グランアレグリア、レッツゴードンキという新旧桜花賞馬を含む重賞馬9頭が揃った、2019年阪神カップ。豪華メンバーに加えて、阪神芝1400mという距離がこのレースを難解なものにする。

例えば、キンシャサノキセキが1度目の阪神カップを制した2009年は、2着にCBC賞を制したプレミアムボックスが入ったように、1200m前後を得意とするスプリンター2頭で決着した。

一方で、皐月賞馬イスラボニータが有終の美を飾った2017年。こちらは後に札幌記念を制したサングレーザーが3着に入ったように1600m前後を得意とするマイラーで決着。もっとも2着に入ったダンスディレクターはスプリンターであったが、それでも適性を見極める難しさを感じさせる。

多くの競馬ファンが頭を悩ませた結果、1番人気に推されたのは桜花賞馬・グランアレグリア。

そして2番人気はマイルチャンピオンシップ4着馬マイスタイル、3番人気はダービー卿チャレンジトロフィーを制したフィアーノロマーノと、いわゆるマイラーと呼ばれる馬が上位人気を占めた。

レース概況

ゲートが開くと、ノーワンがタイミング合わなかったのか出遅れる。追い込みにかけるスマートオーディンは意識的に最後方に下げ、グランボヌールとメイショウショウブが先頭に躍り出た。

マイルチャンピオンシップで逃げたマイスタイルは、5番手グループを追走。グランアレグリアは中段より前で競馬を進める。直後にフィアーノロマーノと引退レースを迎えるレッツゴードンキがいる展開に。

前半600mは33秒9。

ダイアナヘイローが逃げ切った2018年阪神カップは34秒8。その2018年が稍重馬場で行われたことを考慮しても、先行馬にとっては厳しい流れでレースが進む。

4コーナーを曲がる18頭。

グランアレグリアは内々を通り、どこで抜け出すかが大きなポイントとなる。最後の直線、逃げ粘るメイショウショウブとグランボヌールの間にスペースが空いた。そこにグランアレグリアがまるで自分で動いたかのようにスペースに突入。対するマイスタイル、フィアーノロマーノは外を選択。

このスペースが、後に大きなポイントとなった。

一気に加速したグランアレグリアは後続を大きく引き離す。激しい2着争いを置き去りにして、短距離戦にしては異例の5馬身差の差を付けてゴール。

1分19秒4のタイムは2017年にイスラボニータがマークした1分19秒5をコンマ1秒更新するレースレコードとなった。

激しい2着争いは外から伸びてきたフィアーノロマーノが逃げ粘るメイショウショウブ、追い込んできたレッツゴードンキをしのいで2着。メイショウショウブは3着、レッツゴードンキは4着。出遅れたノーワンが5着。マイスタイルは13着に沈んだ。

各馬短評

1着グランアレグリア(1番人気)

初めての1400m戦に戸惑ったのか、道中は普段より後方の競馬だった。

……が、むしろペースが速くなったことで懸念された折り合い面も付けることが成功したように見えた。また、最後の600mのタイムが33秒5とメンバー中トップで駆け抜けた(2位は6着のレインボーフラッグの33秒7)ことからも、短距離戦への適性を示した結果だろう。

マイルG1桜花賞を制覇した馬でありつつ、今秋は1200mのスプリンターズステークスから始動するプランも出ていた馬。ヴィクトリアマイルもさることながら、1200mの高松宮記念でも注目の1頭だ。

2着フィアーノロマーノ(3番人気)

安田記念、マイルチャンピオンシップは14,13着と大敗しているが、12月の阪神開催に限ると2戦2勝と結果を残している(いずれも芝1600m戦)馬が、2着に健闘。

今回はグランアレグリアの強さが目立ったが、この馬も走破時計が1分20秒2と自己ベストをマーク。同じ阪神芝1400mで行われる阪急杯に出走した場合は注目したい一頭である。ただ、G1レースで勝利を目指すとなると、更なるステップアップが必要かもしれない。

3着メイショウショウブ(10番人気)

主戦の池添謙一騎手がグァンチャーレを選び、初コンビとなる松山弘平騎手が騎乗。乗り難しさも考慮されたが、10番人気と低調な評価となった。

しかし、考えてみればデイリー杯2歳ステークスではアドマイヤマーズから0.1秒差、ニュージーランドトロフィーではワイドファラオとタイム差なしの2着に入るなど、1600mの重賞では2着が2回あった実績馬。

終始逃げる事に徹したレースぶり。先行馬有利の馬場も味方したことだろう。

今回と同じ競馬に徹していけば、1600m以下の牝馬限定の重賞で、さらなる好走が期待できそうな予感がする。

13着マイスタイル(2番人気)

好位からの競馬で3着に入ったスワンステークスの再来を期待したファンも多かったマイスタイルだが、今回は悔しい13着に終わった。マイルチャンピオンシップという大一番の後のレースもあってか、状態面ではマイルチャンピオンシップほどのデキになかったかも知れない。

しかし、これまでの勝ったレースを見る限り、逃げて結果を出していたので、本来は逃げの戦法が得意なのだろう。それを考えると、やはりこの馬のベストは1800mから2000m辺りの距離でのレースではないかと思う。次走での復活に期待したい。

写真:ゆーすけ

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