[重賞回顧]砂のオールスター決戦の行方は〜2021年・チャンピオンズカップ〜

師走に入り、各競技で締めくくりという言葉が付くようになった季節となった。
このダート界でもまさにチャンピオンを決める大一番が行われた。中京競馬場を舞台にまさにダートのオールスターが集結。芝のG1制覇馬か、昨年の覇者か、2月の覇者か地方の雄か。今年の中央ダートG1を締めくくる大一番で、砂の王の座にたどり着くのははたしてどの馬か。

レース概況

今年のチャンピオンズカップはフルゲート16頭の出走で行われた。
3歳から8歳までの5世代が集結し、各世代にG1馬が集うという超豪華メンバー。

まず注目を集めたのはダート初挑戦の桜花賞馬ソダシ。
今年の競馬界を最も盛り上げた1頭である白毛馬は、一族にダートグレードを制覇したユキチャンがいるなどダート適性の高い血統を持つ。一族パワーで二刀流完成となるか。

そしてダートのタイトルホルダーたちも終結。
夏の王者となった帝王賞馬テーオーケインズは1番人気に支持された。金沢JBCのリベンジを果たし、初のJRAG1タイトル奪取なるか。差が無い3番人気は昨年の覇者チュウワウィザード。今年はドバイWCで2着好走するなど世界に名をとどろかせたチュウワウィザード。4番人気は芝にも挑戦したフェブラリーステークス勝ち馬カフェファラオ、5番人気には中京コース得意なオーヴェルニュとなった。
そして地方からはかしわ記念と川崎記念の南関ビッグタイトル2つを獲得した地方の雄カジノフォンテンも参戦。大激戦必至の砂の王者決定戦となった。

G1ファンファーレが鳴り響き、スタンド前でのゲートインが完了しレーススタート。

好スタートから内枠各馬が飛び出していく。ジワリと最内から白い馬体のソダシが先頭に立ち、リードを広げて逃げの態勢に入る。2番手にはこちらもG1馬インティが付け、3番手にサンライズホープ、アナザートゥルース、カジノフォンテンが並ぶ。中団にテーオーケインズ、オーヴェルニュ、クリンチャーなどが追走。

スローペースの中前団は語り流動的になりながら直線に向いた。

直線で苦しくなったソダシを交わしてインティが先頭に立つも、馬群を縫って伸びてきたのはテーオーケインズ。一気にインティを捕らえるとリードを2馬身、3馬身と突き放す。

粘るアナザートゥルースに追い込むチュウワウィザードの競り合いも関係なし。
最終的には6馬身の差をつけての完勝。テーオーケインズが初のJRAG1タイトルを手にした。

各馬短評

1着 テーオーケインズ (松山弘平騎手 1人気)

最終的に付けた着差は6馬身差。15頭をねじ伏せての完勝だった。中団やや前でレースを進めたテーオーケインズ。直線に向くと馬群の間を縫って差し脚を見せ、あっさりと前を行くインティを捕え切った。帝王賞以来のビッグタイトルとなったこのレース、一気にスターダムへと駆け上った一年を締めくくる勝利となった。

2着 チュウワウィザード (戸崎圭太騎手 3人気)

猛追を見せた昨年の覇者は2着連対となった。チュウワウィザードは中団後方を追走。直線での末脚勝負に賭けた。上がり2位の脚で大外を強襲し、粘る先行勢を差し切っての2着入線となった。勝ち馬とは離された2着であったが、それでも見せ場を作ったチュウワウィザード。来年もG1の舞台、そして世界へのリベンジ戦が待っている。

3着 アナザートゥルース (坂井瑠星騎手 14人気)

14番人気の伏兵評価だったアナザートゥルースが3着に粘り込んだ。前団でレースを進め、直線でインティと共にソダシを捕らえてトップ争いに。1,2着馬には捕らえられたものの3着争いはインティを振り切って入着を果たした。この粘り脚はこの馬の強み。今後の重賞戦線でも脅威となる脚となるだろう。

総評

超豪華なチャンピオンズカップ。結果はテーオーケインズの圧勝となった。

タイトルホルダー同士の激闘は見ごたえ十分。まさに今年の砂の総決算と言ってもよい一戦だろう。

来年はこのメンバーはどんな夢を見せてくれるだろうか。
圧勝のテーオーケインズは来年どれほど旋風を見せてくれるか。
来年に希望を持てる、そんなG1レースとなった。

写真:はねひろ(@hanehiro_deep)

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