函館スプリントステークスってどんなレース?

1994年に夏季競馬の短距離重賞の充実を図る目的で、3歳以上の馬による重賞競走として「札幌スプリントステークス」の名称で創設されました。1997年から札幌競馬と函館競馬の開催順が入れ替えられたことにより、施行場が函館競馬場に変更され、名称も「函館スプリントステークス」となりました。

2006年よりサマースプリントシリーズの第1戦に指定されています。その後、2012年に開催時期が6月の中旬に繰り上がりました。

サマースプリントシリーズとは?

函館スプリントステークス、CBC賞、アイビスサマーダッシュ、北九州記念、キーンランドカップ、セントウルステークスの6つの短距離戦を対象とし、出走した競走馬の成績をポイント化。最終的にポイントを多く獲得した総合優勝馬に4000万円(馬主に3200万円、厩舎関係者に800万円)の報奨金が交付されます。

ポイントの内訳としては、G2のセントウルステークスは優勝馬に12ポイント、2着馬に6ポイント、3着馬に5ポイント、4着馬に4ポイント、5着馬に3ポイント、それ以下の着順に入った馬には1ポイントが付与されます。
それ以外のレースでは優勝馬に10ポイント、2着馬に5ポイント、3着馬に4ポイント、4着馬に3ポイント、5着馬に2ポイント、それ以下の着順に入った馬には1ポイントが付与されます。

今年の主な出走馬

ダイアトニック(牡4 栗東・安田隆厩舎 58Kg 武豊騎手騎乗)

高松宮記念3着のダイアトニック。父のロードカナロアが果たせなかった函館スプリントステークス制覇に向かいます(ロードカナロアは2012年に出走するも2着)。

前走の高松宮記念はゴール手前で他馬がダイアトニックの進路を妨害し、4位入線から繰り上がっての3着。勝ったモズスーパーフレアとはハナ、アタマ差でタイム差なしという僅差のレースとなりました。不利さえなければ勝っていたと思った人も多いのではないでしょうか?
初めての芝1200m戦だった高松宮記念でしたが、そこで高いパフォーマンスを示したダイアトニック。
函館コースなので洋芝であること、そして58Kgというハンデは気になるところですが、秋のスプリンターズステークスへ向けて、ここは勝ち切りたいところでしょう。

フィアーノロマーノ(牡6 栗東・高野厩舎 57Kg 藤岡康騎手騎乗)

阪急杯では他馬に前をカットされたことが響いて3位入線、繰り上がり2着となったフィアーノロマーノ。前走のマイラーズカップは右前肢跛行で競走除外だったため、仕切り直しの一戦となります。

ポイントは初めて試す芝1200mへの適性という点ですが、血統的には距離短縮は歓迎となりそうです。父のファストネットロックはオーストラリアのG1レース・ライトニングステークス(現在のブラックキャビアライトニング・芝1000m)などオーストラリア短距離G1レースで2勝をあげました。
母の父も短距離に強いストームキャット系種牡馬のライオンハート。いきなりの好走があっても全く不思議ではありません。

ライトオンキュー(牡5 栗東・昆厩舎 56Kg 古川騎手騎乗)

昨年の京阪杯を制したライトオンキュー。
ドバイ遠征が中止となり休養に入っていたため、こちらも仕切り直しの一戦となります。

レース間隔が空いているだけに仕上がりが大きなポイントですが、2か月以上の休み明けでは4戦2勝、2着1回と好成績を残しています。函館コースは未経験ですが、同じ洋芝のみのコースである札幌競馬でオープンのUHB賞2着、キーンランドC(G3)ではダノンスマッシュと0.2秒差の4着と健闘しています。
昨年の函館スプリントステークスは禁止薬物問題で不運にも競走除外となってしまいましたから、ここで1年越しのリベンジを狙います。

マリアズハート(牝4 美浦・菊沢厩舎 54Kg 大野騎手騎乗)

短距離戦では葵ステークス以外のレースでは大崩れしていないマリアズハート。
リステッド競走の春雷ステークス2着以来の出走となります。

短距離戦で大敗した葵ステークスは勝負どころで不利があったので参考外と見て良いでしょう。
脚質を追い込みに変えて以降は3戦2勝2着1回と安定した実績を残しています。

3走前の2勝クラス・初風特別では1分07秒8、前々走の3勝クラス・南総ステークス(共に中山・芝1200m)では1分07秒7をマークして勝っていますから、時計勝負にも不安はありません。
直線が短い函館コースですから追い込み勢には厳しい条件ですが、先週から函館に参戦している大野騎手がどのポジションで競馬をするかにも注目です。

シヴァージ(牡5 栗東・野中厩舎 56Kg 藤岡佑騎手騎乗)

高松宮記念5着のシヴァージ。
それまではダートで実績を残していましたが、芝戦線に転向してから3戦目の北九州短距離ステークスを制し、高松宮記念では0.3秒差、ラスト600mのタイムが33.1秒とメンバー最速タイのタイムを披露しました。

ダートで実績を残している通り、見た目にもパワーがありそうな馬体です。このパワーなボディが函館の洋芝にはフィットするかもしれません。
課題を挙げるとすれば、芝戦線に方針転換してから追い込みの競馬を見せている点で、直線の短い函館開催、しかも2週目の馬場がどうはたらくかというところでしょう。しかし函館コースを熟知している藤岡佑介騎手が鞍上ですから、それも杞憂に終わるかもしれません。
ダート戦では先行で結果を残していた馬ですので、意外と先行する競馬を見せる可能性も捨て切れません。

その他ではシルクロードステークス2着のエイティーンガール(牝4 栗東・飯田祐厩舎 54Kg 坂井騎手騎乗)。3勝クラスの晩春ステークスを制したスイープセレリタス(牝4 美浦・藤沢和厩舎 54Kg 丸山騎手騎乗)。3勝クラスのUHB賞を制し、連闘で臨むジョーマンデリン(牝4 栗東・清水久厩舎 54Kg 岩田康騎手騎乗)が出走します。

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