今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(11/27,11/28)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計2頭の新馬を紹介します。

土曜東京5R アイファーグローブ

土曜の東京芝のマイル戦でデビューするアイファーグローブ。曽祖父は1998年のジャパンカップ勝ち馬エルコンドルパサーです。

1998年のジャパンカップは3頭の日本馬に注目が集まっていました。

1番人気はその年の日本ダービー馬スペシャルウィーク。菊花賞はセイウンスカイに逃げ切りを許したものの東京芝2400mは5馬身ちぎって優勝した日本ダービーと同じ舞台。コース適性の高さはこの馬の強みでした。一方で主戦の武豊騎手が騎乗停止中だったために岡部幸雄騎手に乗り替わっていたことは不安要素のひとつだったと言えるでしょう。

2番人気は前年の年度代表馬エアグルーヴ。前年のジャパンカップでも2着に来ており経験では抜きんでた存在でした。しかし、年が明けてからG1では3着どまりの競馬が続いており、前年に比べると勢いに陰りが見え始めていました。

3番人気はエルコンドルパサー。無敗でNHKマイルカップを制し、前走の毎日王冠でも当時中距離で無類の強さを誇っていたサイレンススズカに2馬身半差まで迫る2着。能力の高さは疑いようがありませんでした。しかし、それまでは1800mの距離までしか出走経験がなく、2400mの距離を不安視する声は決して少なくありませんでした。

3頭の有力馬、それぞれに不安要素がある中、1998年のジャパンカップのゲートは開きました。

レースの序盤から中盤にかけては3頭ともが好位につける競馬。

4コーナー出口、一番最初に動いたのはエルコンドルパサー。逃げていたサイレントハンターを捕らえると抜群の手応えで先頭に立ち、それを内からエアグルーヴ、外からスペシャルウィークが差しきろうと虎視眈々と狙っていました。後ろから迫る既に東京2400mでG1を勝っていた2頭に対し、初の2400mだったエルコンドルパサーがどこまで耐えられるか。そんな展開になると多くの人が思ったのではないでしょうか。

しかし、残り200mを切ってから、差は詰まるどころか、エルコンドルパサーがさらに引き離していきます。終わってみればエルコンドルパサーが2馬身半の差をつけて快勝。ジャパンカップ史上初めて「日本馬が3着以内を独占」と言う結果で上位3頭、特にエルコンドルパサーの強さが際立った競馬になりました。

このレースは筆者にとっても印象深いレースでした。当時中学生だった筆者は「強い勝ち方」と言えば大きな差をつけて勝つか、とても届かないような位置からの差し切り、あるいはサイレンススズカのような大逃げからそのまま逃げ切ってしまうような「派手な勝ち方」と言うイメージを持っていました。

しかし、このレースで「好位抜け出しから後続を寄せ付けずに完勝する」と言う競馬がいかに「強い」レースぶりかと言う事をはじめて感じ取りました。そのインパクトが強かったのか、いまだに筆者は「ジャパンカップ史上最も強い勝ち方をした馬」と問われると即座に「エルコンドルパサー」と答えます。

そんなエルコンドルパサーですが、7歳と言う若さで早逝してしまった為、産駒は3世代しか残せていません。その残された数少ない産駒からソングオブウインド、アイファーソングと紡がれていき、27日土曜日アイファーグローブがデビューします。

父のアイファーソングは重賞勝ちがなく種牡馬として華々しい看板があるわけではありません。エルコンドルパサーの血を繋ぐためにアイファーグローブの活躍に期待したいところです。

土曜阪神5R レオンバローズ

阪神の芝マイル戦でデビューするレオンバローズ。母の父は2004年のジャパンカップ勝ち馬ゼンノロブロイです。

ゼンノロブロイは4歳の秋シーズンまでは何とももどかしい馬でした。実力があることは誰もが認めるところなのに勝ち切れないレースが多く、G1のタイトルを手にすることは出来ていませんでした。

そんなゼンノロブロイに一つの転機が訪れます。その転機とは短期免許で来日していたオリビエ・ペリエ騎手が秋の天皇賞から騎乗したことです。

オリビエ・ペリエ騎手はそれまで好位からの競馬で今一歩勝ち切れなかった末脚をギリギリまで温存するためいつもより後方にポジションを取ると、直線馬群の真ん中を力強く伸び、前を行くアドマイヤグルーヴ、ダンスインザムードの牝馬2頭を差し切り初のG1制覇を成し遂げます。それまでの勝負強さが嘘のような「強さ」を感じさせるレースにこの馬の本格化を感じ取った方も多いのではないでしょうか。

続くジャパンカップでも覚醒したゼンノロブロイを止めることは誰にもできませんでした。天皇賞と同じように中団からレースを進めると、天皇賞のリプレイを見るような馬場の真ん中を力強く伸びる末脚で後続に3馬身差をつける余裕の勝利。現役最強馬の座を確固たるものとしました。

続く有馬記念も「天皇賞とジャパンカップで好走した馬は、力を2レースで出し切っているので余力がなく有馬記念では来ない」と言うジンクスをものともせず、今度は2番手から逃げるタップダンスシチーを捕らえ勝利。テイエムオペラオー以来2頭目の、天皇賞秋・ジャパンカップ・有馬記念の「古馬秋三冠」を達成しました。これ以降「秋古馬三冠」を達成した馬はおらずこの記録がいかに偉大な記録か分かると思います。

ゼンノロブロイのような力強い末脚をレオンバローズにも発揮してほしいところです。

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