、また、やってから芽生えたことなど、長い期間の話にお付き合いいただいたが「こういった付き合い方もあるのか」と思っていただければ幸いだ。たくさんのクラブがあるが、どこのクラブが正解とか、どういう持ち方が正解というものはない。強い馬を持てれば偉い、ということすらない。クラブもたくさんあるように、それぞれに楽しみ方や距離感があるのだ。
私は私の大切にしたいことを胸に、出資馬の無事と活躍を今日も明日も祈っていようと思う。
写真:s1nihs