ユニコーンステークスってどんなレース?
ユニコーンステークスは、1996年に創設された重賞競走です。
ダート適性馬の年間を通じた出走機会の確保を目的に、3 歳馬による初のダート重賞競走として創設されました。当初は秋の中山競馬場で1800mの定量戦として実施されてきましたが、2001年に春の東京競馬場に舞台を移し、1600mの別定重量戦で実施されるようになりました。
また、今年に限り、日本馬を対象とした『ケンタッキーダービー(G1)』出走馬選定ポイントシリーズ「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」の対象レースとなっています。
ユニコーンステークスを制した馬
G3のユニコーンステークスですが、過去5年間で勝ったノンコノユメ、ゴールドドリーム、サンライズノヴァ、ルヴァンスレーヴ、ワイドファラオは、どの馬も出世を果たし、ダートのG1・統一G1レースを制しています。
他にもタイキシャトル(1997年)、アグネスデジタル(2000年)、カネヒキリ(2005年)など後に芝やダートで活躍する馬を出した出世レースとなっています。
今年の主な出走馬
カフェファラオ(牡3 美浦・堀厩舎 56Kg レーン騎手騎乗)
デビュー戦で1.6秒(10馬身)差の圧勝を演じ、続くヒヤシンスステークスでも勝利したカフェファラオ。
ここで無傷の3連勝を達成するのか、注目のレースとなります。
父のアメリカンファラオは2015年のアメリカクラシック三冠(ケンタッキーダービー・プリークネスステークス・ベルモントステークス)を制しました。母のMary's FolliesはアメリカのG2ミセスリヴィアステークス(芝約1700m)など重賞を芝コースでの重賞を2勝あげている実績馬です。
デビュー戦で負かしたバーナードループは、先月の兵庫チャンピオンシップ(Jpn-2)を制しました。
また、2戦目のヒヤシンスステークスではスタートで出遅れ、流れが落ち着き追い込みづらい展開にもかかわらず快勝。ここを単なる通過点として、先輩たちのように将来的にはダートG1戦線で活躍できる逸材だと思います。
レッチェバロック(牝3 美浦・藤沢和厩舎 54Kg ルメール騎手騎乗)
デビュー戦では2着に2秒差(大差)、続く2戦目の1勝クラスでは2着に1.4秒差(9馬身差)を付ける圧勝を演じたレッチェバロック。こちらも3連勝を目指し出走します。
父のアンクルモ―は2010年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(ダート約1700m)など米国G1レースを2勝。母の父イルーシヴクオリティはミスタープロスペクター系種牡馬で、2004年のケンタッキーダービー・プリークネスステークスを制したスマーティージョーンズなどの父として知られています。
ポイントとなるのは200mの距離延長です。
前走の1勝クラスのラップを分析すると、最後の200mが13.4秒と急激に落ちたのが気になります。
それでも、前走の走破時計が同じ週の古馬3勝クラスよりも上回っているあたり、たとえ今回は距離適性の差で破れたとしても、今後ダートの短距離戦で活躍できる逸材だと思います。
デュードヴァン(牡3 美浦・加藤征厩舎 56Kg デムーロ騎手騎乗)
ダート戦では3戦3勝と底を見せていないデュードヴァン。今回と同じく東京ダート1600mでカフェファラオよりも速いタイムで勝ち上がっていることからも、こちらも侮れない1頭です。
父のデクラレーションオブウォーの競走馬時代はイギリスのG1レース・クイーンアンステークス(芝約1600m)など芝G1レースで2勝をあげました。種牡馬としてフランスの2000ギニー(芝1600m)を制したオルメドなどG1ウィナーをこれまで5頭を送り出した馬です。
東京ダート1600mは3戦3勝と相性の良い舞台です。また、青竜ステークスの走破時計は2回東京開催の古馬3勝クラスよりも上回っています。
父のデクラレーションオブウォーは2019年より日本で種牡馬生活を送っています。来年の種付けシーズンに向けて父の名声を高めるためにも、ここは負けられない一戦となります。
フルフラット(牡3 栗東・森厩舎 56Kg 田中勝騎手騎乗)
サウジアラビアで行われたサンバサウジダービーカップ(ダート1600m)を快勝したフルフラット。
意外にも日本ではこれまで芝1200m戦の未勝利戦を勝ったのみです。
父のスパイツタウンは現役時代、アメリカのG1レース・ブリーダーズカップ・スプリント(ダート約1200m)を制しました。種牡馬入りしてからは、アメリカのG1レース・ジョッキークラブゴールドカップステークス(ダート約2000m)を制したヘインズフィールドをはじめ多くの活躍馬を出しています。
また、母の半兄にはイギリスのG1レース・ジュライカップ(芝直線約1200m)を勝ったストラヴィンスキーがいます。
サンバサウジダービーカップでは外枠から好位の3番手につけると最終コーナーで早々と先頭に立って後続の追走を振り切って勝利。サンバサウジダービーカップのレースレベルが定かではないので、海外重賞制覇とはいえ即日本で通用するかは不明です。しかし調教過程の順調さから考えれば、いきなり走ってもおかしくはありません。
その他では、ヒヤシンスステークス2着のタガノビューティー(牡3 栗東・西園厩舎 56Kg 和田騎手騎乗)。オープンの端午ステークスを制したサトノラファール(牡3 栗東・中竹厩舎 56Kg 三浦騎手騎乗)。京都のダート1勝クラス(1400m)で2着に1.2秒(7馬身)差を付ける圧勝を演じたメイショウベンガル(牡3 栗東・松永昌厩舎 56Kg 戸崎騎手騎乗)が出走します。