[秋華賞]G1レース直前プレビュー

今週は3歳牝馬クラシックの秋華賞が行われます。以前に3歳牡馬&牝馬戦線プレビューとして記事を書きましたが、その時とは状況が変わっています。直前の情報などを改めて確認し、秋華賞に備えましょう。

阪神の馬場について

先週から始まった阪神開催。京都競馬場のスタンド改修によって阪神開催の秋華賞となるのは昨年と同じですが、阪神の開幕週が土日だけだった昨年に対し、今年は3日間開催と日程が変わっています。さらに今年の開幕週は雨が降った中での開催でもありました。昨年と比べて馬場状態がどうだったのか、比較していきたいと思います。

芝1200M OP

昨年:1分08秒2 (良) 今年:1分08秒6 (やや重)

芝1600M 2勝クラス

昨年:1分32秒5 (良) 今年:1分32秒5 (良)

芝1400M 3勝クラス

昨年:1分20秒4 (良) 今年:1分19秒7 (良)

京都大賞典

昨年:2分24秒5 (良) 今年:2分24秒3 (やや重)

各レース、昨年と同条件のレースでのタイムを対比しました。各レースの展開や出走馬のレベルといった厳密な比較はさておき、水分を含んだ馬場でありながらも昨年よりも今年の方が速いタイムが出ている傾向が見て取れると思います。馬場自体は昨年よりも速い馬場として考えるべきでしょう。

ただ、問題なのが土日の天気。週中は雨が降らないものの、土日は雨予報。雨量は分かりませんが、2日間ずっと雨の可能性が高く、秋華賞時も雨が降っている可能性が高いです。今年の開幕週は水分を含んでも速い馬場でしたが、土日を通してずっと雨が降るとなると馬場自体がかなり水分を含んでいそうですし、その中で2日間レースが行われるとなると馬場の痛みの発生が早く進行するかもしれません。直近のお天気は要チェックです。

秋華賞は前哨戦が大事

近年ではG1にぶっつけで参戦して結果を出す馬が多くなってきましたが、秋華賞は前哨戦を使った馬が結果を出しているレースでもあります。過去10年で3着以内に入った30頭が前走でどのレースを使っていたかを調べてみました。

ローズS組 1着:3頭(ジェンティルドンナ、メイショウマンボ、ミッキークイーン) 2着:4頭    3着:7頭

紫苑S組 1着:3頭(ショウナンパンドラ、ヴィブロス、ディアドラ) 2着:4頭 3着:0頭

オークスからの直行組 1着:4頭(アーモンドアイ、クロノジェネシス、デアリングタクト、アカイトリノムスメ) 2着:0頭 3着:0頭

3勝クラス 1着:0頭 2着:0頭 3着:1頭

2勝クラス 1着:0頭 2着:3頭 3着:1頭

1勝クラス 1着:0頭 2着:0頭 3着:1頭

3着以内に入った馬たちのほとんどがローズS・紫苑Sを使っていたか、オークスからのぶっつけでした。前走がオークスの馬に関しては、アーモンドアイ、クロノジェネシス、デアリングタクトが強すぎたという面もあると思うので、ここでは改めてローズS・紫苑Sを簡単に振り返ります。

ローズS回顧

勝ち馬:アートハウス 2着:サリエラ 3着:エグランタイン

勝ちタイム:1分58秒5 (良) 前半1000M:1分00秒2 後半1000M:58秒3

レース振り返り

週中に雨が降らなかったこともあり、レース当日は2R時に少し雨が降ったものの、馬場に影響を与えることなく高速馬場での開催。高速馬場だったので前半1000M通過1分00秒2はやや遅めのペースでやや縦長の馬群で進んだが、そこからは向正面の下りをいかしてペースアップしていきました。

残り800Mからは11秒台のラップが続く展開で長くいい脚が必要になったレース。早めに抜け出したラリュエルをアートハウスが残り200Mで交わして先頭に立ち、ゴール前で急追するサリエラ、エグランタインを抑えて勝利を収めました。2着は半馬身差でサリエラが2着争いを制し、クビ差3着に内々を回って追い上げたエグランタイン。

紫苑S回顧

勝ち馬:スタニングローズ 2着:サウンドビバーチェ 3着:ライラック

勝ちタイム:1分59秒9 前半1000M:1分00秒8  後半1000M:59秒1

レース振り返り

開幕週らしい高速馬場での開催。レースはサウンドビバーチェが逃げる展開となりました。前半1000M1分00秒8とスローでしたが、1000Mを通過した後に外からサークルオブライフが捲って上がっていきペースアップ。

残り800Mから、いわゆるロングスパート勝負になったが、外目3番手を追走していたスタニングローズが逃げ粘るサウンドビバーチェをゴール前で交わして勝利をあげています。2着はクビ差で逃げたサウンドビバーチェ。3着には外から伸びてきたライラックが2着馬にクビ差まで迫ったがそこまででした。

道悪実績のある馬たち

雨予報もあるという事で、渋った馬場で結果を出した馬をピックアップします。重馬場での勝ち星がある有力馬はサウンドビバーチェのみ。芝1600Mの重馬場で勝利をあげています。また、やや重では2勝を挙げているのがストーリア。3歳1勝クラス牝馬限定戦のカーネーションカップと2勝クラスの芝1800Mを勝っています。ウインエクレールは、春にリステッドのスイートピーSにて、やや重で勝利。他にもブライトオンベイス、エリオトローピオがやや重での勝ち星があります。

各馬とも2000Mより短い距離での勝利なので、スタミナがどうか、という点はありますが、馬場適性を味方につける可能性はあるでしょう。

おわりに

個人的な意見ではありますが、ローズSと紫苑Sの比較ではローズSの方がレースそのもののレベルは高かったと考えています。どちらも1000Mまではスローでしたが、残り800Mからスピードアップした紫苑Sに対し、残り1000MからのペースアップだったローズSの方が長くいい脚を使う展開になったと言えますし、本番の秋華賞でも道悪の影響はともかくより底力を要求されるはず。ローズS組が好走する確率は高いと言えるのではないでしょうか。そのハイレベルなレースで勝ち切ったアートハウスは楽しみな存在です。

いかがだったでしょうか?

サリエラやサークルオブライフの離脱は残念でしたが、牝馬三冠の達成がかかっているスターズオンアースや、川田騎手の想い入れが強いアートハウスらが出走して実力勝負になりそうな反面、天気や馬場状態などから大波乱の可能性もある今年の秋華賞。情報の判断や選択が大事になりそうなレースになるのは間違いありません。この記事がその助けになれば幸いです。

写真:だしまき、水面

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