札幌記念ってどんなレース?

札幌記念は、1965年に3歳以上・ハンデキャップの重賞として創設され、第1回は札幌競馬場の砂コース(現在のダートコースと異なる)2000mで行われました。札幌競馬場は寒冷地のため創設時は芝コースが無く、1968年まで左回りの砂コース、1969年から1974年まで左回りのダートコース、1975年から1989年まで右回りのダートコースで行われました。

1989年に、札幌競馬場に芝コースが新設されましたが、芝の育成・保護のため芝コースの運用は翌1990年から始まり(1989年の札幌記念はダート1700mで開催)、それ以降は芝2000mで行われています。

また、1997年にG2レースに昇格後、負担重量はハンデキャップから別定重量となったのち、2006年に実力馬の参戦を促す観点から定量に変更されました。

2006年から「サマー2000シリーズ」の第4戦に指定され、秋の中・長距離G1戦線を展望する一戦としてだけでなく、シリーズ優勝を目指す馬にとっても重要なレースとなっています。

今年の主な出走馬

ラッキーライラック(牝5 栗東・松永幹厩舎 55Kg デムーロ騎手騎乗)

今年の大阪杯でG1レース3勝目を挙げたラッキーライラック。
秋のG1戦線に向けて、札幌記念から始動します。

前走の宝塚記念では1番人気に支持されましたが、6着と敗れました。ただ、レース直前に大雨が降り、馬場が荒れていて、持ち味の瞬発力が生かせられなかったのが敗因でしょう。
稍重馬場で行われたレースでは宝塚記念の6着、昨年の府中牝馬ステークス3着と結果を残していない辺りが気になります。

初めて走る札幌コースですが、水曜日に行われた調教で5ハロンからは59秒0-46秒7-33秒7-11秒7という実戦レベルの時計を馬なりでたたき出し、札幌コースの適性が高い事を示した調教でした。似たような馬場で行われた香港ヴァーズでも2着に入るなど札幌の馬場に合いそうです。

今後のローテーションは未定ですが、同期の牝馬三冠馬アーモンドアイが天皇賞・秋に出走。今の充実ぶりから行けば、アーモンドアイと互角に戦える結果を残しているので、ここは無様な競馬は見せられません。

ノームコア(牝5 美浦・萩原厩舎 55Kg 横山典騎手騎乗)

昨年のヴィクトリアマイルを制したノームコア。久々の芝2000m戦のレース出走となります。

ヴィクトリアマイルを制するなど芝1600m戦が得意なイメージもあるノームコアですが、元々は芝2000m前後の距離を使っていました。G3重賞の紫苑ステークスを制し、G1のエリザベス女王杯でもリスグラシューの5着に入るなど、実績もあげています。

初めての札幌参戦となりますが、血統的に父ハービンジャー、母の父クロフネとパワーを要する馬場に合いそうな血統です。また、切れ味だけでなくパワーも要する香港マイルでも、勝ったアドマイヤマーズと0.3秒差の4着に入るなど、パワーを要する札幌の芝に合いそうです。
半妹のクロノジェネシスが秋華賞、宝塚記念を制していることを踏まえても、距離は射程内でしょう。

アドマイヤジャスタ(牡4 栗東・須貝厩舎 57Kg 吉田隼騎手騎乗)

札幌記念は「サマー2000シリーズ」の第4戦目。第2戦の函館記念を制したアドマイヤジャスタですから、勝てば「サマー2000シリーズ」の優勝が決まります。

2歳時にはホープフルステークスで2着に入るなど活躍していたアドマイヤジャスタ。しかし、3歳の皐月賞では8着、日本ダービーでは18着に大敗するなど苦戦が続いていました。

浮上のきっかけとなったのは、前々走の鳴尾記念(6着)から装着したホライゾネット。
覆面の目穴部分をネットで覆った馬具で、視野を制限することで集中力アップを図る効果があると言われています。ホライゾネットを装着してからは、スタートの出遅れもなく、やる気のある走りが見られています。

父のジャスタウェイは3歳時にアーリントンカップを制したものの、その後は重賞では未勝利。
4歳秋の天皇賞・秋で圧勝するなど、4歳の頃から本格化した馬です。
アドマイヤジャスタも、血統的にはもう一伸びしそうですから、決して侮れません。

その他では、2017年のマイルチャンピオンシップを制したペルシアンナイト(牡6 栗東・池江厩舎 57Kg 大野騎手騎乗)。3歳馬ながらも洋芝の札幌・函館開催で3戦2勝2着1回の実績を持っているブラックホール(牡3 美浦・相沢厩舎 54Kg 石川騎手騎乗)。新潟大賞典を制したトーセンスーリヤ(牡5 美浦・小野厩舎 57Kg 横山和騎手騎乗)が出走します。

なお、札幌記念の発走は15時45分となっております。また、本日行われる第55回テレビ西日本賞北九州記念は15時25分発走、新潟メインレースのNST賞は15時35分発走と通常とは異なる発走時間です。北九州記念、NST賞の馬券を購入される際には時間に余裕をもって購入してください。

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