[チケット発売中]ソダシ、ストレイトガール、アパパネ。ヴィクトリアマイルBEST3レースはこれだ! 競馬トークイベント(5/18)開催に寄せて。

春のGⅠシーズン真っ盛りの5/18(日)19時〜新宿ロフトプラスワンでトークイベント『達人にきく! 競馬の見方が変わる競馬の深イイ話』が開催される。

小川隆行&ウマフリ「競馬新書シリーズ」(星海社)全12冊刊行記念として、競馬の「深イイ話」をたっぷりと語るイベントに、治郎丸敬之(「ROUNDERS」編集長)、水上学(競馬ライター)、矢野吉彦(フリーアナウンサー)、小田哲也(スポニチ記者)といった豪華ゲストが集結する。

本イベントに寄せて、星海社新書『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(小川隆行+ウマフリ)で選出した、春のスピード女王決定戦「ヴィクトリアマイル歴代ベストレース3」を振り返りながら、名馬たちが繰り広げた熱き戦いの魅力に迫ってみたい。

※本記事は、名馬たちのドラマをこよなく愛する執筆者たちが、GⅠレースごとにベストレースを選定した『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(小川隆行+ウマフリ・編)の記事をもとに再構成して紹介しています。

ヴィクトリアマイル歴代ベスト3レースはこれだ!

ヴィクトリアマイルは、古牝馬限定のマイルGⅠとして2006年に創設された春のスピード女王決定戦である。日本の競馬界では長らく4歳以上の牝馬限定GⅠが存在しなかったが、1996年、エリザベス女王杯の古馬開放を機にローテーションが整備され、古牝馬の頂点として誕生した。歴史は浅いが、ウオッカ、ブエナビスタ、アーモンドアイ、グランアレグリアといった名牝が勝利を収め、牝馬の頂点を決める舞台として定着している。

一方で、2015年には18番人気ミナレットが3着に入り、3連単2071万9110円という重賞最高配当を記録するなど、波乱の要素も併せ持つ。また、リピーターが多く、ヴィルシーナやストレイトガールが連覇を達成するなど、適性の高い馬が繰り返し好走する傾向も特徴である。ここでは、ヴィクトリアマイルの歴史を彩った歴代ベスト3レースを紹介する。

第1位 2022年 ソダシ - 超豪華メンバーを蹴散らして、純白の女王が現役最強牝馬を証明

2022年のヴィクトリアマイルは、「豪華絢爛」の言葉がふさわしい一戦だった。出走18頭中16頭が重賞ウイナーで、GⅠ馬は5頭。4歳世代と5歳世代の対決も注目を集めた。4歳世代は札幌記念を制したソダシのように前年夏から古馬を撃破し、最強世代との呼び声が高かったが、5歳世代も前年のエリザベス女王杯でアカイイトが優勝するなど存在感を示していた。

人気を集めたのは5歳馬のレイパパレ(前年・大阪杯優勝)とデアリングタクト(牝馬三冠)。対する4歳馬では、白毛のアイドルホース・ソダシが2番人気に推された。ソダシは芝1600mで3戦3勝(GⅠ2勝)と抜群の適性を誇り、前走フェブラリーSでは3着と復調の兆しを見せていた。

レースはローザノワールが逃げる展開。レイパパレはスタートで躓くアクシデントに見舞われたが、すぐに挽回して好位を確保。ソダシやレシステンシアも中団より前に位置し、好勝負の予感が高まった。直線ではローザノワールが4馬身のリードを奪うも、ソダシがダイナミックなストライドで猛追する。残り150mで先頭に立つと、吉田隼人騎手のガッツポーズとともに独走。2着ファインルージュに1馬身1/4差をつけ、1分32秒2で圧勝した。

この勝利は、ソダシが自身の課題を克服し、最高のパフォーマンスを発揮した瞬間だった。豪華メンバーの中で現役最強牝馬の座を掴み、4歳世代のレベルの高さを証明した純白の女王の走りは、ファンの心に深く刻まれた。

