超豪華メンバーが揃った上半期のマイル王決定戦「安田記念」。
今年は、JRA史上初の芝G1レース八冠を狙うアーモンドアイ、マイル王として連覇がかかるインディチャンプ、悲願のG1制覇を目指すダノンキングリーなど、安田記念史上最も豪華なメンバーが揃ったと言っても過言ではないレースとなりました。

戦前の話題は、何と言っても「アーモンドアイが史上初のG1レース八冠を達成するかどうか!?」という点。テレビニュースでも取り上げられるなど、アーモンドアイに大きな注目と期待が集まります。

その大きな期待を示すかのように、アーモンドアイに人気が集中。最終的な単勝オッズは1.3倍と、圧倒的人気になります。

とにもかくにも「アーモンドアイ」。
今年の安田記念は、そのような状況でレースを迎えます。

レース概況

ゲートが開くと、アーモンドアイがまさかの出遅れ。スタートのタイミングが合わず、ゲートが開く前に突進する形となり、約1馬身出遅れます。また、隣枠のクルーガーも同じく出遅れに。

しかしその直後、アーモンドアイはすぐさま出足の速さで出遅れを挽回して中団やや後方に取り付きます。

ハナを主張したのは、前走鮮やかに逃げ切ったダノンスマッシュ。
2番手にミスターメロディが続き、その後にダノンプレミアムやダノンキングリーのダノン軍団、そして香港G1を制したアドマイヤマーズなどが続きます。
中団にグランアレグリアが単騎で位置取り、その後にインディチャンプやアーモンドアイといった人気馬が続きます。

前半の800mのラップは45秒7。
稍重の馬場状態を考えると、やや速めのラップを刻み、レースが進んでいきました。

直線手前の4コーナー。
外からグランアレグリア、ケイアイノ―テックが手応えよく上がってきて、逃げるダノンスマッシュを射程圏内に捉えます。
アーモンドアイは、その2頭を見る形で直線へ。

迎えた直線。
残り400mの段階で、グランアレグリアが馬場の中央を手応え抜群で駆け、一気に先頭に立ちます。さらに、内からうまく立ち回って先頭との差を詰めてきたインディチャンプが続きます。
アーモンドアイも、馬場の外目から追い出されて伸びてきますが、グランアレグリアの方が脚色がよく差は詰まりません。

最終的にその差は縮まらず、グランアレグリアが他馬を突き放して見事勝利。
2着には、グランアレグリアと2馬身1/2差でアーモンドアイが入線して、何とか面目を保ちます。インディチャンプが、大外から一気に追い上げてきたノームコアを何とか抑え込み3着を確保しました。

各馬短評

1着 グランアレグリア(3番人気)

道中は課題の折り合いをしっかりとつけて、直線で末脚を爆発させて快勝。最後まで余裕があったことからも、この馬の強さが際立ちました。前走の高松宮記念のレース内容も、2着とはいえ圧巻の差し脚でしたから、秋以降には芝の短距離・マイル路線で主役を張る存在になりそうです。

2着 アーモンドアイ(1番人気)

出遅れは痛かったですが、その後はスムーズな競馬できていたように、昨年の安田記念よりは力を出せた印象です。レース後、ルメール騎手から「状態は良かった」とのコメントも出ていますので、今回はグランアレグリアの能力を評価すべきでしょう。
大きな期待に応えられなかった点は残念ですが、実力派のインディチャンプには先着しています。秋以降のG1レースでの八冠達成に期待したいです。

3着 インディチャンプ(2番人気)

アーモンドアイにつられる形でスタートの出が悪く、今回は中団からレースを進めることに。それでも4コーナーから内をロスなく通って、直線もスムーズに進路を確保していて、この馬の力は発揮できています。落鉄は残念ですが、緩い馬場も苦にしていないように感じましたし、やはり勝ったグランアレグリアを褒めたいところでしょう。

13着 ダノンプレミアム(4番人気)

スタートから先行してスムーズに競馬を進められましたが、直線ではまったく伸びず。
今回に関しては、海外遠征帰りの調整過程や緩めの馬場が合わなかったことが敗因と考えて良いのではないでしょうか。

7着 ダノンキングリー(5番人気)

好位からレースを進めましたが、直線ではこの馬らしい伸び脚は発揮できず7着に終わりました。昨秋のマイルチャンピオンシップの結果も加味すると、マイル戦よりは中距離戦の方が良い馬なのでしょう。道中に脚を溜めることができて、直線で末脚を爆発させられるような中距離戦で再評価したい馬です。

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