11月に入り、2020年産駒達の新馬戦も通算180戦を超えました。
今回も先週開催された新馬戦で、世代全体のうち3割前後しか勝ち上がることができない狭き門を突破した2歳馬達を紹介していきたいと思います。
2022年11月05日(土)
東京5R ダ1600 晴・良 16頭
オメガタキシード
牡馬
ハービンジャー×パーティードレス
母の父:デュランダル
所属:栗東)松永幹夫厩舎
生産:社台ファーム
鞍上:横山和生騎手
444㎏ 4番人気 8枠16番
勝ち星の約9割が芝というハービンジャー産駒から、ダートでの新馬戦勝ち馬が現れました。
大外からのスタートとなったオメガタキシードですが、好スタートを切ると鋭い二の脚を披露して、逃げたソリッドステートの後ろにポジションをとりレースを進めます。
そのまま内を回って直線に入ると、前方のソリッドステートと、早めに仕掛けていた2015年ホープフルS勝ち馬ハートレーの半弟カフジクロストリの間からスッと抜け出し先頭へ。
外から来たキープブライトンとの400m近くに及ぶ一騎打ちを制し、1分39秒6でゴールしました。
まだ子どもっぽさがあり、今回は広いコースも合っていたということで、次走のレース選択と一度レースを経験した成長分に注目です。
阪神5R 芝1400 晴・良 12頭
ダークブロンド
牝馬
ハービンジャー×モンローブロンド
母の父:アドマイヤベガ
所属:栗東)高橋亮厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:C.デムーロ騎手
422㎏ 1番人気 6枠7番
短期免許で来日中のC.デムーロ騎手が、先週に続いて今年2つ目となる新馬戦勝利を挙げました。
好スタートを切ったダークブロンド。一時は3番手辺りまで来ますが、行きたがるのをやや抑える形で5番手にポジションを下げレースに入っていきます。
最終コーナーを外から回ると、残り200m付近から阪神の急坂を上りながら力強く脚を伸ばして一気に順位を上げていき、先に抜け出していたリアライズを3/4馬身交わしたところでゴール。1番人気に応えました。
勝ち時計は1分23秒0。
高橋亮厩舎はこれが今年の新馬戦初勝利となりました。
東京6R 芝2000 晴・良 10頭
ジェイパームス
牡馬
ジャスタウェイ×キラーグレイシス
母の父:Congaree
所属:美浦)堀宣行厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:Cルメール騎手
490㎏ 1番人気 7枠7番
2021年G1ホープフルステークス勝ち馬キラーアビリティの半弟・ジェイパームスが1番人気に応えました。
好スタートを切ったジェイパームスは、勢いそのままに積極的に前へ。逃げをはかったロッカフラダンサーの隣に立ちレースに入っていきます。
道中は少し下げてロッカフラダンサーの1つ後ろを進んだジェイパームス。直線に入るとジワジワと脚を伸ばし、残り400mを切ったところで先頭に。
2着に入ったモルトヴェローチェ(2022年東京ジャンプ勝ち馬ケイティクレバーの半弟)に3馬身差をつける完勝でした。
勝ち時計は2分01秒6。鞍上ルメール騎手も距離はちょうど良さそう、まだ子どもですが綺麗な走りですと高評価。
オーナーのエムズレーシングは、これが嬉しい今年の新馬戦初勝利となりました。
阪神6R ダ1800 晴・良 9頭
キレナイカ
牡馬
ハービンジャー×ピュアーフレーム
母の父:Silver Deputy
所属:栗東)須貝尚介厩舎
生産:社台ファーム
鞍上:吉田隼人騎手
522㎏ 3番人気 8枠9番
2017年ヴィクトリアマイル勝ち馬アドマイヤリードの半弟ディンディンドンが単勝1.5倍のダントツ1番人気に推された阪神6レース。金子真人HDが今年の新馬戦初勝利を挙げたレースとなりました。
日本語ではなく、リビア東部の地名から名付けられたキレナイカは、9頭立ての1番外からスタートとなりました。
