「大混戦」。
──今年の函館記念を言葉で表現するなら、この言葉がしっくりときます。
4.2倍で単勝オッズ1番人気となったカウディーリョは実績の上では3勝クラス勝ちに留まり、オープン競走以上のレースでの好走実績はありません。レース前から波乱を予感させる、今年の函館記念はそのようなレースとなりました。
レース概況
ハナをきってレースの主導権を握ったのはトーラスジェミニ。前半から11秒台の淀みないラップを刻み、レースを引っ張ります。前半5ハロンのラップは58秒8。開催最終日となる函館競馬場の芝の状態を考慮すると、明らかなハイペースといえます。
レースが動いたのは残り4ハロン。
2、3番手につけたレッドサイオン、レイエンダがトーラスジェミニを捕まえに仕掛けます。ただし前半のハイペースがたたってか、先行勢の伸びはいま一つでした。
直線で変わって台頭してきたのが、後方で脚を溜めていたアドマイヤジャスタとドゥオーモの人気薄の2頭。
最終的には差し脚を活かしたアドマイヤジャスタが見事を復活勝利を飾る1着となりました。2着にはドゥオーモ、3着にはバイオスパークが入線します。
各馬短評
1着:⑭アドマイヤジャスタ(15番人気)
前走の鳴尾記念からホライゾネットを着用していて、その効果を感じる走りで1着。前走のレース内容も一定の評価ができるため、ここでは「復活」と考えてよさそう。
2歳時にはG1のホープフルステークスで2着の実績があり、まだ4歳馬と若い。
次走の走りに注目したい。
2着:⑥ドゥオーモ(13番人気)
前走、前々走は着順が奮わなかったが、ここにきて好走。ハイペースな展開がハマったことが好走の最大の要因と考えるが、逆に言えばハマった時は重賞でも馬券に絡める実力を証明したことに。
出脚が悪く展開の助けは必要であるものの、今後も条件が揃った際には注意したい一頭だ。
3着:②バイオスパーク(3番人気)
人気勢で唯一馬券に絡む好走。
馬場が悪い内を通り、かつ先行勢に厳しい流れでの3着で力を示した。
オープン入り後のレース結果、その内容は安定していて、5歳夏を迎えて充実期に入った印象。