[重賞回顧]激闘の末、殊勲の2勝目をつかんだのは誰か〜2022年・フェアリーステークス〜

年が明けて最初の3連休。中央競馬も恒例の年始3日間開催が行われた。成人の日である月曜日のメインレースは中山競馬場のフェアリーステークスだ。今回出走した全馬が1勝クラスの馬という激戦必至の顔ぶれとなった。果たして中山から桜花賞戦線に名乗りを上げるのは誰か。

レース概況

今年のフェアリーステークスはフルゲート16頭立て。前述の通りすべての馬が1勝馬というまさにフラットな戦いに。

1番人気のスターズオンアースは赤松賞3着からの転戦だが、その他の人気馬で言えばエバーシャドネー、スクルトゥーラ、エリカヴィータはそれぞれ新馬戦から連勝を狙う形で参戦してきた形となった。混戦を極める牝馬限定重賞がどんな様相を呈すか、注目が集まった。

1600mのスタート地点となる2コーナーのポケット。独特のスタート位置でゲートが開いた。

スタートはばらけた体制となったがそれでも大きな差とまではいかず、先行争いが繰り広げられる。

好スタートは内枠の各馬もスッと外からウラカワノキセキとフィールシンパシーが先行態勢を築く。3番手をスクルトゥーラが固め、その後ろにブルトンクールやスターズオンアースなどが追走し、中団は固まる形となった。

3コーナー手前で、先団が一気に凝縮。

馬群を引っ張るウラカワノキセキの後ろは大混戦となって直線コースに向いた。直線手前から脚を伸ばしたフィールシンパシーが先頭に替わるも後続が殺到。

真ん中からスクルトゥーラ、そして大外からはライラックが素晴らしい切れ味を見せて先頭に並ぶ。内をこじ開けてきたスターズオンアースがトップ争いに食い込むも、外から伸びたライラックに軍配。大外豪脚で殊勲の初重賞制覇となった。

各馬短評

1着 ライラック (M.デムーロ騎手 5人気)

スタート時は最後方だったライラックは道中で位置を上げて中団にポジションを取った。そして直線では大外に進路を出して差し脚を伸ばすと切味よく伸びきって勝利。内からの強襲も振り切る力強さを見せた。前走も重賞舞台で揉まれていただけにしっかりとリベンジを果たした形となった。

2着 スターズオンアース (石橋脩騎手 1人気)

1番人気のスターズオンアースは内をすくっての2着となった。道中は中団を追走。内に進路を取り、窮屈なレースとなってしまったが最後に進路が開くとライラックを猛追した。わずかに及ばずの2着となるも、それでもその差は僅差。次こそ逆転──そして重賞制覇を狙いたい所だろう。

3着 ビジュノワール (大野拓弥騎手 7人気)

最後の3着争いはビジュノワールが制した。こちらも中団やや後ろからのレースとなったビジュノワール。直線ではやや仕掛け遅れが見られたがそれでも外に持ち出しての伸びは秀逸。しっかり先団を差しきる豪快さは次にも生きるパフォーマンスであった。

総評

フェアリーステークスはライラックの勝利で幕を閉じた。中山1600mでは先月に続いてミルコ・デムーロ騎手の追い込みが決まった形。

賞金加算が重要なクラシック戦線において、この1勝は本当に大きなものになっただろう。今後の走りに大いに期待だ。

写真:shin 1

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