[チャンピオンズカップ]今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜日曜重賞編〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週はチャンピオンズカップの出走馬から紹介します。

オーヴェルニュ

1月にチャンピオンズカップと同じ中京ダート1800mと言う舞台で重賞を勝っているオーヴェルニュ。父は地方交流G1を計6勝しているスマートファルコンです。

中央と地方を合わせて合計23勝、そのうち重賞を19勝もしているスマートファルコンですが、実はJRAのダートG1・フェブラリーSとチャンピオンズカップには勝利はおろか出走すらしていません。これはJRAの所属馬としてはかなり珍しいケースと言えるでしょう。

JRAのダートG1はフェブラリーSが2月、チャンピオンズカップが12月と開催時期が比較的近く、またそのシーズンにはJBC3競走や東京大賞典、川崎記念と言った地方競馬のビッグレースもあるためローテーション的に参戦が難しかったという事情はあるのでしょう。

しかし、一競馬ファンのわがままを言わせてもらうなら、筆者の当時の環境では地方競馬をリアルタイムで見ることは難しかったので、平日に行われることが多い地方交流G1だけでなく、日曜日に行われてゆっくりと観戦することができるJRAのG1にも1回くらい目を向けてほしかったなぁと言うのが正直な気持ちです。

その分と言っては何なんですが、オーヴェルニュを筆頭としたスマートファルコンの子供たちにはJRAのダートG1で大暴れする姿を見せてほしいと思います。

アナザートゥルース

チャンピオンズカップ2年連続の出走となるアナザートゥルース。母の父は4戦4勝でクラシックを前に引退し、「幻の三冠馬」と呼ばれることもあるフジキセキです。ちなみにフジキセキは先ほど紹介したオーヴェルニュの曾祖父にもあたります。

フジキセキ自身はダートの実績はないのですが、産駒にはダートG1を7勝し、チャンピオンズカップの前身レースであるジャパンカップダートも2005年、2008年の2度制したカネヒキリがいます。

カネヒキリは”英雄”ディープインパクトと同世代でオーナーも同じ金子真人氏。3歳時からダートで無類の強さを誇ったことから”砂のディープインパクト”と呼ばれることもありました。3歳時にジャパンカップダート、翌年のフェブラリーSと連勝し、誰もがこれからのダート界を背負って立つのはこの馬だと思ったことでしょう。

しかし、ドバイ遠征、帝王賞を終えた後、「屈腱炎」と言うケガを患っていることが判明します。

屈腱炎はその名の通り、「屈腱」と言う部位が炎症を起こすケガで、発症すると患部がエビのように腫れあがることから「エビハラ」とも呼ばれています。このケガは一度発症すると完治がしにくい上、再発の可能性も高いことから競走馬にとって「不治の病」とも言われています。実際、この屈腱炎がもとで引退した馬は多く、ビワハヤヒデやアグネスタキオンがこのケガがもとで引退に追い込まれており、カネヒキリの父フジキセキもクラシックを前に引退を余儀なくされたのはこの屈腱炎が原因でした。

カネヒキリも引退を選んでもおかしくない状況でしたが、陣営は現役続行を決断します。2007年に一度復帰のプランが持ち上がるも屈腱炎を再発。その後も治療を続け、復帰戦の武蔵野Sのスターティングゲートに立ったのは、最後にレースを走った帝王賞からおよそ2年と5か月の月日が経過していました。

その武蔵野Sでは9着と敗れますが、最後の直線の進路確保に苦労するところが見られ、それでも手応えは悪くなかったことから「この内容なら次はひょっとしたら…」と淡い期待を抱かせる内容でした。

迎えたジャパンカップダート。この年より東京ダート2100mから阪神ダート1800mに条件が変更されリニューアル1発目のレース。カネヒキリが戦線離脱した後、ダートチャンピオンに昇り詰めたヴァーミリアン、新鋭3歳馬のサクセスブロッケン、カジノドライヴと言った若い力の台頭もありながら、それでもカネヒキリは4番人気に支持されました。

道中は内でじっと脚を溜めて我慢する競馬。まるでこれまでの彼の馬生を表すようなレース。4コーナー、右回りに慣れていないであろうアメリカのティンカップチャリスが外に膨れた一瞬のスキをついて前に出ると、追い込んでくるヴァーミリアン、メイショウトウコンの追撃を振り切って優勝。劇的な復活を遂げました。

普通の馬ならこの1走で燃え尽きておかしくなさそうなところですがカネヒキリの凄いところは、この1走だけでなくその後、まるでケガなどなかったかのように東京大賞典、川崎記念を連勝しダート界を牽引したところにあると思います。

不屈の名馬カネヒキリのジャパンカップダートはウマ娘から競馬にハマったファンにも是非見てほしいレースです。

クリンチャー

こちらも去年に続き2年連続のチャンピオンズカップ参戦となるクリンチャー。祖父はフジキセキと同じく「幻の三冠馬」と呼ばれることも多いアグネスタキオンです。

アグネスタキオンは種牡馬としてはダイワスカーレットやディープスカイと言った芝のG1馬を多く輩出していますが、代を経るごとにダート向きの馬が多く生まれるようになっている印象です。

例えば2018年のフェブラリーS勝ち馬ノンコノユメは母の父がアグネスタキオン、マイルチャンピオンシップ南部杯を連覇したアルクトスは父の父がアグネスタキオンです。

クリンチャーも若いころは芝を走り、菊花賞2着、京都記念1着などの実績を残し、凱旋門賞にも遠征しました。しかし、帰国後は芝では結果を残すことが出来ませんでした。

ダート路線に矛先を向けてからは、元々不良馬場の菊花賞を2着するなどスピードよりもパワーを生かす競馬をするタイプだったため水があったのか、復調の兆しを見せ重賞3勝、G1の帝王賞でも3着に入るなど再びG1に手が届くところまで昇り詰めてきました。

前走は1番人気を裏切り6着に敗れていますが、今回は騎乗した3戦全て勝利を飾っている相性の良い川田将雅騎手に鞍上が戻ります。

念願のG1制覇を成し遂げるときが来たのかもしれません。

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