2020年の皐月賞、日本ダービーはコントレイル父ディープインパクト以来無敗の二冠を達成。桜花賞、オークスでは、デアリングタクトが63年ぶり無敗の牝馬二冠を達成しました。

そんな余韻に浸るのも束の間、今週から2021年の日本ダービー・オークスに向けて新たなる戦いが始まります。
昨年は、朝日杯FSを制したサリオス、オークス4着のリアアメリアといった年間を通じた活躍をした馬たちが、この新馬戦開幕週に始動しました。近年では2歳戦のレースが充実し、早い時期に賞金を稼ぐことが春の3歳G1出走につながります。

そこで、ペーパーオーナーゲーム(POG)で指名する際の情報として、今週行われるメイクデビュー新馬戦で注目を集めている馬を紹介して参ります。

ブエナベントゥーラ(牡2 父モーリス 母ブエナビスタ 美浦・堀厩舎)

今年デビューする新種牡馬で注目されている種牡馬と言えば、2016年の天皇賞・秋などを制したモーリスが挙げられます。ノーザンファームなど、それぞれの大牧場が誇る良血繁殖牝馬がモーリスと種付けをしている事からも、その期待の高さが伺えます。

そして、2011年のジャパンカップなどG1レースを6勝挙げた名牝・ブエナビスタを母に持つブエナベントゥーラが、いきなり土曜日の第5R・芝1600mに登場します。一口クラブのサンデーレーシングが、総額1億円(一口250万円)で募集した馬です。

ブエナビスタはこれまで3頭の馬(全て父がキングカメハメハの牝馬)をデビューさせましたが、POGのシーズンではそれぞれ1勝と、母の成績に比べると少し物足りない結果に。そこで父キングカメハメハ×母の父スペシャルウィークで調べてみると、牡馬ではリオンディーズという大物を出す一方で、牝馬ではなかなか大物を出せていない組み合わせであることがわかります。

父がモーリスに替わり、所属は堀厩舎にとなりました。モーリスを開花させた堀調教師がブエナベントゥーラをどう育てていくのか?
楽しみな1頭です。

ショベルヘッド(牡2 父Curlin 母Date to Remember 美浦・藤沢和厩舎)

2019年にアメリカで行われた「キーンランドセプテンバーイヤリングセール」で、長谷川祐司氏が70万ドルで落札したショベルヘッド。
ブエナベントゥーラにとって最初のライバルとなるのは、この馬かもしれません。

父のCurlinは2008年のドバイワールドカップなど、ダートG1レースで7勝をあげた馬です。
種牡馬としても、昨年のブリーダーズカップ・クラシック(ダート約2000m)を制したVino Rossoなど活躍馬を輩出しています。半兄のNational Flag(父はSpeightstown)は米国G3レースのベイショアステークス(ダート約1400m)を4馬身差で勝ちました。

血統を見る限り、ダートの方が向く血統かもしれません。ただこの馬の場合、芝を得意とするサーアイヴァーのクロス(4×5)が含まれている血統のため、芝の適性が高い可能性もありそうです。

ドナウエレン(牝2 父モーリス 母ドナウブルー 栗東・高野厩舎)

土曜の阪神5R・芝1600m戦からは、ドナウエレンをピックアップしたいと思います。一口馬主のサンデーレーシングが総額5000万円(一口125万円)で募集した馬です。

母であるドナウブルーは競走馬時代、関屋記念・京都牝馬ステークスを制し、G1のヴィクトリアマイルでも2着に食い込んだ活躍馬です。
子供はダートで4勝挙げたイシュトヴァーン(父はルーラーシップ)や、芝で4勝挙げているドナウデルタ(父はロードカナロア)がいます。
全妹のジェンティルドンナは牝馬三冠レースを制し、ジャパンカップや有馬記念などG1レースで大活躍した名牝です。

モーリスの血統にはグラスワンダー・カーネギー・モガミといった、どちらかと言えば底力を発揮するタイプの血が入っております。そこに、ドナウブルーの父であるディープインパクトの血が加わることで、瞬発力・スピードと底力が揃った馬が出てくるのではないでしょうか。
POG関連本でも前評判が高い、良血馬ドナウエレンの初戦はどのような走りになるでしょうか。

サトノレイナス(牝2 父ディープインパクト 母バラダセール 美浦・国枝厩舎)

日曜の東京5R・芝1600mの牝馬限定戦からは、こちらも超良血馬であるサトノレイナスをピックアップ。2018年のセレクトセール当歳馬部門において(株)サトミホースカンパニーが1億800万円で落札した馬です。

全兄には弥生賞ディープインパクト記念を制したサトノフラッグ。母のバラダセールはアルゼンチン・フランス・UAEで活躍した名牝です。その中で、アルゼンチンのG1ポーリャ・デ・ポトランカス大賞(日本でいう桜花賞 ダート1600m)、セレクシオン大賞(日本でいうオークス ダート2000m)といった大レースも制しました。

父ディープインパクト、母の父Not For Saleの配合では、サトノフラッグの他にダノンファンタジー(阪神JF)をはじめ、4頭中3頭が勝ち上がっています(大井競馬を含む)。
Not For Saleの父親を辿ると、グレイソヴリンという種牡馬にたどり着きます。グレイソヴリンの血はトニービンやハーツクライなど今日の日本競馬において重要視されている血統ですから、こうした成績の良さも頷けます。

リュラネブラ(牡2 父ロードカナロア 母リュラ 美浦・国枝厩舎)

日曜の東京6R・芝1400m戦からは、ロードカナロア産駒リュラネブラを取り上げます。一口馬主のシルクレーシングが総額5000万円(一口10万円)で募集した馬です。

叔母に桜花賞馬ハープスターを持つリュラネブラ。母方の曾祖母であるベガは、桜花賞・オークスを制し、繁殖牝馬としても日本ダービー馬アドマイヤベガや朝日杯FSを制したアドマイヤドンを送り出しています。

父がロードカナロアで母方の血にファルブラヴを持つ馬は、マイルチャンピオンシップやスプリングステークスを制したステルヴィオがいます。ロードカナロアが父親なので、短距離の活躍がイメージされるかもしれませんが、母のリュラの父はステイゴールド。
3歳であれば、芝2000mといった中距離でも十分な活躍が見込めます。

マイネルジェロディ(牡2 父スクリーンヒーロー 母マイネエレーナ 栗東・西園厩舎)

2歳戦と言えばマイネル軍団、という人も多いかもしれません。
日曜の阪神5R・芝1400mに登場するマイネルジェロディは、半兄に一昨年のシンザン記念2着のマイネルフラップ(父はヴィクトワールピサ)がいます。

母のマイネエレーナはJRAでは3勝をあげたのち、地方へ転厩後も5勝をあげています。その中には浦和の重賞・埼玉新聞栄冠賞(ダート1900m)が含まれています。

全兄のマイネルヘルトはデビュー戦を制していますし、マイネルフラップも2戦目で勝ち上がると、千両賞を制してシンザン記念でも2着。
POGの期間でコンスタントに賞金を稼いでいる血統ですから、マイネルジェロディはPOGにおいても楽しみな1頭です。

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