今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(7/10,11)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計4頭の新馬を紹介します。

土曜福島5R ファディッシュ

藤田菜七子騎手を背にデビューするファディッシュ。この馬の祖父は「走る探究者」アグネスタキオンです。

ファディッシュの父グランデッツァはデビュー前から「アグネスタキオンの最高傑作」と呼ばれるほど評判の高い馬でした。現役中は故障もありG1を勝つことは出来ませんでしたが、重賞を3勝。先週の小倉で行われた未勝利戦で勝利したエスコーラが破るまで芝1800mの日本レコードを保持していました。

アグネスタキオンを父祖とする直系血族は、優秀な種牡馬成績を誇っていたアドマイヤオーラの早逝もあって先が見えない状況になっています。ファディッシュは牝馬なので父祖直系を繋ぐことは出来ませんが、ここで改めてアグネスタキオンの血をアピールしてほしいところです。

また、ファディッシュに関しては母系の血も見逃せないところです。母ソーシャライツの父は2001年のダービー馬ジャングルポケット、またソーシャライツの母マンハッタンセレブはウマ娘にも登場する2001年の菊花賞馬マンハッタンカフェの妹にあたる血統。つまり、2001年の皐月賞馬アグネスタキオンの血と合わせて「2001年牡馬クラシックホース全ての血と関連がある馬」と言う事になります。

2001年のクラシック世代はこの3頭以外にもソダシの父、クロノジェネシスの母父として知られるクロフネ、2002年の宝塚記念を制したダンツフレームなどかなりのハイレベル世代として知られています。

個人的には最も思い入れの強いクラシック世代であり、「史上最強世代」と思っている世代なので是非とも活躍してほしい1頭です。

日曜小倉6R ジュース 

その外連味のない(?)名前も気になるジュース。母のアルピナブルーは父がフジキセキ、母の母がヒシアマゾン、ウマ娘の世界における「美浦寮」「栗東寮」の寮長両方の血を引いています。

フジキセキは稀代の名種牡馬サンデーサイレンスの初年度産駒。ウマ娘では「ボーイッシュな魅力あふれるイケメンエンターテイナー」として描かれていますが、現実のフジキセキはある意味ではそれに近しい「天才少年」と言う言葉がしっくりくる馬でした。

新潟の新馬戦を8馬身差で圧勝すると、続くもみじSでは後のダービー馬タヤスツヨシを完封する形でレコード勝ち。ちなみにそれ以前の阪神3歳(現年齢表記で2歳)芝1600mのレコードホルダーはヒシアマゾンでした。無敗で迎えた朝日杯3歳Sはもう1頭の人気馬スキーキャプテンの追撃を振り切って優勝。年明け初戦の弥生賞も残り200mでホッカイルソーに迫られながら、そこからもうひと伸びして突き放す強い勝ち方で4連勝を決めました。このレースぶりを見て多くの人は「今年のクラシックはこの馬で決まり」と思ったでしょう。

しかし、好事魔多し。クラシックを前にしてフジキセキは競走馬にとって不治の病と言われる屈腱炎を発症。たった4戦しかすることなく引退を余儀なくされました。

種牡馬としてはその無念を晴らすように、交流ダートG1を7勝したカネヒキリ、ヴィクトリアマイルを連覇したストレイトガール、父の果たせなかったクラシック競走制覇を成し遂げたイスラボニータなど多くの活躍馬を輩出しました。

ヒシアマゾンは現役時代、その強さから「女傑」と称された名牝。デビューから12戦連続2着以内、クイーンCからエリザベス女王杯まで重賞6連勝を記録するなどコンスタントに力を発揮していました。

1994年末の有馬記念ではその年の三冠馬ナリタブライアンを相手に4角で大外を捲って真っ向勝負を挑む競馬。結果、ナリタブライアンには3馬身の差をつけられたものの、牝馬としては1978年のインターグロリア以来16年ぶりの2着に入り、その心身両面の強さを印象付けました。

当時はまだ古馬の牝馬路線が今ほど充実していなかったため、古馬になってG1を獲ることは出来ませんでしたが、1995年のジャパンカップで2着に入るなど常にトップクラスの古馬の男馬相手に戦い抜きました。その姿はウマ娘で描かれるような「熱血漢」「姉御肌」と言うイメージがしっくりくるものと言えるでしょう。

そんな2頭の血を引くジュースにも多くの人を惹きつける馬になってほしいですね。

日曜函館5R アスクワイルドモア/ウインイノセンス

日曜の函館5Rでデビューする上記2頭はいずれもゼンノロブロイの血を引いています。

ウインイノセンスの父ペルーサは以前ユニコーンSでラペルーズを紹介した時にも取り上げた馬で、類まれな才能を持ちながら「出遅れ癖」と言う致命的な弱点があったために結局G1を勝てなかった馬です。そして、アスクワイルドモアの母ラセレシオンはそのペルーサの妹にあたります。

つまり、(競馬的にはあまりそういう言い方はしませんが)デビュー戦からいとこ同士が対決する構図です。ゼンノロブロイ推しの方はどちらを応援するか悩ましいところですね。

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