第2位 2016年 ストレイトガール - 伏兵評価の大ベテランが貫禄を見せつけ連覇達成

2016年のヴィクトリアマイルは、多様な路線から集まった牝馬たちの激突が魅力だった。マイルだけでなく、2400mや1200mのGⅠウイナーが参戦し、スピードとスタミナのせめぎ合いが期待された。

1番人気はオークスと秋華賞を制したミッキークイーン、2番人気は秋華賞とジャパンCを勝ったショウナンパンドラ。一方、前年覇者のストレイトガールは7番人気に甘んじていた。7歳という高齢に加え、香港スプリント9着、阪神牝馬Sで9着と近走不振で評価を下げていたが、彼女の闘志は衰えていなかった。

レースは中団で進んだストレイトガールが、直線半ばで爆発。内ラチ沿いを真っ直ぐに突き抜ける「ストレイト(直線)」な走りで後続を一気に突き放し、2着ミッキークイーンに2馬身半差をつけて連覇を達成。タイムは1分31秒5。7歳牝馬の勝利はJRA・GⅠ史上初の快挙だった。

このレースは、現代競馬におけるスピードの重要性を改めて示した。低評価を覆し、ベテランの意地を見せつけたストレイトガールの走りは、ヴィクトリアマイルの歴史に燦然と輝く。

第3位 2011年 アパパネ - 三冠牝馬が年度代表馬とのデッドヒートを制して戴冠

2011年のヴィクトリアマイルは、三冠牝馬アパパネと年度代表馬ブエナビスタの激突が注目された。アパパネは三冠牝馬として初のヴィクトリアマイル出走。対するブエナビスタは前年優勝馬であり、牡馬相手の天皇賞・秋やジャパンCで圧倒的なパフォーマンスを見せ、GⅠ5勝の実績を誇っていた。

レースは両者の一騎打ちにふさわしい展開に。直線でアパパネが先に抜け出すと、ブエナビスタが自慢の末脚で猛追。400m以上続く息をのむデッドヒートは、ゴール前でアパパネがクビ差凌ぎ切った。タイムは1分33秒0。がっぷり四つの力勝負を制したアパパネが、現役最強牝馬の座に就いた。

この対決はまさに「名勝負」の定義を体現した一戦だった。二強の激闘は、ヴィクトリアマイルが牝馬の頂点を決める舞台であることを強く印象づけた。

最後に

ヴィクトリアマイルは、豪華なメンバー、波乱の展開、リピーターの活躍といった魅力が詰まったレースである。2022年のソダシの圧勝、2016年のストレイトガールの連覇、2011年のアパパネとブエナビスタのデッドヒートは、いずれもこのレースの歴史を象徴する名勝負である。これからも、牝馬たちの熱い戦いがファンを魅了し続けるだろう。


星海社からのお知らせ

5/18(日)19時〜新宿ロフトプラスワンでトークイベント『達人にきく! 競馬の見方が変わる競馬の深イイ話』ご参加受付中です!

小川隆行&ウマフリ「競馬新書シリーズ」(星海社)全12冊刊行記念として、競馬評論家やスポーツ新聞記者、現役実況アナウンサーをゲストに迎え、競馬の奥底に潜む「深イイ話」をたっぷりと語っていただきます。

さらにイベント後半では開催直前のオークス(5月25日)と日本ダービー(6月1日)特別予想も披露します!

■出演者とトークテーマ

●特別ゲスト
治郎丸敬之(「ROUNDERS」編集長):パドックと返し馬、馬体の見方
水上学(競馬ライター):テイエムオペラオーとキタサンブラックから考える母父論
矢野吉彦(フリーアナウンサー):うまい競馬実況とは? 思い出の競馬実況および裏話
小田哲也(スポニチ記者):東京コースの穴ねらい術とは/距離別・条件別に考える

●司会進行
小川隆行(競馬ライター)
緒方きしん(ウマフリ代表)

日時:5月18日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
場所:新宿ロフトプラスワン
料金:2800円(前売)/当日3200円 ※要ワンオーダー・飲食代別

※前売りチケットのお申し込みはこちらから
https://t.livepocket.jp/e/8cwob

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