初夏の川崎競馬名物競走「スパーキングレディーカップ」。
中央勢から見れば貴重な牝馬限定戦のダート重賞競走、地方勢からみれば「グランダムジャパン」の一環として頂点を目指す戦いとなっている。
2020年のスパーキングレディーカップは雨中決戦となり、馬場は水が浮く不良馬場でレースが行われた。10頭の少頭数で中央勢は4頭、南関東所属馬が6頭のメンバー構成となり、人気は昨年の勝ち馬ファッショニスタに集まった。続く2番人気も中央勢のメイクハッピー、3番人気は大井のサルサディオーネとなった。
レース概況
カクテル光線の元、レーススタート。
レースは予想通りサルサディオーネが先手を取る形に。
そして2番手にスッとファッショニスタ、3番手にメイクハッピーがつけて人気各馬が前段を形成する形となった。
その後ろには、メモリーコウとワンダーアマービレと中央勢が続いた。
レースは、3コーナーで大きく動き出す。
2番手を追走していたファッショニスタの鞍上・川田将雅騎手がアクションを起こすと、メイクハッピーのルメール騎手とメモリーコウの古川吉洋騎手もこれに続き、前団4頭が横1列になって直線に向いた。
直線は、この4頭の伸び比べとなった。
粘り込みを図るサルサディオーネにメイクハッピーとサルサディオーネが食らいつく。意地のぶつかり合いの激戦はゴール前まで続いた。
ゴール前でぐっと前に出たのは真ん中の白い帽子、ファッショニスタだった。
ファッショニスタは連覇達成。
昨年の同レース以来の勝利を挙げ、重賞2勝目となった。
直線の激しい追い比べを制し、勝負強さを見せつける結果に。
2着には外を伸びたメイクハッピー。3着は逃げ粘ったサルサディオーネと人気順通りの堅い決着となった。
各馬短評
1着 ファッショニスタ
自身にとって1年ぶりの勝利で、連覇を飾った。
道中は2番手を追走。ぴったり逃げるサルサディオーネを見る形でレースを進める競馬。
直線を迎えると進路を馬場の3分どころに求め、追い出しゴール前でサルサディオーネをとらえた。
上がり最速を記録した直線では、彼女の力強さを感じる。
2着 メイクハッピー
3勝クラスを勝利し、紫苑S以来の重賞挑戦となったメイクハッピー。レースは先行3番手を追走し、横一線となった直線では、勝ち馬のファッショニスタの外から追い込みを図った。
結果は上がり最速も、位置取りの差で2着。重賞制覇は叶わなかったが、こちらもパワフルなレースを披露した。
3着 サルサディオーネ
地方最有力と称されたサルサディオーネ。
中央所属時から変わらず健在なダッシュ力をいかし、このレースもペースを握った。
直線まで後続の中央勢を引き付けながらレースを引っ張り、直線は残り150m付近まで先頭を譲らない走り。
6歳になった今年、待望の重賞初制覇を成し遂げた同馬だが、これからも牝馬戦線を賑わせる存在となるだろう。
写真:三木俊幸