現役時の実績が評価されたジャスタウェイは、日本国内の名種牡馬が集う社台スタリオンステーションで種牡馬生活をスタートします。初年度の価格設定は350万円に設定され、満口になるなど上々のスタートを切りました。

種付け頭数の推移は220→151→121頭と年々減少傾向にありますが、セレクトセールでの初年度産駒の売れ行きは上々で、育成場にて目立つ動きをする馬も現れ始めるなど、これからの産駒の活躍により盛り返す可能性は十分にあるでしょう。

初年度産駒は137頭が血統登録されています。

それでは、ジャスタウェイはどのような産駒を出すのでしょうか?

その父ハーツクライは、スタミナ型で厳しい流れの消耗戦に強い仔達を多く送り出しています。成長型はおおよそ晩成で、キレ味が必要になる瞬発力勝負はあまり得意ではありません。ただし、ダートもこなします。

ジャスタウェイの場合はスタミナが豊富なハーツクライの血に、スピードと早熟性のある母の血がうまくマッチした為、2歳戦からある程度の能力を発揮することができました。また、マイル戦で3勝、1800mでレコード勝ちするなど高いスピード能力を備えています。馬が完成してからは稍重や不良の馬場でも勝ち切ることが出来たので、スタミナや勝負根性も申し分ないでしょう。

血統的には5代目までにクロスがないアウトブリードで、母系は米国のマイナーな血で構成されています。そのため、基本的には父系の特徴が出てきそうに思えます。ジャスタウェイは半分が異系の血で構成されている為、濃いクロスを持った繁殖牝馬が相手でも良さそうですし、母父にWild Againを持っている事からダートでの活躍馬を狙った配合にも期待が持てます。早熟性の高い血を重ねれば、クラシックを狙える馬が出てくるかもしれません。

また、「異系の血」というのは往々にして爆発力を秘めているので、今までに走る仔を出せなかった繁殖の仔が活躍する可能性もあります。

このように、理論上は様々なタイプの産駒が出てくるはずです。


では実馬はどうなのかというと、セールに上場された産駒や一口馬主のクラブで募集されている産駒を個人的にチェックしたところ、ある程度の共通点を見つけることが出来ました。

馬体の特徴

性別や馬体重に関係なくスラッとした細身なシルエットの馬が多くみられますが、筋肉には丸みがあって柔らかさが感じられます。形は父によく似ていて、ゆったりとした長めな胴体と発達したトモが目を引きます。

ガニ股が遺伝した産駒も散見されるため、ウォーキングでは四肢の運びにバラつきがあり見栄えが良くありませんが、走らせてみるとフットワークは上々のようです。

ハーツクライもジャスタウェイも同タイプの歩様で結果を残していますし、調教技術や医療技術は日々進歩していますので、大きなウィークポイントにはならないでしょう。

能力の特徴

育成が進むにつれて、スピードやバネがあるといった評価をされる一方で「まだ幼い」「緩さがある」「馬体の成長待ち」等のコメントが見受けられます。

しかしながら、馬体が完成される時期はともかく仕上がり自体は早い産駒もいるようで、夏競馬でデビューをむかえる産駒もある程度いそうです。

また、総じて気性の良い馬が多く、うるさいところのある馬でも扱う人間の指示に良く従うので手を煩わせることは少ない……という評判を耳にします。

以上の点を踏まえると、ジャスタウェイ産駒は若駒のうちから能力の一端をみせるも、全能力を発揮できるようになるのは古馬になってからの晩成型ではないでしょうか。

適正距離はマイル~クラシックディスタンスが良さそうで、現時点では芝適性の高い馬が多そうです。

ベースはジャスタウェイそのもので、そこに母系のアクセントが追加されるといった感じでしょうか。


基本的にはあまりPOG向きでなく、長い目で見守りたい馬が多くなりそうです。

POGで狙うならば早期デビューが出来そうな産駒をチョイスすれば、上位クラスや重賞で入着して楽しませてくれるのではないでしょうか。


いずれは父を超えるような産駒の登場を楽しみに待ちましょう!

写真・ジョナ

参考/引用元「銀魂」空知英秋/集英社「ジャスタウェイな本」大和屋暁/KKベストセラーズ「優駿2014年5月号」日本中央競馬会「ジャパン・スタッドブック・インターナショナル」「JRA」「ウインレーシングクラブ」「キャロットクラブ」「サンデーサラブレッドクラブ」「社台サラブレッドクラブ」「シルク・ホースクラブ」「東京サラブレッドクラブ」「ノルマンディーオーナーズクラブ」「優駿ホースクラブ」「ユニオン・オーナーズ・クラブ」「ラフィアンターフマンクラブ」「ロードサラブレッドオーナーズ」

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