ゲートの出はそれほど早い方ではありませんでしたが、二の脚がスムーズについて3番手でレースを進めます。
前との差を少しずつ詰めながら最終コーナーを2番手で回ると、直線はヨリノサファイヤとの一騎打ちに。
一時はヨリノサファイヤのスパートに遅れたかに見えましたが最後に食らいついていき、3/4馬身前に出てゴールを迎えました。
勝ち時計は1分55秒0。
ハービンジャー産駒は、この日行われた新馬戦4走のうち3つを勝利したことになります。
うち2勝をこれまであまり勝てていなかったダートで挙げるという大活躍の1日となりました。
2022年11月06日(日)
東京4R ダ1300 晴・良 16頭
サニーサフラン
牡馬
ヘニーハウンド×サフランパートナー
母の父:アドマイヤボス
所属:美浦)中野栄治厩舎
生産:林農場
鞍上:坂井瑠星騎手
496㎏ 4番人気 2枠4番
良いスタートを切ったサニーサフランは行き脚もしっかりついて、序盤は先行集団の6番手。
馬群中ほどで最終コーナーを回ると、直線に入った時には6-7番手となります。
前との差はある程度離れていましたが、外に出されて進路を確保し、追い出されながら残り400m付近でムチが入ると一気に加速。
力強く脚を伸ばして、2着馬アンジュールに2馬身差をつける快勝でした。
勝ち時計は1分20秒7。
種牡馬ヘニーハウンドと、トロットスターらを管理し2023年2月に定年を迎える中野栄治調教師にとって、今年の新馬戦の記念すべき初勝利となりました。
阪神4R ダ1200 晴・良 12頭
ルイス
牡馬
キンシャサノキセキ×ラドゥガ
母の父:サクラバクシンオー
所属:栗東)角田晃一厩舎
生産:浜本牧場
鞍上:角田大河騎手
482㎏ 2番人気 8枠12番
ルーキー角田大河騎手が、新馬戦5勝目を挙げました。
大外から、やや外へ行きながらも悪くないスタートを切ったルイスは、行き脚がしっかりついてスムーズに前へ。
先頭でレースを進めます。
楽な手応えで直線に入ると、そのまま先頭を譲ることはなく、2着エーテルノカゼに3馬身半の差をつけて逃げ切り勝ちとなりました。
勝ち時計は1分14秒2。
ゲートは本来もっと早いくらいで、1000mでも通用するスピードもありそう、と角田晃一調教師も短距離路線での活躍に期待を寄せている様子。
そんな期待馬が、オーナーの古賀禎彦氏にとって今年最初の新馬戦勝利とをあげました。
6番ザゴートは馬場入場後に右前肢跛行を発症し競走除外。
軽症であることを願っております。
福島5R 芝1200 晴・良 16頭
トラベログ
牝馬
グレーターロンドン×フィリス
母の父:アフリート
所属:美浦)岩戸孝樹厩舎
生産:下河辺牧場
鞍上:丸山元気騎手
472㎏ 1番人気 7枠13番
好スタートを切ったトラベログは、そのままの勢いで前へ。逃げたユカリプレリュードの後ろにつけてレースを進めます。
終始左に張って進んで行きにくかったというコーナーを回り直線に入ると残り200m付近で気合いを入れられこれにしっかりと反応。
ユカリプレリュードを差しきり1番人気に応えました。
勝ち時計は1分10秒5。
丸山元気騎手はこれが今年の新馬戦初勝利でした。
内ラチに接触して転倒したネコニナリタイは、接触転倒との関連は不明ですが鼻出血とのこと。
軽症であることを願っております。
東京5R 芝1800 晴・良 10頭
レッドロスタム
牡馬
ロードカナロア×レッドメデューサ
母の父:Mr.Greeley
所属:美浦)国枝栄厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:C.ルメール騎手
506㎏ 1番人気 7枠7番
東京ホースレーシングから今年2頭目の新馬戦勝ち馬誕生です。
好スタートを切ったレッドロスタムは、序盤からスピードを活かして積極的に前へ。
逃げの体勢に入ります。
