2010年設立以降、2017年までに延べ329頭が募集されGⅠ馬3頭、重賞馬計9頭を輩出しているGⅠレーシング。
勝ち上がり率は44.1%を記録しています。
基本的には追分ファーム生産馬が募集され、ダートの怪物ルヴァンスレーヴ、マイルCSの勝ち馬で皐月賞2着ペルシアンナイトなどが活躍し、2018年には馬主リーディング第6位と順調に白星を重ねています。
今回はそんなGⅠレーシングの中でもPOG向きと思われる4頭をご紹介します。
グラシアディヴィナ
父:ディープインパクト
母:ディヴィナプレシオーサ
母父:Crocker Road
国枝栄厩舎(美浦)
2018年1月17日生まれ
牝馬・募集額5,000万円
母8歳時の出産で3連産目(第3仔)
母ディヴィナプレシオーサはチリ2歳牝馬チャンピオンで、2013年にチリ1000ギニー等GⅠを2勝しています。
兄の2頭はともに勝ち上がりを果たし、DMMドリームクラブにて募集された全兄ゴールデンレシオは未勝利戦で殿一気を決め、出資者の期待を大いに高めてくれました。
父ディープインパクトの追分ファーム生産馬は過去に41頭がデビューし、25頭が勝ち上がり(61.0%)を果たしています。クラブ募集馬での代表格はサングレーザーで、札幌記念・スワンSを制しました。サングレーザーが本格化したのは古馬に近づいてからでしたが、POG期間においても重賞で掲示板に食い込む活躍もあります。
管理する国枝栄厩舎は近5年間で5頭預託、2頭の勝ち上がりです。しかし過去にはタンタアレグリアで重賞制覇も果たしていますし、決してクラブとの相性が今一つというわけではありません。
また過去の重賞制覇数52勝のうち2歳、3歳の重賞制覇数は計24勝(46.2%)で近年ではアパパネ、アーモンドアイと2頭の牝馬三冠を果たしています。もちろん期待の厩舎です。
グラシアディヴィナはと言いますと、バランスの良い馬体かつ雄大な馬体を披露してくれています。
あまり大きくなりすぎるとそれはそれで若干の不安もありますが、全兄達の走りと同様にスピード感のある走りを期待できるのではないでしょうか。
ギャリエノワール
父:ドゥラメンテ
母:ブランネージュ
母父:シンボリクリスエス
萩原清厩舎(美浦)
2018年2月4日生まれ
牡馬・募集額3,2000万円
母7歳時の出産で本馬が初仔
父ドゥラメンテは今年の新種牡馬における「目玉」と言っても過言ではありません。
現役時代に底知れぬ強さを見せ、ファンの心に深く残る名馬でした。あの爆発的なスピード能力が産駒に伝われば成功は間違いないでしょう。初年度産駒誕生の際には、馬産地にて評価の高さが評判になったそうです。
母ブランネージュは追分ファーム生産ですが社台レースホースの募集馬としてデビューし、3勝をあげクラシックをはじめ重賞の掲示板の常連として活躍。母の堅実さに父のスピードが融合されれば、かなり面白い存在です。
管理する萩原清厩舎はGⅠレーシングのメイン厩舎のひとつです。
近5年間で8頭預託され5頭の勝ち上がり、クラブの看板馬ルヴァンスレーヴの管理厩舎でもあります。クラシック路線であれば、ロジユニヴァースでのダービー制覇をご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
外厩を巧みに使う一戦必勝タイプの厩舎です。 初仔という事でサイズを心配しましたが、それは杞憂に終わりました。
5月頭の段階で500kgを超える雄大な馬体で、すでにデビューに向けスタンバイ状態です。馬体は黒光りする立派な青鹿毛で、その姿は血統表内4代母の代表産駒でマイルCSを制したハットトリックを思い出させてくれます。
レシャバール
父:ハービンジャー
母:オリエントチャーム
母父:サンデーサイレンス
池江泰寿厩舎(栗東)
2018年3月20日生まれ
牡馬・募集額6,000万円
母16歳時の出産で2連産目(第9仔)
母オリエントチャームはマイルCSの覇者ペルシアンナイトだけでなく、JRAで出走した7頭中6頭が勝ち上がり、古馬5頭は全馬複数勝利を記録している優秀な繁殖牝馬です。
2年連続で同一の種牡馬を種付けされたことがなく、これだけコンスタントに勝ち馬を輩出できるのですから、彼女がいかに素晴らしい繁殖能力かが分かります。
管理する池江泰寿厩舎は近5年間で9頭中4頭を勝ち上がらせています。そして不思議なことに、勝ち上がりの4頭は全て母年齢10歳以上の産駒。過去のGⅠレーシングの全預託馬を調べてみても、やはり同様の結果となりました。たまたまの数字だと思うのですが、本馬も母16歳と高齢時の産駒なだけに、追い風とも言える面白いデータだと思います。
馬体は必要な筋肉がしっかりついていますから、スピード感のある走りをしてくれそうです。祖母はゴールドアリュールをはじめ何頭もの活躍馬を輩出したニキーヤ。良血馬らしい佇まいに期待が高まります。
スウィフティー
父:ダイワメジャー
母:ボンバルリーナ
母父:シンボリクリスエス
平田修厩舎(栗東)
2018年4月7日生まれ
牝馬・募集額1,600万円
母12歳時の出産で3連産目(第6仔)
母ボンバルリーナの産駒はあえてこの言葉を使います。ポイントは「キッカケ」と。
この血統については、何か「キッカケ」だけあれば走ってくると思っています。
初仔から4頭続けてディープインパクトを配合し、すべて牡馬が誕生。どの馬も見るものを魅了するグッドルッキングホースでした。しかし、現状としてはDMMドリームクラブでデビューしたキタノインパクトをはじめ複数勝利をあげた仔は出ずに、1勝馬にとどまっています。
しかし今年は父がダイワメジャーに変わった事で、一味違う雰囲気を感じています。
父ダイワメジャー×母父シンボリクリスエスの配合は過去にJRAで16頭がデビューし10頭が勝ち上がっています(勝ち上がり率62.5%)。代表的なところでは2018年の春に重賞3連勝でヴィクトリアマイルに挑戦して4着となったミスパンテールがあげられるでしょう。
この馬の最大の魅力は何と言っても「いかにもダイワメジャー産駒」だと思わせてくれるシルエットです。母ボンバルリーナが、いかに父親に似せた産駒を輩出する能力があるかが分かります。4月頭の段階で入厩をし、いち早くデビューを迎える事が出来そうな1頭です。初めにも書きましたが、この母親の産駒は「キッカケ」ひとつで大物を出してくれそうな気がしてなりません。順調さも含めて覚えておいて頂きたい存在です。
以上、高橋楓が選ぶGⅠレーシングの期待の4頭です。
クラブ名の通り、GⅠを目指す事が出来る環境や繁殖牝馬の質、スタッフなど、全てが揃っているクラブだと毎年感じています!その結果が2018年の成績です。
「黒・赤襷・袖赤一本輪」の勝負服が社台グループ第3の矢ではなく、3強としてターフを躍動する年なのではないでしょうか? この記事が皆様のPOG戦略のお役に立てれば幸いです。
※記事内のクラブの名称はクラブ法人名を使用しています。
※記事内の数字は2020年5月13日現在です。
※記事内の写真はクラブ募集時の写真となっています。