中京ではチャンピオンズカップが行われる12月の第1週日曜日。
裏開催となる中山競馬場でも楽しみなオープン特別が行われる。1200mの短距離リステッド競走「ラピスラズリステークス」。
今年はフルゲート16頭が揃った。
オープンクラスに上がったばかりの上り馬や重賞で経験を積んだベテランの馬まで揃ったラピスラズリステークス。いったいどのようなレースになったのか。
レース概況
暮れのオープン特別に集った16頭。
人気の中心に押されたのは3歳牝馬ケープゴッド。
オープンに昇級した前走では重馬場の中2着と健闘。2歳時に同じ舞台のクリスマスローズSを制していて、この舞台の適性も買われた。続く人気は牝馬戦線を盛り上げるコントラチェックと、人気は牝馬の2頭に集まった。
3コーナー付近で枠入りは進み、16頭が一斉に飛び出す。
6ハロンの電撃戦、まず飛び出したのは重賞勝ち馬カイザーメランジェ。
続いてアユツリオヤジ、アルミューテン、イエローマリンバとスピードのある馬が取りついた。
人気のコントラチェックとケープゴッドは並んだ状態で追走。
全体的にはそれほど縦長にはならずにレースを進めた。4コーナー。カイザーメランジェとアユツリオヤジが後続を引っ張って直線へ。直線に入るとアユツリオヤジが先頭に立つ。
しかし残り200m地点で後続が強襲。内をすくってアマルフィコースト、外からはケープゴッドとブライティアレディ、さらに大外からはニシオボヌールにアストラエンブレムと横に広がっての大混戦。
直線一杯に広がっての争いは大外アストラエンブレムがグイっと伸びて1着。
見事、大混戦のリステッド競走を制した。
各馬短評
1着 アストラエンブレム(石川裕紀人騎手 8人気)
58キロの斤量、初の1200m戦など様々な試練が立ちふさがったが見事跳ね除けての優勝だった。
アストラエンブレムの各コーナー通過順は15番手と、最後方を追走。直線では進路を大外に向け豪脚一気で差しきった。これまでは重賞の舞台では壁を感じてきた同馬だが、ここから飛躍ののろしを上げる。
2着 ニシオボヌール (横山典弘騎手 10人気)
勝ち馬に負けない豪脚を披露したニシオボヌールが2着となった。
こちらも道中は12番手と後方を追走。直線では馬場の真ん中より外とから追い込んで上位に食い込んだ。
1着馬には及ばなかったもののその差は僅差。巻き返しに期待だ。
3着 ケープゴッド (津村明秀騎手 1人気)
人気を背負ったケープゴッドが、3着に入った。
道中は中団を追走。直線に向くと馬場の3分どころを選択し追い込んだ。
一旦は先頭に立つも大外からの強襲に屈しての3着となった。しかしながら追い込み勢が上位を占めた中での粘り込みは見事な走り。3歳という意味でも先々が楽しみだ。
総評
人気の面ではやや荒れ模様となった今年のラピスラズリステークス。
スプリント路線初挑戦のアストラエンブレムが見事混戦のレースを制した。大外枠や58キロの斤量を何事もなく克服した姿は今後の重賞戦線でも大いに活躍してくれる姿だろう。
より磨きのかかったレースセンスは来年の重賞戦線でどう輝くか、見ものである。