[インタビュー]「ドウデュースはチャンスがあると思う」。ルメール騎手が語る、2022年凱旋門賞。

日本から4頭の実力馬が参戦する2022年の凱旋門賞。
今年、サウジアラビアとドバイで重賞を制した7歳馬ステイフーリッシュで凱旋門賞に参戦を予定しているルメール騎手に、その展望を伺った。果たして、日本馬にチャンスはあるのだろうか。

「ドウデュースはチャンスがあると思う」

前哨戦・ドーヴィル大賞にステイフーリッシュと参戦し、2着となったルメール騎手。
5頭立ての2着という結果だったが、手応えは感じているそうだ。

「前走も斤量が重いなか、よく頑張ってくれたと思う。スタミナがあってタフな馬だと思う! 能力よりも凱旋門賞への適性というか、ステイゴールドの血に期待しているかな。過去にはナカヤマフェスタとオルフェーヴルが好走している血統だし、今年の凱旋門賞は自信を持って乗るつもりだよ」

ステイゴールドといえば、7歳で香港ヴァーズを制覇した晩成型の名馬。
今回、ステイフーリッシュも7歳での参戦とあって、当時と重なる部分は少なくない。凱旋門賞をはじめとした海外レースに強い血統というのも、好材料の一つだろう。

さらに今年は、日本馬としてタイトルホルダー、ドウデュース、ディープボンドも参戦。4頭の実力馬が、フランスの地で頂点を狙う。

「タイトルホルダーは欧州でも人気がありそうだね。強い馬だと思ってるよ。それに、ドウデュースはチャンスがあると思う。すごく楽しみな1頭だね。とは言っても、日本馬は毎年チャンスがあるとは思っているんだけどね…」

ドウデュースは前哨戦のニエル賞で4着。ダービー以来の実戦では敗れたものの、そこからの逆転が期待される。

一方でタイトルホルダーは宝塚記念からの直行。こちらは現在、日経賞・天皇賞春・宝塚記念と3連勝中で、現役の中長距離馬としては最強クラスの実力を持っている。この2頭をはじめとする4頭の挑戦は、実を結ぶのだろうか。

「凱旋門賞の時期はフランスの天気が悪い時期に重なるから…。馬場がどうしても悪くなるよね。日本と違って競馬場が古いかあらというのもあると思うんだけど、天気が悪いのが続くと馬場が悪くなる。そうなると、ドイツ馬が得意とするような馬場になっていくんだよね…」

「ディープインパクトは勝てると思っていた」

過去に数々の名馬が挑んできた凱旋門賞。
2006年には日本を代表する名馬ディープインパクトも参戦したが、3着での入着だった(のちに失格)。

「ディープインパクトは、馬場とかは関係なく、絶対に勝てると思っていたな。それほどポテンシャルがすごい馬だった。有馬記念ではハーツクライに騎乗して勝てたけど、すごい馬だというのは見ていてもわかったよ。凱旋門賞の当日は状態が良くなかったというのもあるだろうけど、負けた時は驚いた」

ルメール騎手といえば、三冠牝馬アーモンドアイとのコンビも印象深い。
こちらは4歳時にドバイターフに遠征して勝利を収めているが、欧州への遠征はなかった。

「アーモンドアイも、十分に凱旋門賞レベルの馬だったね。挑戦していたら勝っていた可能性は十分にあると思う。本当に強い馬だったし、挑戦したかったね」

「春のフラストレーションを解消したい」

「今年の休暇も、とてもリフレッシュできたよ。友人や家族と一日中飲んでいた。ビールの飲み過ぎで2キロほど太った(笑) 普段はあまり飲まないんだけど、バカンス中だと飲み過ぎてしまうね。日本にきてから、ビールとゴルフが好きになったんだよ(笑)」

そんなルメール騎手は、この秋冬にも数多くの有力馬への騎乗を予定している。中でも注目は、二冠牝馬と、皐月賞・ダービー2着のイクイノックスだろう。スターズオンアースは骨折の影響も危惧されるが、秋華賞には間に合う見込みだ。

「スターズオンアースは、無事であれば三冠を目指せるポテンシャルがある馬。ラッキーなことに骨折は軽度だったみたいだし、秋華賞は楽しみだね。イクイノックスは菊花賞ではなく天皇賞・秋に挑戦する予定。春はフラストレーションがたまるレースが続いてしまったけど、能力はある。キタサンブラックのようにどんどん成長していくタイプだと思うから、古馬が相手だけど勝利を期待してほしいね!」

秋華賞は10月16日、天皇賞・秋は10月30日に開催予定。どちらも好勝負が期待できるだけに、楽しみにレースを待ちたい。

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