マイペースでレースを進めて最終コーナーを回り、直線に入った時には後続との差はそれほどありませんでしたが、ここからジワジワと脚を伸ばしいき、上り最速の33.6。
勝ち時計1分48秒9で1番人気に応えました。
鞍上ルメール騎手も、伸びしろを高く評価。
ゆくゆくはマイル辺りを主戦場に考えているとのことで、これから更なる成長と活躍が楽しみな1頭です。
阪神5R 芝2000 晴・良 13頭
ノーブルクライ
牡馬
ハーツクライ×ノーブルジュエリー
母の父:Smarty Jones
所属:栗東)友道康夫厩舎
生産:社台ファーム
鞍上:福永祐一騎手
484㎏ 2番人気 1枠1番
2015年京成杯勝ち馬ベルーフの半弟ポルトドールに、重賞2勝馬ジェネラーレウーノの半妹センチュリヒロインらが登場したメイクデビュー。
このレースは2021年セレクトセールで6600万で取り引きされましたハーツクライ産駒の牡馬が制しました。
最内からスタートとなりましたノーブルクライ。
練習段階ではゲートはそれほど早くなかったようですがまずまずのスタートを切り、二の脚もスムーズについて4番手辺りにポジションをとります。
ラチ沿い最短距離を回ってきたノーブルクライは、直線に入ると満を持して1頭分外に持ち出され進路を確保。
ここから上がり最速34.8の末脚を披露して、2着に逃げ粘ったセンチュリヒロインに4馬身差をつける快勝となりました。
勝ち時計は2分02秒5。
この後は未定とのことですが、次走の走りにも期待が高まる勝ちっぷりでした。
東京6R 芝1400 晴・良 17頭
ブルーイングリーン
牝馬
アメリカンペイトリオット×ヒメベニサクラ
母の父:ディープブリランテ
所属:美浦)小手川準厩舎
生産:大狩部牧場
鞍上:山田敬士騎手
476㎏ 15番人気 5枠10番
単勝161.1倍、15番人気からの快勝が飛び出しました。
好スタートを切ったブルーイングリーンは勢いそのままに前へ出ていき、同じく好スタートを切っていたナムラレオとオスカーメロディの後ろにつく形で折り合い、レースを進めます。
内をロスなく回って直線に入ると、残り400m付近から鋭く加速。
ナムラレオとラチ沿いの狭いところを力強く伸びて先頭に立ち、最後は追い込んできた1番人気カフェブルームをアタマ差で抑えて勝ち上がりを決めました。
勝ち時計は1分22秒9。
上村洋司オーナー、小手川厩舎、生産の大狩部牧場、そして鞍上の山田敬士騎手にとって、これが嬉しい今年の新馬戦初勝利となりました。
阪神6R 芝1600 晴・良 17頭
バースクライ
牝馬
ハーツクライ×ティップトップ
母の父:Dubawi
所属:栗東)千田輝彦厩舎
生産:ダーレー・ジャパン・ファーム
鞍上:福永祐一騎手
478㎏ 1番人気 5枠10番
重賞勝ちこそなかったものの、リステッド2勝を含む6勝を挙げているドナウデルタの半妹ドナウパールが3番人気、川田騎手騎乗のドゥラメンテ産駒カフェノワールが2番人気に推されたこの週最後の新馬戦。
勝利を挙げたのはダーレージャパンファーム生産のハーツクライ産駒、バースクライでした。
好スタートを切ったバースクライは、馬群の中で頭を上げたり振ったりという素振りを見せながらも徐々に落ち着き、6-7番手辺りでレースを進めます。
外を回して直線を迎えるとそこから上がり33.1の末脚を見せて一気に順位を上げていき、先に抜け出していたサウンドレイラを抜いて、追い込んできたベルシャンブルを3/4馬身抑えて1番人気に応えました。
勝ち時計は1分35秒8。
これが今年の新馬戦丁度10勝目となった福永騎手も、難しいところもあるがクラスが上がっても楽しみな馬、と高評価で、未定とのことですが次走にも注目の1頭になりそうです。
以上、今週のメイクデビュー勝ち馬11頭を見ていきました。
この仔達がこれからどのような成長を見せてくれるのか、今週末の新馬戦ではどんな仔達がデビューしてくるのか、週末を楽しみに待ちたいと思います。
写真:かぼす