レギュラーメンバー、サブノジュニア、ララベル…。JBC大井の名場面、名勝負を振り返る

2001年にスタートした『JBC競走』は、すっかり関係者やファンに定着。「地方競馬の祭典」や「ダート競馬の祭典」、「下半期のダート王者決定戦」といわれるようになった。当初は「スプリント」と「クラシック」の2競走でスタートしたが、2011年に「レディスクラシック」が創設。2020年からは「2歳優駿」がスタートし、年々と規模が大きくなっている。2023年は大井競馬場での実施となるが、同場ではこれが通算9度目の開催。

地方競馬のメッカでもある“大井のJBC”では、数々の名勝負が生まれてきた。本稿ではJBC大井の思い出のレース8選をご紹介させていただきたい。

2001年 第1回JBCクラシック

記念すべき最初のビッグレースには、中央・地方ともに強豪が集結。ノボトゥルーやハギノハイグレイド、ミツアキサイレンスやマキバスナイパーなどがレースを盛り上げた。だが、主役の座を奪ったのは、南関東三冠馬ロジータの孫・レギュラーメンバー。

レースでは2番手抜け出しの横綱相撲で、内3番手から猛追したマキバスナイパーをクビ差振り切って優勝。地方勢からすれば、わずかな差でビッグタイトルを逃す形にはなったものの、当地にゆかりの血統が花開いたことは喜ばしい結果となった。

2004年 第4回JBCクラシック

この年制したのはアドマイヤドン。2歳時に朝日杯フューチュリティステークスを制して、翌年にはJRAのクラシックを皆勤した。

将来は芝のビッグレースでの活躍を予感させたが、秋に挑戦したJBCクラシックで7馬身差という衝撃のパフォーマンスを披露する。翌年には大井に舞台が替わったが、条件変更をものともせずにレース史上初の連覇を達成。

そして2004年にGI級競走7勝目と、同レース3連覇をかけて堂々1番人気で出走した。レースはユートピアが引っ張る坦々とした流れを5番手から運ぶと、4角は大外から先行する各馬をひとまくり。当時の大井は内有利だったが、外から力を見せつける圧勝。着差以上に迫力ある勝利だった。

2011年 第11回JBCクラシック

前年のJBCクラシックから6連勝中のスマートファルコンと、ドバイWCで2着に入るなど7戦連続連対中のトランセンドが激突。JRA所属のシビルウォーこそ勝ち馬から0.9秒差の3着に食い下がったが、それ以外の9頭は完全に離されてまるで別のレースを見ているようだった。

結果はスマートファルコンが快足を飛ばして逃げ切り、必死に追いすがるトランセンドを1馬身退けて勝利。複勝、枠連、馬複は元返しで、3連単でもわずか250円という配当だった。裏を返せば、ファンも認めるほどの“2強対決”だったということだろう。

2004年 第4回JBCスプリント

のちに“ダート競馬の父”といわれるまでに、種牡馬としても大活躍したサウスヴィグラス。そのの引退レースが、2004年のJBCスプリントだった、

短距離戦を得意とした同馬にとって、なんとしても欲しかったのがJBCスプリントのタイトル。前年の黒船賞から北海道スプリントカップまで6連勝を飾り、日本中の交流重賞を席巻した。直前の東京盃こそ2着に敗れたが、本番では見事に巻き返してビッグタイトルを獲得。もしこの勝利がなければ、種牡馬としての大成功も無かったのではないか……日本のダート競馬の現在・未来を大きく変えた勝利だったのかもしれない。

2007年 第7回JBCスプリント

創設以来、長らく悔し涙を飲んできた地方勢。ようやく重い扉を開いたのが、笠松から移籍してきたフジノウェーブ。

重賞を勝利していたとはいえ、当年のJBCスプリントでも7番人気で単勝38,1倍と、勝ち負けまでは厳しいと思われていた。だが、レースでは内の3番手という絶好位を確保すると、直線では力強く抜け出してJRAの強豪を撃破。実況アナウンサーも興奮気味に勝利を伝え、御神本騎手も何度も何度もガッツポーズを見せた。

その後、同馬は事故で急死してしまったが、現在でも大井の重賞『フジノウェーブ記念』に名前を残している。

2020年 第20回JBCスプリント

出走した16頭のうち、ほぼ全馬にOPや重賞実績ありという超豪華メンバーが集結。その中で白星をつかんだのは、地元生え抜き馬のサブノジュニアだった。

直前の東京盃で5着だったこともあり、当レースには8番人気という伏兵評価だったサブノジュニア。だが、前半3F33.4という超ハイペースを中団でじっくり構えると、4角11番手から直線で各馬をごぼう抜き。最後は1.3/4馬身差をつける圧勝劇で、大井にビッグタイトルをもたらした。

若駒の頃から期待された素質馬が才能開花。同時に父サウスヴィグラスとの親仔制覇にもなった。

2011年 第1回JBCレディスクラシック

それまでスプリントとクラシックの2競走のみだった『JBC』に、新ジャンルとして創設されたレディスクラシック。初代王者に輝いたのがミラクルレジェンドである。

春のTCK女王盃とエンプレス杯では後塵を拝したが、夏に関越Sで白星を飾って勢いに乗ると、前哨戦のレディスプレリュードも快勝。本番のJBCレディスクラシックでは、上がり35.9という牡馬顔負けの決め手を披露して差し切りV。

今でも勝ち時計の1分49秒6は、大井1800mのレコードとなっている。なお、同馬は翌年には連覇を達成。レディスクラシックの価値を大きく高めた。

2017年 第7回JBCレディスクラシック

1番人気のホワイトフーガが馬群に沈んでいく中、直線ではプリンシアコメータとララベルが馬体をぶつけあっての叩き合い。両者の必死なもがきあいはゴールまで続いたが、入線後には審議となるほど激しいものだった。

長時間におよぶ審議はファンや関係者を不安にさせたが、結果は到達順位通りにララベルの勝利。少し物言いは付いてしまったが、地方馬として初めてのJBCレディスクラシック制覇となった。

管理している荒山調教師はインタビューで大粒の涙。前年の同競走では当日に無念の出走取消だったが、1年後に雪辱を果たしたのだった。

写真:Horse Memorys、win、かず

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